Drマサ非公認ブログ

はじめて入院した37

 カタログは「タンパク質・塩分を控えたい方へ」と題された無料カタログである。

 どうして心不全患者がタンパク質摂取の制限を受けるかというと、その理由は定かだとは思われない。ただタンパク質摂取量の多い人の方が少ない人より心不全リスクが高いという統計調査があるかららしい。また高タンパクは腎臓への負担が大きいこともあり、腎機能低下の私は気をつけなければならないとの判断である。私は1日の許容摂取量が60g程度とされたが、ものによっては80gとされている。

 なんか制限されているようだが、例えば豚肉100gの中にタンパク質は23g程度である。1日の摂取量と考えると以外に普通に食べられる。ただご飯やパンなどを含むと、容易に許容摂取量を超える。卵の白身も上質なタンパク質が含まれている。

 格闘技団体パンクラスが発足した頃、体づくりのために卵の黄身を食べず、白身だけを食べていたのを思い出したが、卵1個に含まれるタンパク質は6グラムである。私は2日で1個の卵摂取がいいだろうと指導を受けた。

 ただタンパク質を摂取しなければ、当然エネルギー源を失うので、普通の活動に支障が生じる。結局食べ過ぎはそもそも良くないので、腹7〜8部程度の食事にするのが良いとの指導である。実に常識的だ。そもそも満腹になるまで食事するのは現在でいう生活習慣病になりやすくする。さらに運動しなければ当然リスクを高める。

 まとめると、適度な食事に留めればいいというのが指導になる。食べ過ぎの私たちの文化では普段意識しないとできないことではあるが、繰り返す、常識的な見解だ。

 そこでカタログの登場だ。カタログにはタンパク質の摂取リスクに関して、わかりやすくイラストが利用され説明されている。そして、食事例をいくつか提示して、1日の摂取量がどの程度になるのかを教えてくれている。

 まあそこまではいい。そこからは商売にすぎない。あくまで商品のPR誌になっているのだ。まず売りはタンパク質調整米である。高い!いろんな種類があり、値段設定も色々。例えば3kgの調整米はおおよそ5,000円程度である。1食分というのもあるが、180gで200円超。よくあるサトウのご飯は120〜150円程度である。なんだ、心不全のような病気をした人間の心配を利用する程のいい商売ではないか。

 それ以外に多くの食品が低タンパク、減塩を売りにした商品として調味料や粉製品、飲料品、おかず、デザートなど様々なものが紹介されている。ついには弁当セットで宅配まである。商品の写真の横にはエネルギー量、水分、タンパク質、脂質、他ナトリウムなどのミネラル量が逐一記載されており、その数字が私たちの不安に対処する指標として告げられている。

 食に企業が入り込み、家庭の重要度が下がっているのが現代社会でもあるが、病気は企業にとって経済的なチャンスなのであろう。そんなことをふと思ったりした。

 病院の栄養指導の中に企業の経済活動が何気に組み込まれているのだが、栄養士は「参考程度です」とは言っていたものの、タンパク質調整米はお勧めだと営業活動していたように思う。ちなみに入院食は調整米であったらしい。

 退院後の私は塩分はかなり控えめにして、食べ過ぎないようには気をつけている。ただ2週間に1度ぐらいは結構食べる日がある。体重には気をつけており、ほぼ75kgで安定している。

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