6月29日 おはよう日本
交通事故のとき頼りになるのが小型車載カメラ ドライブレコーダー。
自動的に走行の様子を録画し
事故を起こした時の客観的な情報を証拠として残してくれる。
今そのドライブレコーダーの需要が急速に広がっている。
大手カー用品店のオートバックスでは
専用の売り場を設けて約30種類のドライブレコーダーを販売している。
10年前にはチェーン全体でわずか25台だった販売数が
2014年度には13万台にのぼった。
いま交通事故を未然に防ぐためにこのドライブレコーダーの活用が始まっている。
交差点を超えると突然車線変更してくる車の映像。
前にいたタクシーをよけようとしてあわや接触事故寸前。
家電量販店の駐車場では飛び出してきたのは小さな子ども。
どちらも一般のドライバーのドライブレコーダーがとらえた映像である。
この映像が見られるのがJAFが2年前に開設したホームページ JAFセーフティシアター。
ドライバーが投稿した事故やヒヤッとした瞬間の映像を200件以上閲覧できる。
ショッキングな場面も含まれているが
映像を見ることで教訓にしてもらうのが狙いである。
(JAF福井支部 推進課 酒向統久さん)
「人や車が飛び出してくるのではないかとか
そういった危険予知というものが非常に重要になってくるんですが
実際の映像ですのでそういったものを見るというのはすごく大事なことだと思う。」
さらに6月 福井県警が高齢者の事故を防止しようとドライブレコーダーを使った取り組みを始めた。
警察官が訪ねたのは高齢ドライバーの自宅。
高齢者にドライブレコーダーを1週間貸し出し
映像をもとに運転のアドバイスをしていく。
福井県は交通事故で高齢者が亡くなるケースが全国ワースト2位である。
運転歴44年 無事故無違反を続けてきた吉川敏裕さん(79)。
週に1回程度 買い物などに利用する車は生活には欠かせない。
(吉川敏裕さん)
「自分では注意をしているつもりでも
感覚的には鈍っているというのは自分なりに感じているんです。
実際にどのくらい鈍っているのかわかれば
私はなお注意ができると思っているんです。」
1週間後 ドライブレコーダーの映像をもとに警察官から運転についてのアドバイスがあった。
「確認したなかでどうしても“一時停止”のところ。」
警察官が注目したのは信号のない交差点。
一時停止の標識と停止線が見えるが
止まったのは停止線を超えて交差点に進入した後だった。
「いずれの場所でも必ず停止線を超えて止まる癖がついてしまっている。」
停止線を超えて進むと車道に気を取られてしまい
前を通過する自転車や歩行者に接触してしまう危険もある。
「癖だと思います。
意識してもらえればこれは直りますので。」
(吉川敏裕さん)
「これは話を聞くだけよりもはるかに自分の運転がよく分かったと思います。
事故を起こすかもしれない可能性があることがよくわかりましたんで
これから気をつけていきたいと思っています。」
需要が高まるドライブレコーダー。
事故を未然に防ぐ有効な道具としてその活用が始まっている。