今回は前回の続き。早めのチェックインのため、奈良ホテルに入るところからだ。
玄関を入ったところ。煌びやかな雰囲気だ。
左手にレセプションがあり、正面奥にティールームがある。紅茶1杯で千円以上するところだ。奈良なのに。銀座じゃないのに。
玄関を入って右手には謎の鳥居と狛犬セット(シーサー?)。
廊下には、このホテルを利用した皇族の写真がずらりと並んでいる。
高浜虚子もここを訪れたらしい。どんな俳句を詠んだ人だっけ・・・
鹿も利用するトイレ
格調高いロビー
部屋の用意が出来たら呼びに来てくれると言われたので、このロビーで待たせてもらった。ここは見るものが色々あって、退屈しなかったし、ソファーの座り心地も素晴らしかった。あえて言うなら、消毒液の容器にひと工夫ほしかったかな~
なんちゃって暖炉
アインシュタイン博士が泊った時に弾いたというピアノ
皇室ゆかりの「平成の大時計」(ドイツ製)
15分ごとにメロディーが鳴る仕掛けになっている。
窓の外の紅葉も美しい。
部屋の用意が出来たと呼びに来てくれたので、両親を残して妹とフロントに行き、チェックインの手続きをした(妹が)。私はいつものようにヨレヨレの服にジーパン、スニーカーといういで立ちだったので(よそ行きの服がない)、ドレスコードに引っかかって物々しい警戒のサイレンが全館に鳴り響き、どこからともなく現れた黒服の男の集団に担がれ、玄関からつまみ出されるかとビクビクしていたのだが、別にそういうことはなく、係のお姉さんがにこやかに対応してくれた。
建物に入った時の検温の結果を記入したり、ワクチン接種を証明するもの(半券みたいなやつ)などを見せたりして、無事チェックインの手続きが終了。記念品として、奈良ホテル特製のスマホリングをもらった。何に使うのかな、スマホリングって。イカリングやオニオンリングなら分かるんだが。
両親の部屋と私と妹の部屋は隣り合わせ
スタンダードのツインの部屋
建物(本館)の玄関フロアやロビーの豪華さに比べ、部屋はけっこう狭くて「ちょっとキレイな普通のホテル」程度の内装で、壁も薄くて隣の部屋の音が聞こえたるくらいだったので驚いた。一番安いスタンダードとはいえ、やはりそれなりの値段はするので、壁に鹿のはく製が飾ってあったり、暖炉で火が燃えていたり、クローゼットの奥に隠し扉があって、そこから春日大社や東大寺に抜けられる秘密の通路があったりするかと思ったのに、ちょっとがっかりだ・・・
でも、ベットがしっかりとしていて寝心地がよく、特に居心地は悪くなかった。1時間ほど休んでから出かけることにして、両親と別れる。
1時間経って、両親にメッセージを送ったら、父親がまだ寝ているということなので、私と妹だけでホテルの庭を散歩することにした。父はホテルのベッドではよく眠れない性質だそうだが(普段は畳に布団)、ここのベッドは寝心地がよかったらしい。
階段を下りて、裏庭に出る。
ホテルの裏は斜面になっていて、荒池に面している。紅葉が美しいので、斜面を降りて少し散策した。
一句読みたくなるような風景
秋色に染まった池に鴨さんがいる。
「水鳥は かなしからずや 空の紅 池の紅にも 染まずただよふ」
あからさまに盗作だ。(元は若山牧水の短歌「白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ」)
斜面では鹿たちが追いかけっこをしていた。コワい・・・
夕食のジビエ料理用に飼われているわけではなく、野生の鹿がこの辺まで出没しているのであろう。天然記念物だからな、奈良の鹿は。
紅葉と鹿を堪能した後、斜面をまた登ってホテルの表側に出た。
もうだいぶ日が暮れかけていた。
一角に物置のような小屋があった。3個並べられた金盥に風情がある。
車で来た時と反対側の通用門から出て、ホテル周辺を少しだけ歩くことにした。
敷地内にあるホテル付属の教会。民芸調だ。
教会の側面にはこんな文面が。
I have always known it was you「私はそれがあなただということをずっと知っていた」
「あなたと結婚する運命だと知っていた」という意味だろうか。うう~ん、これ、なくてもいいんじゃないかな・・・
通用門は格調高い
ホテル周辺の風景も風情がある。
かっこいい町屋
町屋の前に、ここの地名の由来が書いてあった。秀逸な地名だ。
写真を撮らずにはいられないデザインのシャッター
「Jakえもん」という名の謎めいたカフェ
