あんふにと小さな仲間たち

片隅に居る小さなキャラクター達の日々の日常を紹介しています

短編小説  究極の悲しみをもたらせた人の末路

2021-01-28 19:03:53 | 日記
その人は多くの人達から愛されている魂のある
人だった。

魂のあるその人は皆に愛と希望と勇気を伝える人だったからだ。誰もが魂のあるその人のこれからを待ち望み希望の光になっていた。そして癒され励まされていた。

しかしある日突然、魂の入っているその人は殺されてしまった。

多くの魂のある人達が絶望し、自分自身を引き裂かれる痛みを感じた。魂の入っているその人が死ぬ事により多くの人の愛と希望と勇気が消えた。

その中には慟哭し魂をえぐられる者もいた。
魂の入っているある者は悲しみのあまり精神が錯乱した。
魂の入っているある者はその人が唯一の憧れの人だった為、自殺した。
このように多くの魂のある人達が、魂の入っているその人の死によって立ち直れないでいた。

魂の入っていない
殺人者はこうして多くの魂のある人達を苦しめた。

魂のある多くの人の中には愛する人を失い死ぬまで苦しみ続ける人もいた。
魂の入っていない殺人者はこうして愛する人を失った魂のある人達を苦しめ続けた。

魂の入っていない殺人者はたった一人を殺しただけなので、刑は軽いだろうと考えていた。
なので刑務所の中では優等生となり、早く刑務所から出る事が出来た。そして魂の入っていない殺人者は自分の罪は終わったと思った。そして殺した事を忘れていた。

魂の入っている殺されたその人は、殺された事を忘れた事はなかった。そして多くの人達が魂の入っていない殺人者が神であるその人を殺すのを見て悲しんで泣き叫んでいた。
多くの魂の入っている目撃者が神が殺されるのを目の当たりにして、自分自身を引き裂く痛みを感じ慟哭した。

魂の入っていない
殺人者はその事実を死んでから知ることになった。

魂の入っていない殺人者は天国にいる多くの魂の入っている目撃者から、非難され拒絶された。そうして天国の門は堅く閉ざされた。

しかし地獄の門は広く開いていた。もはや同じ魂の入っていない仲間のいる地獄に行くしかなかった。
多くの魂の入っていない仲間は苦笑いをしながらも、出迎えてくれた。

魂の入っていない殺人者はようやく落ち着いて、ここが自分の居場所だと知った。
ホットしたのも束の間で、すぐに悲壮感が訪れた。
そこは誰もが魂のない殺人者だったからだ。
そこでは常に恐怖に満ち残虐な行為が繰り返されていた。
泣き叫んでも、助けを求めても誰も来なかった。
魂の入っていない
殺人者は魂の入っていない殺人者によって殺されていた。

魂の入っていない傍観者はそれを笑って見ていた。