相対照的な兄弟は、一発の銃弾で絆を呼び戻す!
1月22日夕方、新京極シネラリーベにて鑑賞。何と言っても、ホアキン・フェニックスの演技に涙するくらい、感動をおぼえた。
「グラディエーター」の彼の存在がいまだにインパクトがある。今も鮮明に覚えている人も多いのではないだろうか。一癖ありそうなホアキンなんだけど、今回のこの役は本当に胸を熱くするものがあった。
対照的な兄弟。だめな弟と超エリートで優等生な兄。ホアキン・フェニクッスとマーク・ウォールバーグがその兄弟を演じる。大物ハリウッド俳優二人が共演するということで、気になっていた作品だ。
物語
1988年、ニューヨークのブルックリン。警官一家に生まれたボビー・グルジンスキー(ホアキン・フェニックス)は、家業に背を向け、亡き母の姓を名乗り、ブライトン・ビーチにあるロシア人経営のナイトクラブ“エル・カリブ”の支配人として働いている。
オーナーのマラットからの信頼も厚く、プエルトリコ人の美しい恋人アマダ(エヴァ・メンデス)と共に、その生活は順風満帆と思われた。客として店にやって来る凶暴なロシアン・マフィアたちともうまくやっていたボビー。しかし一方、ニューヨーク市警のエリート警官である兄ジョセフ(マーク・ウォールバーグ)と警視である父バート(ロバート・デュヴァル)はそのロシアン・マフィアに目をつけていた。
ジョセフの昇進パーティに招かれたボビーは、ロシアン・マフィア撲滅のための新しい麻薬取り締まり班ができると聞かされる。標的は、マラットの甥ニンジンスキー。ソ連で服役後、79年にアメリカに移住したニンジンスキーは大量にドラッグを輸入しているのだという。ボビーは、近頃エル・カリブに入り浸り、我が物顔に振舞うニンジンスキーを苦々しく思っていたものの、兄から捜査への協力を求められると、きっぱりと断る。そんなボビーに父は、「いずれお前は、警察か薬の売人かどちらかの味方につく。これは戦争だ」と告げる。
ジョセフは、警官隊を指揮して、エル・カリブに乗り込み、一斉検挙の作戦に出た。しかし肝心のニンジンスキーを取り逃がし、逮捕した手下のロシア人からも情報を得ることは出来なかった。おまけに混乱の中で警官隊は、ちょうど店にいたボビーまで麻薬不法所持で逮捕、留置される。ジョセフに計らいですぐに釈放されたボビーだが、予告なしで自分の店に踏み込んだ兄に怒りを爆発させ、兄弟の溝は決定的に深まる・・・・。
ジョセフが覆面の男に撃たれて瀕死の重傷を負ったのはその夜のことだった。捜査に協力しなかったことを後悔し、自分を責めるボビー。そんな彼の前に、ニンジンスキーが現れた!一気に勢力を拡大してドラッグの取引を独占する計画を進めるニンジンスキーは、ボビーの人脈とネットワークに目をつけ、ドラッグを売りさばいてほしいと持ちかける。ニンジンスキーは警察を恐れるどころか、殺し屋を抱えていることを自慢し、ジョセフ襲撃の黒幕であることも明かす。
そしてもうひとつ驚くべき事実は、次の標的が、兄に代わって捜査の指揮をとる父であることを知ったボビー。反対する父には内緒で警察の囮となり、アメリカ人が足を踏み入れたことのないロシアン・マフィアのドラッグ工場に潜入する。
ドラッグの製造はこんな感じ。
しかし平静を装えないボビーに不審を抱いたニンジンスキーに、携帯していた盗聴器を発見されてしまう。間一髪で踏み込んだ警官隊によりニンジンスキーは逮捕されるが、ボビーは重傷を負った上、マフィアに素性を知られてしまう。
4ヵ月後、アマダとともに保護プログラム下での生活を余儀なくされていたボビーは、父の配慮で特別に外出を許される。そして、ジョゼフの退院祝いに駆けつけた。しかしジョゼフはまだボビーに対してわだかまりを持ち、ふたりの間はぎくしゃくする。
そんな折、裁判を控えたニンジンスキーが脱獄。重要な証人であるボビーの命が危ない状況に・・・・。父バートは息子をなんとしても守るために自ら車を運転して、ボビーとアマダの乗った車を先導して非難させようとするも・・・。ボビーの目の前で、マフィアの放った銃弾がバートの体を貫く!
