4月26日 おはよう日本
人口100万以上
世界最大の都市だった江戸。
江戸の実像に迫る超高精細の数々の写真の発見があった。
発見の舞台は
日本から遠く離れたオーストリアの小さな町バート・アウスゼー。
博物館の収蔵庫に江戸の町を写したネガが眠っていた。
(カンマーホフ博物館 ピーター・グリル館長)
「最初は信じられませんでした。
調査を重ねて
ようやくこれが江戸の風景だとわかったんです。」
江戸の中心 日本橋
赤坂の武家屋敷
将軍家の菩提寺 増上寺。
オーストリア各地で見つかったネガは270枚にのぼる。
現地で調査を続けてきた東京大学の研究チーム。
その目をくぎ付けにしたのは写真の鮮明さ。
暮らしの様子が細部まで写し出されていた。
「洗濯物だ。」
「相合い傘だ。」
船が行き交う神田川。
拡大すると
積み荷の瓦が見えてきた。
高台から見た武家屋敷。
屋根や壁の風合いまで国名に写し出されている。
(東京大学史料編纂所 保谷徹所長)
「非常に細かい高精細な画像が詰まっている。
いろいろな情報がとれることが一番の魅力。」
貴重なコレクションを残したのは
オーストリアの写真家 ミヒャエル・モーザーである。
外交使節団の一員として来日し
のちに写真家となったモーザーにとって
江戸は特別な場所だったと言う。
(孫 アルフレッド・モーザー氏)
「祖父は江戸の町を数多く撮っています。
大都市にもかかわらず
清潔で美しい町でした。
祖父は江戸に大きな感銘を受けたのです。」
ネガの研究から江戸の知られざる姿が次々と浮かび上がっている。
江戸城の南に広がる武家屋敷を写したネガ。
詳しく分析したところ
江戸の街並みを写した最も古いネガだったことが判明したのである。
「江戸の町をとらえた最古の写真。
武家屋敷
大名屋敷
旗本屋敷がつぶさに写されている。
非常に貴重な江戸の街並み研究の手がかり。」
時を超え
よみがえる江戸の風景。
人口100万以上
ロンドンやパリを超え
世界最大の都市だった江戸。
新発見によって
江戸の真の姿が明らかになってきたのである。