ワンに3泊して「ワン猫の家」やアクダマル島を観光した後は、イスタンブールに移動した。イスタンブールがトルコでの最終目的地で、3泊してからイタリアに飛ぶ予定だった。イタリアで10日ほど過ごしたら、いよいよ帰国だ。
トルコのワンからイスタンブールまでは、アナトリア半島を南東から北西まで斜めに突っ切ることになり、かなりの距離がある。バスで行くと約24時間かかるので、当然空路を選択。飛行機だと2時間半で着くし、値段もバスに比べてさほど高くない。この時のフライトはトルコ航空で、約6400円で買えた。
この日はお昼前のフライトに間に合うよう、余裕を持って7時半に起床。寝たのが夜中3時だったから睡眠不足で体が重い。スローモーションで朝食を取って、荷物をまとめ、ホテルをチェックアウトする。
チェックアウトの時、受付の若い男の子(イケメンで親切)に領収書を頼んだら、彼は自分には領収書を出す権限がないと言い、少し考えてから、2,3か所に電話をかけて誰かに頼んでくれたが、結局無理だということだった。なんでなんや…まあ、なければないでいいけど~
ホテルを出てから、前日下見をして探しておいた空港方面行のドルムシュ(乗り合いミニバス)乗り場まで歩き、すぐ来たので乗り込む。ワン市内から空港までは7,8kmなので、半時間もかからないのだが、ドルムシュは空港から少し離れた交差点までしか行かないので、下りてから15分くらい、7月の日差しの下でスーツケースを引きずって歩くことになった。寝不足なのに、しんど~い…
この「I 💖Edremit(ワン県の自治体)」のワン猫像が見えたらドルムシュを下り、空港行きの道を真っ直ぐ進む。
歩いている途中で、白タクの運転手っぽい男性2人に、乗っていかないかと声をかけられたが、無視してひたすら歩いた。後で調べたら、市バス351番が空港の入り口まで行くようなので、そちらに乗ればよかった。(ワン空港と市内の移動手段等に関する英語情報はこちら)
やっと着いた~
入り口
ワンの空港(Van Ferit Melen Airport)は、私の記憶にあるものよりも明るくてキレイだったが、やはり地方空港なので、イスタンブールやアンカラのような大都市の空港とは比較にならない規模の小ささ。出発ロビーにはカフェ1軒、売店1軒しかなかった。でも、平屋だから移動が楽だし、チェックインカウンターでは待たずに発券してもらえた。
体育館ぽい空間
売店ではハーブ入りチーズ(Van otlu peyniri)などのワン土産が買える
カフェは閑古鳥が鳴いていた。
ワン空港のトイレには、洋式とトルコ式の両方があったが、どちらも使用済みの紙をゴミ箱に入れる方式
「化学テロに遭った時の正しい対処法」
くわばら、くわばら…
搭乗手続きは定刻に始まり、定刻に離陸した。他の乗客はトルコ人とイラン人ばかりのようだった。今回、トルコではまだイラン人以外の外国人観光客を見ていない気する。見ていても気づいていないだけかもしれないが。
トルコ航空の客室乗務員さんの制服は赤とグレーでシック
軽食のトマトとチーズのホットサンド、安定した美味しさ
国内線の軽食でも手を抜かないトルコ航空
トルコ航空の機内はLCCのペガサス航空などに比べてやはり格上という雰囲気で、国内線でも軽食と飲み物が出るし、その割に値段がペガサス航空より安い場合もあるので、おススメだ。
機内エンターテイメントでコーランの詠唱も聴ける。
睡眠不足だから、機内で寝ようと思っていたのに、「日本におけるトルコの足跡」という動画が興味深くて、最後まで観てしまった。
イラン・イラク戦争の最中の1985年にトルコ航空機でテヘランから邦人215人が救出された事件の再現ドラマが良かった。この部分には映画「海難1890」の映像が使われているようだ。
「海難1890 」はこういう映画らしい(観てない)
午後2時頃にイスタンブール空港に到着
イスタンブール空港のトイレは洋式。でも紙はやはり流さない方式
空港からはバス(Havaist)でアクサライのメトロ駅に向かった。約90分。バスの車内には、欧米人の観光客たちもいた。おお、欧米人、久しぶりに見た~イスタンブールだから当たり前なんだが、これまでイラン人観光客しか見かけなかったので、新鮮だった。
アクサライ(トラム駅付近)
アクサライで降りたら、まずホテル探し。イスタンブールでは、かつて定宿にしていたトラムのチェンベルリタシュ駅付近の「Paris Hotel」が廃業し、その後スルタナメットの「Side Hotel」を利用していたのだが、良いホテルだが私にはちょっと高いので、安宿のありそうなアクサライを開拓してみることにしたのだ。
もう若くない身で、しかも体力も気力もないのに、炎天下の中、寝不足で荷物を抱えて宿探しをするのは修行のようなものだった。人生は修行だ…トルコでSIMカードを買わず、スマホが使えなかったので、その辺の人に聞きながら探したが、方向音痴なので教えられたところになかなかたどり着けず、無駄に歩き回って余計に疲れた。まあ、SIMがあっても、グーグルマップすら使いこなせない人間だから、同じだったかもしれないが…
「ホテル探し?がんばってにゃ」
ええ、目の保養をさせていただいたから、がんばれそうです~
シミット売りのおじさま、背筋ピーン
頭上のシミット運び、モデル修行にいいかも~
イスタンブールはワンよりずっと猫が多く、あちこちで猫と目が合う。
「何か悩みあるの?聞こか?」
お金がないんです~