父の死を目撃し、ショックのあまり泣き崩れるボビー。そんな弟を抱きしめるジョセフ。
ボビーは父の遺志を継ぐために、警官になることを決意する。それは愛するアマダとの訣別を意味していた。
父のためにアマダとの訣別は、ボビーにとって辛い選択だっただろう。でも父の愛はボビーにとってかけがえのない大きなものだった。親子の愛情の深さににグッときましたね。
そして別々の道を歩んでいた兄弟は、ついに和解した。果たして、ボビーとジョセフは、力を合わせてロシアン・マフィアを倒すことができるのか・・・・?
マフィアの取引先を嗅ぎつける警官隊。この辺はちょっと緊張感が走る。ドンパチシーンもあるが、葦の草むらでニンジンスキーを追いつづけるボビーの姿に息を呑んでしまう・・・・・。
かって世話になった“エル・カリブ”のオーナーマラットの一言は、ボビーの素性を知らなかったと呟く。
解説
ホアキン・フェニックスとマーク・ウォールバーグが「裏切り者」のジェームズ・グレイ監督と再びタッグを組んだ犯罪アクション・ドラマ。代々警官となった家族に背を向け裏社会に生きる弟と父の跡を継ぎエリート警官としての道を歩む兄、という対照的で反目し合っていた兄弟がある悲劇を機に結束し、敵討ちへ奔走する緊迫の復讐劇をスリリングに描く。(allcinemaより)
少々?ネタばれに・・・・・。最後のシーンです。兄はこのとき、弟にこう話す。異動希望で、他の部署へ配属することになったと。家族がいるから、危険な部署にはいられない。つまり守りの体勢なのでしょうね。
結局、兄弟の進むべく道はここでまた別れていくんですね。弟ボビーは犠牲をしてでも、犯罪に立ち向かうという決意と亡き父への遺志。リスクは承知での生き方を選んだ。アマダへの思いは決して消えることはないけど・・・・。壇上から見えた女性をアマダだと思う気持ちも見える。そんな思いをおして。う~んボビーのその決意にエールを送りたい気持ちになる。
兄ジョセフはそんな弟を羨ましいと思い、嫉妬したと話すのも印象的だった。どちらにしても人間は同じように生きてはいけぬ。ボビーの生き方に惚れる女性のほうが多いかも・・・・。
相対照的な兄弟の生き様と父と子の愛情を軸に繰り広げられる「アンダーカヴァー」。なかなか良かったなあと思いました。今回は、ホアキン演じるボビーに軍配ですね。個人的な感想ですが。
原題:WE OWN THE NIGHT
2007年/アメリカ/カラー/117分/ビスタドルビーデジタル/SRD/SDDS/
日本語字幕:栗原とみ子 配給:ムービーアイ
http://www.sonypictures.com/movies/weownthenight/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://www.undercover-movie.jp/
家族がいるからこそなのですが、
クライマックスの銃撃戦が始まったとたんに倒れてしまいましたものね~。
このまま現場、というのは無理だったのかな?とも思いました。
いやーー、やっぱすごかったですね。
もう引退するという話ですが、どうなんでしょうね。
恋人にするんなら弟ですが、亭主なら兄貴でしょうね、やっぱ。
コカイン作んのに、なんでトランプなんだろう・・・と思ってしまいました。
あの柔軟さがいいんだろうか。