評価
児童養護施設で暮らしていた高校1年生女子からの手紙がきっかけで生まれた物語。「施設にいるからといって可哀想ではない」「正しく施設のことを知ってほしい」との思いが込められた有川浩渾身の一作。手紙を送った笹谷実咲さんが解説を書いています!是非みなさんに読んで欲しい作品です!
三田村慎平は民間企業を辞めて児童養護施設あしたの家に就職。右も左もわからない慎平の指導についたのは和泉和恵。和泉の担当する高2の模範生・谷村奏子との間にわだかまりを感じた慎平は、奏子の隠された気持ちを知り戸惑いを覚えつつ、和恵、奏子とともに成長して行く。
有川浩さんと(株)幻冬舎の姿勢がすばらしいと思います。今まで、ニュースでたまに聞くことはあっても児童養護施設について知ろうとしたことはありませんでした。そこで暮らす思春期をむかえた子供たちの気持ちもよくわかりました。
施設を出て奨学金をもらって有名大学に進学した重野温子が病気になり学費を納めることが出来なくなり結局退学してしまったエピソードが出てきます。あしたの家でこの娘を担当して進学の相談に乗っていた猪俣先生は無我夢中でこの娘の行方を捜しますが徒労に終わってしまいます。そんな時、自衛隊員になっている養護施設出身者の体験談を聞くために、施設の子と出向きます。そこで、猪俣先生の目の前に現れた自衛隊員はこう名乗ります。「重野温子三曹です。」ここで小生の涙腺決壊!!!
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