人間は間違う存在であり、現実社会が複雑で、矛盾に満ちていることを認めることが保守の前提であるはずです。
だからこそ、多様性や寛容を尊び、謙虚でなければなりません。ただ現状を維持し何も変えないことが保守ではないのです。
伝統を守るためにも時代に合わせたゆるやかな変化を恐れてはいけません。
この発言は意外や意外、衆院議員稲田朋美さんの発言である。(朝日新聞)
防衛大臣のころの稲田さんに良い印象を持たなかったが、この発言は「保守の真髄」を的確についている。
いろいろ問題のある法案であったが、LGBT理解増進法の賛成に回ったのは理解できる。
一方保守の星と期待される高市早苗さんの言動は極めて歯切れが悪かった。
恐らく本人は若いころの行状を考えたらかなり進歩的な考えの持ち主だと思う。
ところが安倍晋三元首相に可愛がられたせいなのか、自民党のおじさんたちが唱える保守的思考(間違っているのだが)を声高に発言することで影響力を行使してきた。
右翼系の政治家や言論人からLGBT法案の反対に回るだろうと期待されていたが、あっさり賛成に回った。
また賛成に回った理由が言い訳がましい。
現在大臣職にあり反対すれば内閣不一致になるという。
しかし覚悟があれば「結構ですよ」と辞職して、反対に回ればよかったのだ。
人間の出処進退には、時には損な役割を莞爾(かんじ)として引き受けることでその人の奥行きを感じさせることもある。