歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

今夜も寝つけない

2009-02-16 01:30:35 | Weblog
疲れすぎると、目が冴えてしまう。
精神的に負担が増えると、寝付けなくなる。
どうしても朝のために眠らないといけない時は、睡眠導入剤を使う。

介護職は、睡眠バランスが崩れ易い職業なのだ。それでも夜勤をしないだけまし。

施設の玄関に家族が活けてくださった桃の花が開いている。
さすが、プロ!という腕前で、銀座などで教えておられる方である。
著明な画家の傍系にあたる出身のようだ。
個人的にも親しく信頼して付き合ってくださっている。

ドアの内側には、これも寄贈していただいた雛壇が飾ってある。
お内裏様を右か左かで、毎年盛り上がる(笑い)。
関東と関西は逆なので、それと、向かって右か、そのまま右か?でももめている。
右近の橘、左近の桜・・・。わかんなくなってきた。
ド~でもいいわ、話題になっていいだろう。話のタネよ。で、落ち着いた。(笑)


クレーマーの原因になった方の家族と面談。現状と今後のかかわり、家族へお願いしたいこと、医師面談をしていただくことなどを話し合う。
認知症の周辺症状(BPSD)が「暴言。暴行」という形で出て、自己抑制できない方は、本人にそのつもりがなくても怖がられ、問題視される。
自分の思うことをいいたくても語彙が少なくなり言葉として表現できないので、手が出る形になるのだ。スタッフでさえ理解できる人ばかりではないのだから、入居者や家族はなおさらである。
その上、このタイプの認知症はストレスにとても弱く、周囲の環境変化に大きく左右されてしまう。
同じフロアの入居者の顔が変わったこと、スタッフの入れ替わりが何人か続いていること。
全てが「環境」となる。
では、どうするか?
精神薬をこれ以上使いたくない。その人の人格が無くなるようなことはしたくない。個別に接すれば、何の問題もない方なのだ。
共同生活、それも、自立混在だから問題となってしまう。
私たちスタッフの関わり方で気分転換と、家族の来訪を増やしていただくこと。
「あなたのことを、いつも見ていますよ」
安心感が必要なケアだと分かっている。


面談を終えた途端、別のフロアで急変が起きた。
駆けつけたときには、もう脈が触れない。下顎呼吸,どころか浅くて・・・。
呼んでも、呼んでも、返事はなかった。
ついその前まで、奥様と息子さんと会話を交わしたという。
息子さんが帰った後の急変。
ほとんど苦しまず、あっけない最後だった。

オープンから2年目、施設でターミナルを看取って3人目。
3人とも目の前で看取れている。
これだけ重症者を預かっている施設、ということ。


若いスタッフばかりの施設なので、「人の死」を目の前で体験すると、しばらく立ち直れなくなる。
スタッフのターミナル教育や精神的フォローをしないといけないようだ。


続けて、面談をもう1件終え、日常業務に就く。
頭と心の切り替えが必至の仕事である。

ヴァレンタインに.春一番

2009-02-15 00:10:50 | Weblog
今朝、ベランダの植木鉢が倒れていた。
雨上がりは、春もどきの気温上昇で着ていくものに困った。
とにかく電車内はアツイ。
気温とともに花粉が飛び、黄砂も流れてきているのではないかな?
妙に喉が痛いし、舌が荒れはじめている。
疲れとのダブルパンチかもしれない。

入居者が育てている沈丁花の花が開き始めた。この香りは好き。
我がベランダの金のなる木の花も次々と開いている。
倒れていたのは実生の、アボガド。
何でも育つモンですよ!食べた後の種をきれいに洗って植えたもの。
お正月に家族が飾ってくださった蝋梅の枝を挿していたら根が出てきた。
え?蝋梅って、梅の仲間じゃないの?
葉も出てきたのを見ると、まるで柳みたい。
柳は生命力が強くて生け花から根が出てくるのは知っていたが、マサカ、ネ。
施設の前栽に挿し木して、枝を数本切って持ち帰ったのにひげ根が出ている。
次の休みに植木鉢に植えてみよう。
蝋梅の香りは大好きなので、育てば嬉しいな。


サロンコンサートの出し物、フイガロは立ちを付け出している。
もちろん演出は自分たちで。
イヤイヤ、スザンナはフイガロをひっぱたいて、追いかけて、悔し泣きして。
歌が・・・息が切れそう(笑い)。
逃げ回るフイガロもだが、体を倒して歌うのは声が通らなくなるよねえ。
スザンナはフイガロを蹴りつける演出が多いのは歌いにくいからなんだ!
やってみて分かることもあるのよ。
かがんでたたくのを、蹴ることにしようっと。
そのほうが声が前に出る。
「ホントにたたいてもイイデスヨ!痛くないから」フイガロがそういっている。
でも、ホントに蹴ったら?
痛いよね、やっぱり。

