2021年2月16日 NHK「おはよう日本」
2050年の脱炭素化を掲げた日本。
その中で注目された技術に“メタネーション”がある。
二酸化炭素を逆に生かして燃料に変える技術とはー。
(大阪ガス)
「脱炭素化技術であるメタネーションを軸とした都市ガス原料の脱炭素化や
再生可能エネルギー導入を軸とした電源の脱炭素化により
2050年 当社グループ事業におけるカーボンニュートラル実現に挑戦する。」
大阪ガスが脱炭素化の新技術の軸としたメタネーション(Methanation)。
その仕組みは
温室効果ガスである二酸化炭素を取り込む。
水を分解して水素を取り出し合成することでメタンを作り出す。
作られたメタンは都市ガスの原料に使われる。
都市ガスを燃やしてでてきる二酸化炭素を相殺できるので
実質ゼロにできるという計画なのである。
メタネーションはヨーロッパなどで一部実用化されている。
ドイツの大手自動車メーカー アウディ。
このメーカーが開発した乗用車はメタンが主成分の天然ガスを燃料にしている。
アウディはドイツ北部にメタネーションの工場を自社で建設。
風力発電で電力を得る。
その電力で水を電気分解して水素を生成。
そして二酸化炭素を合成しメタンを作る。
それを都市ガスに使っている。
さらに天然ガス車の燃料として使用。
脱炭素化を実現した車社会を目指している。
日本で長年この技術の研究に取り組んできた大阪ガス。
今回 “実用化に向けた大きな一歩“と発表したポイントはこの部品。
水から水素を取り出す過程で
これまで使っていた高価な特殊セラミックスに代えて
安価な金属を使うことに成功。
国内で初めてコストを9割も削減できるようになったのである。
(大阪ガス エネルギー技術研究所)
「金属をベースとしたもので
大型化しやすくコストダウンもしやすい。
実用化に向けて一歩進められた。」
さらにメタネーションの利点は
都市ガスのパイプラインなどの設備をそのまま使える点にある。
同じくクリーンな水素とは異なり
巨額のインフラ投資をしなくても導入できるという。
大阪ガスはメタネーションの技術を2025年の大阪・関西万博で活用する計画を明らかにした。
(大阪ガス)
「我々の技術をこのタイミングで知らせて
中長期的な脱炭素社会に貢献していく姿勢を見せられたら。」