真佐美 ジュン

昭和40年代、手塚治虫先生との思い出「http://mcsammy.fc2web.com」の制作メモ&「日々の日誌」

展覧会の絵でファンタジア

2006年10月05日 15時52分54秒 | 虫プロ展覧会の絵
昭和42年1月21日には 虎ノ門ホールにて第21回芸術祭の表彰式が執り行われた。「展覧会の絵」は第21回芸術祭奨励賞を受賞し、手塚治虫と社長室は授賞式に出席した。
1月23日 には「展覧会の絵」が丸の内のピカデリーで「恋人達の世界」と一緒に封切りされた。
手塚先生はこのことで、お金が入るから、全社員に今公開されている、デズニーの「ファンタジア」を見てもらおうと言い出したのである。
これには私は少なからず責任を感じている。先生と仕事明の時よくお話をすくことがあった、「展覧会の絵」の時に、デズニーの「ファンタジア」みたいなといわれ、不勉強であったので「知りません」と答えてしまった。「あれは、アニメを志すのであれば、ぜったい見なくてはいけません」といわれたことがあったのだ。そのため先生は、全社員に見てもらいたいと考えていたのではないかと、心を痛めた。
デズニーの商法なのであろうか、何年かごとに(何年後とか忘れてしまったが)保存してあるネガから、ネガを起こして、ニュープリントで公開していた。こどもむけのアニメなので、成長に合わせて、見ていないこどもに向けて、公開することで、収益が上がる、こんな方法もあるのですねと、話していた。
その「ファンタジア」の切符を、手塚先生は全社員に配ると言った。
先生の言いつけで、デズニープロのある兼坂ビルまで330枚の切符を買いに行ってきた、総務課に渡して全社員へと配られた。しかし26日には切符が足りなくなってしまった。まだ貰っていない社員が大勢いるとの連絡が社長室に入った。またデズニープロへ行って、切符を購入してきた。それでもまだ足りなくなり31日に追加で買いに行った。
このことでわかるように虫プロでは、実際に社員が何人いたのか正確には把握できていなかった証拠で、どうも社員数を少なく見積もっていたのであろう。赤字の足音が聞こえ始めた。

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