5月9日 国際報道2018
以前はニューヨークのマンハッタンでよく見かけた電話ボックス。
今では数えるほどしか残っていない。
(市民)
「利用している人はたまにしか見ないわ。
みんな携帯電話を持っているもの。
何年も前は電話ボックスが必要だったのにね。」
「携帯電話が使えなくなっても電話ボックスは使わないね。」
存在感が薄くなった電話ボックス。
今その機能が見直され
新たな場所で活躍しようとしている。
それはオフィスの中。
マンハッタンにあるシェアオフィス。
さまざまな業種の人が集まっている。
そこで気になるのが“音”。
シドニー大学が行った調査では
半数以上の人が
“オープンオフィスは音に関するプライバシーがない”と答えている。
電話ボックスの中にあるのはテーブルと電源。
オープンオフィスが増えるなかで
“静かな環境で取引先と仕事の話をしたい”
そうした要望が増え
オフィス街の電話ボックスが増えてきているのである。
(電話ボックスの利用者)
「毎日利用します。
電話ボックスだと自席よりも集中して仕事ができるの。」
オープンスペースでの仕事は
“8分に1回は中断を余儀なくされ生産性を大きく損なう“との調査結果もあり
電話ボックスは人気を集めている。
業務に集中したいときや静かな空間で考えを整理したいときなど
プライベートな空間を求めて電話ボックスを利用する人も少なくない。
このため休憩や少人数での利用が可能な個室の開発も進んでいる。
(メーカー担当者)
「仕事の本質が変化してきているんです。
同僚と意見を出し合う時間も必要ですが
そうした環境から離れて
邪魔されずに集中できる空間も必要です。」
技術革新に伴い町中から消えた電話ボックス。
時代に沿った形で復活し
利用者のニーズをつかんでいる。