観客が目の前にいる会場なので、動きにくいけどメンバーのほとんどが舞台慣れしているので、何とかなるだろう。

さあ、明日からは声の出し方に気をつけながら仕事をしないと。
トラブルの対応、クレーマー家族への対応の打ち合わせ。
体調不良者の面談。
明日も家族面談が2件ある。
日常ケアにも入るので、声を維持するのは、なかなか苦労してるんです。


あ、チョコレート、いただきました!
手作りの生チョコも!
「忘れないで持って帰ってくださいよ、本命なんですから(笑い)」だって。
絶対誤解しないから、安心して言ってるでしょ!

ネコの手も足りないと、トラブルが起きる

2009-02-13 23:54:52 | Weblog
出勤するたびに、急変・入居者同士のトラブルがおきる。
面談を2件済ませ、後始末(記録)をして7時に帰る予定だった。

帰宅願望の入居者が立て続けに2人となり、どうしてもそちらの対応に手をとられてしまう。同じフロアに2人は、振り回される。
入居している全ての方が心底は淋しい。

スタッフの補充が出来ないでいるこの期間、どうしても慣れている方のかかわりが薄くなる。
家族の訪れが少なく、ほとんど1人でいるAさん。
スタッフばかりか入居者への手出しが増えてしまい、クレームとなった。
大して強くはしていないが「たたいた」事には変わりない。
された方、聞いた家族にしたら「暴力」。
立て続けに3人目が・・・。

「一緒にいてくれよォ」とスタッフの腕をつかんで離さないAさん。
「連れて行ってくれよォ」
「食べさせてくれよォ」絶対に食べさせられるなんてことは断固拒否していたAさんと思えないようなことが起きている。
物に当たったり、大声を出すのは、自分に注目を集めたいため。
入居者に強く手を出すことはなかったし、そういう方ではない。
なにがAさんをそうさせているのか?

寂しさ・・・。
Aさん以上に帰宅願望で徘徊する新しい入居者へスタッフはかかりきりになる。
Aさんの居場所がなくなった。
私は「嫉妬心」ではないかと考えている。
暴力行為で取り上げられると、服薬調整となり易いが、
Aさんの人格をなくするような、命を縮める様な調整は絶対したくない。
Aさんばかりではない、もし他の方でも同じである。

2年経てば入居者の変動もあるし、介護度も上がる。
1年前と同じ条件ではありえない。
別なフロアでは酸素濃度が80%台のBさんがいる。在宅酸素5リットルで調整。
意識ははっきりしていて「もう長くはないよ、自分でわかる」と。
「東京に来て良かったと思ってほしいの」と私。
地方からここに連れてきてしまったことが悪かったのではないかと後悔している家族がいる。私も同じ立場だ。
年末には「謹賀新年」「賀正」と立派な書を書いてくださったBさん。
「あれは大事にとってあるわよ。『喝』もね。」
『喝』はBさんの好きな字である。私に書いてくださった。
話しているうちに涙が浮かんできてしまった。呼び出されてしまい、行かなきゃ行けないというと「残念だなあ」という。
「明日、時間が取れるから来ますよ。」といって離れる。

わずか35人の小規模施設だが、どのフロアにも何らかのトラブルを抱えている。
その全てに時間が足りなくて関わりきれないもどかしさ。

介護は、特に施設はスタッフ人数が多ければよいケアが出来るとは思わないが、
要るべき人員が、必要な人員が足りないのは舗装道路に穴ぼこがあるのと同じだ。
特に今いるスタッフのほとんどが、
入居者全員を「看るケア」が出来ていないと私は思っている。
自分の隣にいる入居者しか「看えていない」。
全体、せめて1人のスタッフが3~4人の入居者を観察できる能力に高めるのが目標だが、早くて6ヶ月はかかるだろう。

うちのペット犬の手では、ラチがあかないので、ネコの手でもほしい!
次のシフトでは資格研修があるのだが、公休消化も出来なくなっているので来年へ見送ろうかと考えている。
研修を消化するより休みたい!!

箪笥長持ち、どの子がほしい

2009-02-09 23:12:04 | Weblog
あの子がほしい、あの子じゃわからん、
この子がほしい、この子じゃわからん、
**ちゃんがほしい!

子取り歌、コンナコトして遊んだこと、ありません?

