【音楽アルバム紹介】The Joshua Tree(1987) - U2

アイルランドのロックバンド、U2の5thアルバム。

アメリカのロックとアイリッシュ音楽をルーツとした、スピリチュアルでダイナミックな楽曲が特徴。

内省的で社会的なメッセージが歌われており、宗教紛争や飢餓、人権問題など世界に渦巻く社会問題をテーマとしています。

また、バンドは現地でのボランティア活動や慈善事業に対しても積極的であり、そこでの経験が楽曲に反映されています。

The Joshua Treeへのインタビュー内で、ボノはロックについて聞かれこう答えています。

『ロックンロールが僕にとってなにか意味があるとしたら、それは開放なんだ。それは自分自身だけの問題とか、自分のセクシュアリティとかスピリチュアリティとか、そういうことだけではなくて、他人の問題も含めてね。』

普段心の中に押し込めている感情や思想をロックとして歌うことにより共感を呼び、他人との垣根を飛び越え、境界をなくしてしまう。

それは、自分が自分でなくなってしまうような『自己の境界の開放』であり、そこにロックが世界に対する処方箋となることを信じていたからこそ、U2は本作を作り上げることが出来たのでしょう。

この信念はビートルズやボブ・ディラン、ジミ・ヘンドリックスなどにも共通するものであり、ロックをロックたらしめる根本原理となっています。

【トラックリスト】

1. Where the Streets Have No Name

2. I Still Haven't Found What I'm Looking For

3. With or Without You

4. Bullet the Blue Sky

5. Running to Stand Still

6. Red Hill Mining Town

7. In God's Country

8. Trip Through Your Wires

9. One Tree Hill

10. Exit

11. Mothers of the Disappeared

全曲ハイライトと言えますが特にトラック1とトラック2が素晴らしくて何回も聴きました。

総評としてU2を世界的なバンドに押し上げた作品であり、普遍的な輝きを放つロック史に残る名盤であると言えます。

I Still Haven't Found What I'm Looking For

MVに対訳が載っています。