7月11日 経済フロントライン
静岡県焼津港。
日本有数のカツオの水揚げを誇る。
ここにEU向けのかつお節の輸出を目指す水産加工会社がある。
かつお節はまきを燃やした熱と煙でいぶしながら3週間ほど乾燥させて作る。
しかしこの工場はEUが求める基準を満たしていなかった。
{ご覧のとうりすすが付いているし
洗浄できる構造ではないのでEU輸出向けには厳しい。」
EUが求めるのはHACCP(衛生管理の手法)に基づく基準である。
水産加工品の場合
アメリカなどでは工場のみで満たせば良いとしている。
しかしEU向けでは船・港・工場 それぞれで基準を満たすよう求めている。
この会社ではEUの基準を満たすため設備の整備を進めた。
「オールステンレス張りで全面洗浄できる。」
製造から製品の梱包まで全ての工程で基準に合わせた。
(水産加工会社 新丸正 久野徳也社長)
「見本がないところから自分たちで調べてこのレイアウトにした。
ようやくここまで来た。」
さらに港の設備も基準を満たすよう様々な工夫を取り入れた。
「底上げされていて段差があるので外と中が完全に隔離されている。」
段差があることで外部からの異物の侵入を少しでも防げると言う。
カツオ漁の船もより洗浄がしやすいタイプにした。
今回 特例ながらもこの会社のかつお節がミラノ万博に渡った。
日本館にある和食の店で使われることになったのである。
「使わせてもらってます。
皆さんにおいしいと言われています。」
(水産加工会社 新丸正 久野徳也社長)
「かつお節を世界共通の食材にしたい。
和食以外の世界の料理にかつお節を使っていただきたい。」
日本政府も
基準を満たす企業や工場を増やし
本格的なEUへのかつお節の輸出を進めたいとしている。
(農林水産省 櫻庭英悦食料産業局長)
「日本食の最大の決め手はだしだと思っている。
日本食の最大の武器でもあるし強みでもある。
民間の方々がどうやれば動きやすいか
PRできるのか
一緒になって考える。」