ツッコミどころの多いアンティークの店
どうも奈良は、癖のある店が多い気がする。ここは奈良町に近く、ナチュラル系お洒落ショップ・カフェ(苦手)の荒波に洗礼されている地域ではあるのだが、ところどころにこういう奈良っぽい店が残っているのだ。
適当に歩いているうちに、ならまちセンターに出た。
センター前の謎のオブジェ
この脇に猿沢池がある。もちいどのセンター街がある方とは反対側に出る。
池のほとりには、デイリーヤマザキ「奈良猿沢 Deer店」が立っている。
ここは各種の奈良土産がぎっしりつまった買い物スポットだ。もちろん普通の食べ物や飲み物なども買える。
鹿グッズが可愛い。
奈良の日本酒も買える。
手作りのかきもち
レジには当然鹿せんべいが山積み
ここで妹は鹿の刺しゅう入りの帽子を買い、私は部屋飲み用のチューハイと日本酒を買った。せっかくだから、スプマンテ(イタリアの発泡ワイン)とつまみなどのちょっと特別感のあるものを買い込んで、両親との夜の集いを盛り上げればよかった・・・と後悔したが、まあしょうがない。
猿沢池の向こうに煌々と輝くスタバ。いつのまに出来ていたやら
奈良ホテルに戻る道を探したが、袋小路ばかりでなかなか見つからず、だいぶ遠回りして荒池をぐるっと迂回して帰った。
途中で見かけた鹿。鹿は秋の季語ですね。
荒池の水面には五重塔が写っていた。
ここは脇に車通りの多い幹線道路が通っていて、観光スポットではないので、人通りは少なかった。もっと整備して、ベンチなどを配置したら人気の観光スポットになりそうなものだが。
やっとホテルに到着。
どこまでも鹿
ホテルに戻ったら、さすがに父親はもう起きていた。もう17時を過ぎていたので、少し休憩してから、皆で夕食に出かけた。ホテルの近くの鰻屋に18時に予約を入れてあったのだ。「うな菊」(HP)というところだ。初めて行く店だが、さっき戻って来る時に通りかかったので、ちょうど下見が出来た。
また荒池の脇を通って店に向かう。徒歩5分程度で到着した。
この暖簾をくぐる。
入口が「菊水楼」となっていたので少し戸惑ったが、うな菊は菊水楼の敷地の中にあった。入って右が老舗料亭の菊水楼の入口、左が鰻専門店のうな菊だ。菊水楼がお母さんで、うな菊が子供にあたるようだ。
菊水楼の主は鹿(妄想)
うな菊に向かう小道は怪談に出てきそうな雰囲気
こけないように注意して歩き、建物にたどり着く。
店内はこんな調度品が置いてあるような空間だが、土足で上がるようになっている。
さほど広くない室内にはテーブル席がいくつかあり、地元の人らしき夫婦や外国人男性の1人客がしめやかに鰻を味わっていた。
客席はテーブルと椅子だが、内装は和風
私は鰻半尾のうな丼にした。あまりしっかり食べるとビールが美味しくなくなるからだ(アル中脳)。他の3人はうな重や「菊御膳」という茶わん蒸しや小鉢、甘い物が付いたセットメニューを選んだ。
うな丼
たれが甘すぎず、外は綺麗に焼けて香ばしく、中はふわっとしていて、とても美味しい鰻だった。ご飯も美味しい。両親や妹も絶賛していた。茶わん蒸しや小鉢なども、どれも美味しいとのことだった。
ボケた写真だが、これは蒲焼半尾・白焼き半尾のあいのせ重。蒲焼の方が美味しかったそうだ。
食事が美味しいというのは旅行では重要なことだと再認識した夜だった。
皆すっかり満足してホテルに戻った。
まだ20時頃だったので、帰ってから私と妹の部屋に両親がやってきて、4人でしりとりなどをして遊び、私が持参したペットボトル入りのワインなどを飲んで夜を過ごした。しりとりは単純で道具が要らないのに盛り上がるからおすすめだ。(誰に)
両親が引き揚げてからも私はデイリーヤマザキで買ったチューハイなどを飲み、妹とお喋りしてからようやく寝た。飲みすぎた・・・
(続く)
両親と夜の集いで、しりとりして遊ぶ光景、是非覗いてみたいものです。
突然だけど、鰻の蒲焼は、僕にとって最後の晩餐の候補です。僕のブログで、関西風の鰻の蒲焼を食べたことを書きましたが、皮のパリパリ感はGooですね。限りある資源のウナギ、免許制にして腕の良い職人しか調理できないようにして欲しいと最近思います。滅多に食べられなくなるけど。
最後は、余計でした。では、また。
鰻、お好きなんですね~高いから滅多に食べられないけど、美味しいですよね。鰻もマグロも国際的な基準の漁獲量を守って、種の保存に力を尽くしてほしいと思います~ 私の最後の晩餐は美味しい赤ワインとチーズとかかな