傍若無人なトランプの振舞をアメリカ国民は支持しているのか?
実はそんなに高くない。ロイター通信などでは支持率44%、不支持率51%という調査結果もある。
イーロン・マスクの官僚機構改革(有無を言わせず首にする)や物価高への反感がかなり強いようだ。
かって隆盛を極めた自動車や鉄鋼産業に、関税政策でテコ入れしてもおそらく「焼け石に水」だ。
産業が衰退の過程に入ったら如何ともしがたいのだ。
トランプに投票した人たちの失望の声が段々と大きくなりそうだ。
世界を見渡すとプーチン、習近平そしてトランプと皇帝を目指す裸の王様たちが勢ぞろい。
対する民主主義国家はEUを中心に態勢を立て直そうとしている。
しかし、まとまらなければ勝てない。
日本はどうすべきか?
フランスの歴史学者エマニュエル・トッドは次のようにアドヴァイスする。
当面は、静かに、目立たないようにすべきです。
米国は中国との対立を激化させるかもしれない。日本にとっても大変難しい状況ですが、それでもできるだけ対立には関与しないようにして、自国の産業システムを守ることです。
フランス人らしい冷徹なリアリストの目だ。
石破茂首相は忍耐力はありそうだがどこまで持ちこたえられるか?
日本の守るべき一線は、米中の「対立には関与しない」に尽きる。
関与するとしてもなだめ役だ。