2021年6月16日 NHK「おはよう日本」
新型コロナウィルスで打撃を受けた世界経済。
全体として回復傾向にあるものの国ごとにばらつきがある。
こうした状況をIMF(国際通貨基金 )は“危険な格差”と表現し
警鐘を鳴らしている。
危険な格差
その明暗を分けるのがワクチンである。
“カウボーイの聖地”ともいわれる観光地
テキサス州スコットヤード地区。
パレードが行われていて賑わっている。
景気回復が加速するアメリカ。
各地の観光地にも人手が戻っている。
今年(2021年)の経済成長率は6,4%と
マイナス成長からのⅤ字回復が見込まれている。
この地区のレストランは半年ほど休業したが
毎月の売り上げは感染拡大前の70%程度まで戻っているという。
(レストラン オーナー)
「忙しい。
夏前には100%に回復するはずだ。」
アメリカ国内ではコロナ禍で控えられてきた個人消費の反動
いわゆる“リベンジ消費”が多製である。
アメリカ旅行協会の5月の調査では
90%近くの人が半年以内に旅行を計画していると回答した。
これを後押しするのがワクチンである。
少なくとも1回接種した人の割合は51,9%。
国民の半数を超えている。
今年3月以降 感染が再び拡大したタイ。
生活への影響が広がっている。
(市民)
「タイの景気は悪すぎて
アメリカなどと差は開くばかりです。」
ワクチンを少なくとも1回接種した人の割合は6,4%。
明暗を分けたのはワクチン接種の差である。
外国人観光客の本格的な受け入れも再開できず
主要産業の観光業を中心に深刻な打撃を受けている。
今年(2021年)の経済成長率についてタイの中央銀行は+3%と見込んでいたが
5月
ワクチンの確保が進まない場合には+1%にとどまると下方修正した。
IMFはこうした状況を“危険な格差”と表現。
今年中に少なくとも世界人口の40%
来年前半に60%の接種を終えるために
各国が協力し進めるよう提言している。
(IMF ゴピナート調査局長)
「格差は深刻な問題です。
一部の国の回復が遅れ社会的な緊張が高まれば世界全体の問題になり得る。」