うちの施設も退社したスタッフ分が、まだ補充できていない。
派遣を依頼して来ていたが、なんと、ドロン!?
え?派遣さんが続かなかった?
大体派遣をしているような人は仕事ができるのが当たり前で、即戦力。
こんなこともありなんだ~、といまさらながら知った。
2週間の研修期間を終えて、連絡が取れなくなってしまったようだ。
そのおかげで、いまだに人手不足。
支援部から手伝いに来てもらっている。
幸か不幸か、なくなった方の後の入居が途絶えているので、何とかしのげている。

私のチームにもそのうち1人入る予定なのだが、いつのことやら・・・。
そう言われてもう1年が過ぎた。
おかげで私は、ケアマネ業務をする日がほとんど取れないでいる。
我ながら、よく働くと自画自賛!(笑い)
うちの会社、資格手当てが少ないので、入居者1人につき**エン。
この半年で、やっと法令どおりの流れを作りつつある。


人事は私の権限にないので関知していないが、面接は今月2人あったと聞いている。
短時間ではわからない、というが、初対面の印象は当たるのだけど。
そこが若いということなのだろうな。

スタッフが変わると、入居者や家族が不安そうな顔になる。
逆に「あの人が辞めて良かった」といわれることもある。(悲しいかな・・・)
聞くところによると、そういわれるスタッフは、
「目が笑っていない」そうである。
口(言葉)と手(しているケア)が異なる、とも。

人間同士なので、どうしても好き嫌いは仕方がないと思うけれど、
家族に「あのスタッフは辞めて良かった」と言わせてしまうスタッフに気づかなかったのは、私たちの怠慢だろう。反省しないといけない。
自身で物言えない人へのケアは、物言える人よりも心しなければならない。
勤務先は、家族と伴にケアをしているので、かなり注意しているとは思うのだが、それでもなおこうなのだ。

新卒1年目、2年目のスタッフは順調に育っているのが嬉しい。
23~25歳だが、彼らなりに吸収し現場に向かっている。
勤務先も半数は中途入社で賄っているが、育てるのが難しいのはこちら。
自分のことは置いておいて、他人を批判する目ばかりが強いのが難点。
いささか、私自身にも当てはまるので気をつけなくちゃ。

あの子じゃいらない、といわれないように・・・(笑い)

サロンコンサートプログラム

2009-02-04 22:47:58 | Weblog
21日のフリースペースで開催するコンサートのプログラムが決定。
45分という限られた持ち時間をフルに活用。
同じ日に、あと2団体の演奏があるが器楽だ。


2月21日(土)13:45分開演
京王永山駅(小田急多摩線永山駅) ベルブ永山3階(図書館のあるフロア)

出演団体名:ベッラ・ドンナ
      (ソプラノ3人・テノール2人・バリトン1人・ピアニスト)

演奏曲目

1、ヴェルデイ作曲「リゴレット」より「あれかこれか」
  イノチェンツイ作曲「さらば栄光の夢」             テノール

2、ヘンデル作曲「ロデリンデ」より「抱擁」(二重唱)  ソプラノ・テノール

3、ビゼー作曲「カルメン」より「ハバネラ」
  チレア作曲「アドリアーナ・ルクプルール」より
            「苦い喜び、甘い苦痛」          ソプラノ

4、モーツアルト作曲「フイガロの結婚」より
    *「三尺、四尺」(スザンナとフイガロの二重唱) ソプラノ・バリトン
    *「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」(フイガロのアリア)    バリトン
    *「フイナーレ、『ここに隠れていよう』」           全員


フイナーレは16分かかり、スザンナとフイガロは出ずっぱりなので最後にまとめて歌うというプログラム(笑)
ヘンデルの二重唱のアルトは、テノールの1人がフアルセットで歌ってくれることになりお役ゴメンになりスザンナに集中できることに。
声を作り直している最中なので、協力してくれたようだ。ありがとう!
昨年末からボイストレーニングを始め、先生と一緒に悩みながら(?)私に最もあった方法を取っていただいている。なまじっか初心者でないだけに、先生が気を使ってくださるのが良く判るので申し訳ないなと思いながらも、自分の判るところまで、納得できるまで試行錯誤させていただいている。
我儘なレッスン生で、きっとやりにくいだろな。
でも、今日も「今我慢して続けていけますか?」といわれた。先生もまだいつまで続くか不安なのかも。
何しろ曲を何も練習せずトレーニングだけなので。
これは私の希望なのだが・・・。

フイガロから「歌いやすそうになってますね。」といわれたので、方向は間違っていない。私自身も少しづつ変化が出ているのが判っている。

幾つになっても訓練できるんですよオ!
声楽は筋トレでもあるので(笑い)。
背筋、腹筋、臀部、そして声帯も筋肉。
自分のためにトレーニングしなきゃアね。