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カナダ 差別撤廃訴える日系人に名誉学位

2021-01-15 07:00:12 | 報道/ニュース

2020年12月14日 NHKBS1「国際報道2020」


カナダは“移民に寛容な国“と言われ
日系人を含むアジア系の移民は人口の6分の1を占めている。
しかし新型コロナの感染拡大以降
アジア系の人々に対する差別的な言動やヘイトクライムが急増している。
こうしたなかカナダの名門大学はこのほど
日系人への差別撤廃を訴えて活動してきた日系人女性に名誉学位を贈った。

カナダ西海岸の都市 バンクーバー。
11月 名門ブリティッシュコロンビア大学が
在校生や卒業生の手本になるような貢献をした人たちに名誉学位を贈った。
(ブリティッシュコロンビア大学 サンタ・オノ学長)
「メアリ・キタガワさんは公正と正義を訴え
 わが大学に変化をもたらした。」
日系3世のメアリ・キタガワさん(85)。
長年取り組んできた差別撤廃の市民運動が評価された。
(メアリ・キタガワさん)
「今後 行く手を遮られ回り道を強いられても
 勇気をもって前に進んでください。
 ガンバッテクダサイ!」
祖父母が移住したカナダ西海岸に生まれたキタガワさん。
7歳の時に太平洋戦争が始まり
日系人は「敵性外国人」と見なされるなか
収容所に送られ
戦後も差別を受けた。
(メアリ・キタガワさん)
「日系カナダ人の墓地はゴミ捨て場として使われ本当にひどかった。」
教師となったキタガワさんは差別撤廃を訴え活動してきた。
その1つが
ブリティッシュコロンビア大学で
戦時中 日系人というだけで退学処分にされた学生の名誉回復である。
大学側にかけあい
2012年 卒業証書の授与を70年ぶりに実現させた。
大学側は
差別の歴史を広く共有するためアジア系カナダ人の歴史と文化を学ぶ学部を新設。
キタガワさんは“生きた証人”として大学に招かれ教壇に立ってきた。
差別の解消に向けた社会の変化を肌で感じてきたキタガワさん。
しかしいま 再び人種差別が表面化していると危惧している。
(メアリ・キタガワさん)
「コロナ禍になって
 肩越しに誰かが攻撃してこないか振り返るようになった。
 アジア系の人たちへの暴力が増えている。」
カナダでは最初にウィルス感染が拡大した中国への風当たりが強まり
この春バンクーバーのチャイナタウンでは破壊行為が相次いだ。
(CTV News)
中国文化センターの窓などにヘイトメッセージがなぐり書きされている
店に入ろうとしたアジア系男性が追い出される事件も発生。
地元の警察は
アジア系移民へのヘイトクライムが去年と比べて8倍以上増加したと報告している。
(メアリ・キタガワさん)
「新型コロナウィルスはアジア系の人々をおおっぴらに攻撃する口実に使われている。
今こそあらためて人種差別の歴史を伝えるべきだと感じたキタガワさん。
若い世代の力を借りて新たな模索を始めている。
教え子のキャロリン・ナカガワさん(29)。
日系人の歴史や文化を発信する博物館に勤めるナカガワさんは
9月 キタガワさんたち日系人の半生を展示する企画に携わった。
さらにナカガワさんは若い人に向け展示物が見られるスマートフォン用のアプリを開発。
12月から利用を開始した。
(キャロリン・ナカガワさん)
「『こんなときキタガワさんならどう思うだろう』
 日系人の経験や遺産をどう生かすか問われている。」
(メアリ・キタガワさん)
「「私たちは声を上げ続けなければならないし
 沈黙はできない。
 息ができなくなるまで戦い続ける。」


 

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