昨日、MMT国際シンポジウムに参加し、来日したステファニー・ケルトンの講演を聴きました。ちなみに場所は、本会場ではなくてパブリックビューイング会場でした。
開口一番、ウォーレン・モスラーの例の「親/子クーポンモデル」が繰り出され、けっこう驚きました。おそらくケルトン教授は、初心者が財政支出と徴税の本質を理解するうえで同モデルが有効であると考えたのでしょう。会場が真っ暗でメモが取れなかったので、記憶を頼りに講演の内容を箇条書きにします。
・はじめに財政支出がある。その次に徴税が来る。
・だから徴税の本質は、財政支出の財源作りなどにはなくて、国民の購買力を奪う度合いを調整することによって経済をコントロールし過度なインフレを回避することにある。
・財政赤字は、それ自体良いものでも悪いものでもない。それゆえ政府は、財政の均衡を目指すべきではなくて、経済全体の均衡を目指すべきである。
・政府の経済政策の目標は、健全財政ではなくて健全な経済すなわち過度なインフレを回避しながら完全雇用を達成し続けることである。
・貿易赤字や貿易黒字はそれ自体でその善悪を断言することはできない。
・インフレの懸念がまったくないときに国民の購買力を奪う消費増税は不要である。
・リフレ派は、中央銀行に頼りすぎなので賛成できない。デフレ時には民間部門はお金を借りようとはしないから、中央銀行の金融政策の有効性には限界がある。財政政策でじかに人々の収入を増やし、消費行動を盛んにすることの方が有効である。
現段階では、残念ながら、昨日の模様を動画でお伝えすることがかないません。その代わりに、三橋貴明氏との翌日の対談と記者会見の動画を掲げておきます。
女史の経済的知見は、大手マスコミが流布しているものとは真逆です。どちらが真実を語っているのか、あなたの目でじっくりと見定めてください。
それにしても、ステファニー女史、なかなかのスター性の持ち主です。ジャンヌ・ダルクのような颯爽とした風情があるのですね。女史の講演を聴き終わっての周りの率直な反応は、「ううん、まいった」というものでした。「いい女」に接した後の男連中のなんともいえない幸福感(降伏感)そのものでした。これは、ほかのメディアでは絶対に報じられない類の情報であると思われるので、あえて当方から申し上げる次第です。「ケルトン現象」はしばらく続くものと思われます。その間に、反緊縮財政派は、反転攻勢の道筋の考案を練る必要があるでしょう。
【三橋貴明×ステファニー・ケルトン】概論、MMT(現代貨幣理論)
財政均衡論の虚構】MMT提唱者 ステファニー・ケルトン ニューヨーク州立大学教授 記者会見[桜R1/7/17]
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