7月16日 キャッチ!
豊かな香り
深い味わい
無化新柄の本格的なお茶は今も台湾の人たちに親しまれている。
(来店客)
「週に1度は飲みに来ますね。」
台北の中心街。
通りのあちらこちらにお茶を扱う店が並ぶ。
台湾では伝統的なお茶を味わえる「茶芸館」と呼ばれるカフェは
1980年代から人気を集めるようになった。
さまざまな種類のお茶とともに茶菓子や料理も楽しめる。
お茶の味わいを左右するのはお茶のいれ方と道具である。
流派によって異なるがその中の代表的な作法を茶芸館のご主人に見せてもらった。
(竹里館 店主 黄浩然さん)
「今から紹介するのはウーロン茶のいれ方です。
ゴンフーチャー(功夫茶)と呼ばれています。
まずとても大切なことは茶器や茶盆などを温めることです。
すべての茶葉を急須に入れます。
次にお茶の香りを引き出すために両手で急須を揺らし香りを楽しみます。
そしてお湯を注ぎます。」
香り漂う道具を使い4分ほどの時間をかけてていねいに入れたお茶。
入れたてをいただく。
(竹里館 店主 黄浩然さん)
「台湾のお茶は香りが200種類以上あり製法も違います。
お茶の特色を引き出すため香りを楽しむ道具も考案されました。」
暑さの厳しい台湾。
6月から気温が35度近くまである日が続いている。
この時期 会社員にかかえないのがお茶で作ったミルクティーである。
(来店客)
「熱いときはこれですよ。」
「おいしくて香りもいいです。」
人気があるのは比較的味が濃い鉄観音の茶葉を使ったもの。
この店では季節や時間帯によって用意するお茶の量を調節している。
新鮮なものを使うことで風味を落とさないようにしているのである。
(店員)
「お茶の味を大事にしています。
1杯でいろいろな風味が楽しめますよ。」
お茶の文化に親しむことにこだわった店が路地裏にある。
マンションの1室にしつらえた静かな空間に素朴な味わいの茶器が並んでいる。
この店のオーナー 何健さん。
30年近く研究をしているお茶の専門家である。
陶器やお茶の魅力にひかれて脱サラし
14年前から茶葉や茶器を販売する店を経営している。
この店舗は一昨年開店した。
中国大陸で作られた瓶や台湾の古い家具のコレクションに囲まれた店内で
何さんは自らの経験に基づいたお茶の楽しみ方を客に無料で教えている。
(治堂 何健さん)
「第一に心を落ち着けること。
そうすれば本当の味がわかります。」
(来店客)
「同じお茶を飲んでも毎回味が違うところが驚きです。」
台湾のお茶は
深い精神性が求められる日本の茶道に比べると
その気軽さに特徴があると言う何さん。
お茶の楽しみ方が多様化するなか
自宅に友人をもてなすような店の雰囲気を通じて
台湾特有のお茶の文化を伝えていきたいと考えている。
(治堂 店主 何健さん)
「こうしたお茶の飲み方を通じてお茶と対話し
友人と集まる。
それは生活感であり
人間的であり
素朴なものです。
お茶で精神を高められますがそれは気持ち次第です。」
独自に育まれてきた台湾のお茶。
生活スタイルは変わってもホッと一息できるその文化は
今も多くの人たちを魅了している。