7月18日 NHKBS1「国際報道2019」
それぞれの生産地の特色を生かした「クラフトジン」。
いま世界では新たなクラフトジンが次々と誕生し
そのブームは日本にも広がり始めている。
都内で開かれたバー業界最大級のイベント。
日本のジンの輸入額は昨年は22億円余と
6年連続で増加。
その多くがクラフトジンである。
人気の秘密はバリエーションの多さ。
バラとキュウリを配合した珍しいクラフトジンは甘みとさわやかな口あたりが特徴のもの。
スコットランドのアイラ島などで採取されたミントやレモンなど31種類の植物が配合されたもの。
現在 世界では6,000種超のジンの銘柄が存在すると言われている。
(客)
「前に比べてボタニカル(植物由来の材料)で工夫しているジンが増えているので
楽しい。」
「いろんなものを使っていると思うと飲みたくなりますね。」
このクラフトジンブームはどのようにもたらされたのか。
ブームのけん引役となった本場イギリスの蒸留所。
そもそもジンとは
麦やジャガイモなどを原料とした蒸留酒にジュニパーベリーというスパイスで味付けしたもの。
これ以外どのような材料を使っても自由である。
イギリス各地の蒸留所でクラフトジンの製造が開始されたのは10年ほど前。
蒸留酒製造の規制が緩和されたことで中小規模の蒸留所が急増。
地元で採れた辱物などを使い
独特な味を追求するクラフトジンが相次いで開発された。
(ジン蒸留所 ピールさん)
「うちは生産量は少ないですが品質には自信があります。
バーテンダーも蒸留所も今どんどん新しいことに挑戦しています。」
やがてそれぞれの特徴を生かしたカクテルなどが若者を中心に人気となり
ファッション感覚でジンを楽しむブームが到来したのである。
「インスタ映えするの。
ファッションみたいなものよ。」
そんな新しいジンの楽しみ方は日本でも広がりつつある。
ジンの輸入業者の高山さん。
イギリスとの間を頻繁に行き来しながら日本のクラフトジンの魅力を伝えている。
この日 高山さんは和食を提供するカフェで
ランチと一緒に気軽に楽しめるジントニックを提案した。
「けっこう軽い感じ。
もともと度数自体は高いんですけど
こういう感じにすると食中酒で食事と合わせていただけると思いますね。」
高山さんが和食とのマリアージュとして提案したジントニック。
スコットランドのハリス島のクラフトジンを使用している。
昆布を配合したフレッシュな甘みが特徴である。
「大葉とミョウガとライムです。」
「すごく合います。
和食とジントニックって初めて。」
最近ではおしゃれなバーなどでも趣向を凝らしたカクテルをSNS上に投稿して
若者にジンの新しい楽しみ方をアピール。
クラフトジンは着実に受け入れられ始めている。
(輸入業者 高山さん)
「ジンの作り手たちも今までになかったものをどんどん提案してきたりしていて。
海外の面白いジンの文化を伝えたい。
新しい飲み方が広がっていけばいい。」
個性あふれるクラフトジン。
世界各地でお酒を楽しむスタイルに新たな変化をもたらしている。