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Sweet Blue Age

2006-11-29 16:40:57 | ノンジャンル
 「厭世フレーバー」を読んでファンになった三羽省吾氏の短編が掲載されているということで、「Sweet Blue Age」という短編集を読みました。
 三羽氏の短編「ニート・ニート・ニート」は、中学時代の友人だった大人3人が女性問題がこじれて、車で逃げ回るというものでしたが、それほど面白くありませんでした。
 それよりは、以前に「海の底」を読んでいた有川浩氏の「クジラの彼」と坂本司氏の「ホテルジューシー」の方が面白かったです。「クジラの彼」は、潜水艦の乗組員を恋人に持つ女性の話で、「海の底」のエピソードも出てきます。「ホテルジューシー」は、夏休みに石垣島で理想的なバイトをしていた女子大生が、那覇の不思議なホテルへ出張させられ、様々な体験をすると言う話です。ユーモアがあって、最後の台詞も決まっていました。
 逆につまんなかったのは、桜庭一樹氏の「辻斬りのように」と森見登美彦氏の「夜は短し歩けよ乙女」でした。「辻斬りのように」は、辻斬りのように男遊びがしたいと思った女性が一ヶ月の間に6人の男と寝て、誰の子が分からない子供を妊娠するという話で、全然感情移入できませんでした。「夜は短し歩けよ乙女」は、京都で行われた結婚式に出席した男女がそれぞれ夜の京都を交錯しながら、最後に主人公の女性が京都で伝説の酒飲みと酒飲み勝負に勝つ、という話なのですが、今ひとつ乗れませんでした。
 その他にも、大学生時代の8ミリフィルムを見て昔を懐かしむという、角田光代氏の「あの八月の、」や、都会からド田舎に引っ越してきた女子中学生が体験する様々な軋轢を描く、日向蓬氏の「涙の匂い」も収録されています。
 今年の2月に発行された単行本ですので、まだできたてほかほかです。今の小説がどうなってるか知るにはいいかもしれません。