猫と心の中で会話しつつ、歩き回って小さめのホテルを何件かあたってみたものの、シャワー・トイレ付シングルは1泊300リラ以上の所しか見つからなかった。ワンのホテルが130リラだったので、倍以上だ。さすがイスタンブール、物価が高い。
最終的に、おじいさんと孫息子が受付をやっていた、シングル1泊300リラの小さなホテル(名前は失念)で妥協した。シャワー・トイレ、Wi-Fi、朝食付き。しかしここは、エレベーターがなく、部屋はシングルベット以外にわずかなスペースしかなくて、スーツケースを広げることもできなかった。地方のホテルにはシングルルームがないのが普通で、1人でダブルやツインの部屋を安く借りられたが、イスタンブールにはシングルルームがあり、狭いのに高い。部屋は不潔ではないが、窓辺には誰かが残したペットボトルがあったし、シャワー室の床には古いせっけんのかけらが落ちていて、テレビもろくに映らず、エアコンのリモコンには電池がなかった(もらいに行った)。やれやれ、明日は別のホテルを探して移らねば…
ホテル探しで疲労困憊したので、しばらくベッドに横になり、Wi-Fiを使ってスマホをいじったりして休憩し、19時頃に出かけた。近くのミグロスでビールを買い、トラムとフェリーを乗り継いで、アジア側のカドゥキョイに向かう。トラムもフェリーも混雑していて、運賃がワンの公共交通機関より高かった。ミグロスで売られていたアンズの値段も、ワンの2倍以上した。うう、さすが首都だ…(ウソ。トルコの首都はアンカラです)
アクサライのトラム駅付近の綺麗なモスク
トルコ式猫カフェ
トラムでアクサライからエミニョニュ(言いにくい)に向かう。
途中、スルタナメット駅でトラムを下車して、両替所に行ったら、店舗の前に黒い野良犬が横たわっていて、苦しそうにハアハアと息を切らせて震えていた。ファンキーな感じのトルコ人の女性がその犬のことを心配して、声をかけたりしているところに、両替所のスタッフの若者が出てきて、犬を追い払おうとし、その女性と口論になった。女性が「具合の悪い犬になんてことすんのよ! Geri zekalı(低能)!」と叫び、若者が怒って「Hakaret etme(馬鹿にするな)!」と言い返し、周りに人垣ができて、結構な騒ぎになっていた。こういうのもイスタンブールっぽい。
その後犬がどうなったかは知らない。元気になっていたらいいが…
エミニョニュ駅で下車し、埠頭に向かう。
対岸のガラタ塔
エミニョニュからカドゥキョイまでは、フェリーで30分くらいだ。ぼんやり座って海やカモメを眺めていたら、疲れが癒される気がする。
ガラタ橋
トプカプ宮殿
アジア側のハイダルパシャ駅は工事中
カドゥキョイに着いたら、桟橋から少し歩いて、海岸沿いの岩場に出る。
カドゥキョイの桟橋付近の海岸沿いは、市民の憩いのスポットだ。夕涼みをして、岩場に座っておしゃべりするカップルや家族連れ、若者のグループなどでいっぱい。公園でピクニックする人たちもいる。
猫スポットでもある。
この岩場に座って、猫をはべらしつつ、海に沈む夕日を眺めてビールを飲むのが、イスタンブールでの私の楽しみの一つ。ここに住んでいたら、毎日やりたい。
猫と
夕陽と海とビール
イスタンブールの海岸飲み、さいこう~
トルコでも、地方ではなかなか人前でアルコールを飲みにくいが、イスタンブールは都会なのでOKだ。一人で座って海を眺めつつタバコを吸っている女性もいて、自由な感じ。私が一人でビールを飲んでいても、誰もちょっかいをかけてこない。もう若くないおかげかもしれないが。
ヨルダンで仕入れたちゅ~る類似品の最後の1本を放出
辺りがだんだん暗くなる
余り遅くならないうちに、またフェリーでエミニョニュに戻る。。時間が遅くなるとフェリーの便が少なくなるので、要注意だ。
エミニョニュからまたトラムでアクサライに戻り、酒屋でワインとビールを買って、近くのシリア人の店でシャワルマサンド(トルコのドネルケバブのラップサンドに相当)をテイクアウトする。
Hamada(ハマーダ)さんのお店
トルコでシリアのシャワルマを食べる私。アラビア語で注文したら、お店の人は普通にアラビア語で返してくれた。アラビア語圏か。シャワルマ担当の男性はフレンドリーで、待っている間少しおしゃべりした。彼が日本を好きだというので、私が「シリアとトルコも良いところですね」と返したら、彼は微笑みつつ、「う~ん、トルコ人は少し…彼らは外国人にいて欲しくないんだよね」と言っていた。
今シリアで起こっている出来事を、トルコに暮らすシリア人の多くは、計り知れないほどの歓喜と共に見守っていることだろう。
ホテルの狭い部屋で苦労して食べたシャワルマサンドは、シリアの味そのもので、とても美味しかった。特にガーリックソースが最高だった。
翌日は、朝からまたホテル探しなので、この日は早めに寝た。
(おまけの室内園芸写真)
キャンドゥのミニトマト栽培キット出身のトーマさん
半年経ってようやく小さな実が2つ付いたが、その後は変化なし。実の重みで、ますます腰(?)が曲がってきただけだ(エアコンの電気コードで支えている)。実のサイズはさほど変わらず、赤くなる気配も一切ない。うちのアパート、室温が低いですしね…
トーマさんはたぶん、「俺は一生青いままでいく。一生青二才、それが俺の生き様さ」という信念を貫くんだと思う。(ロックな人格設定)
いいのよ、トーマさんは、そこにいてくれるだけで…
(続く)
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