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評価
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再読(前回2019年8月12日)。
昭和史の謎に切り込む保阪氏の力作。そこから導きだされる日本人論が面白い。アメリカ大統領が、ソ連および社会主義体制への認識が甘かったルーズヴェルトから警戒心の強いトルーマンに交代していなかったら日本は分断されていた可能性が高い、と思うと実に恐ろしい。
①日本の<文化大革命>は、なぜ起きたか?
②真珠湾攻撃で、なぜ上陸作戦は行わなかったか?
③戦前・戦時下の日本のスパイ合戦は、どのような内容だったか?
④<東日本社会主義人民共和国>は、誕生しえたか?
⑤なぜ陸軍の軍人だけが、東京裁判で絞首刑になったか?
⑥占領下で日本にはなぜ反GHQ地下運動はなかったか?
⑦M資金とは何をさし、それはどのような戦後の闇を継いでいるか?
印象に残った一文を記す。
「5.15事件の被告への同情、そして減刑嘆願運動は、どうあれ、動機が正しければ何を行なっても許される、という国論を生むきっかけとなった。至純の情けこそ尊い、無私の精神に優るものはないというのだ。」
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