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イングマール・ベルイマン監督『魔術師』

2008-01-25 18:35:58 | ノンジャンル
 スカパーの260チャンネル「洋画★シネフィル・イマジカ」で、イングマール・ベルイマン監督・脚本の'58年作品「魔術師」を見ました。
 馬車で旅するヴォーブレル魔術一座。夜、林を通っていると御者が幽霊の声がすると言います。座長のヴォーブレル(マックス・フォン・シドー)が探すと、病気の男を見つけます。座長は男を馬車に乗せてやると、男は死を教えてやると言い、座長の目の前で死にます。検問に引っ掛かった彼らは、心霊の存在を信じる領主のエーゲルマンとそんなものは信じない警察署長と医者(グンナール・ビョルンストランド)の前に連れて来られ、一座を使って心霊の存在についての賭けを行います。座長は口がきけないと言うと、医者は彼を調べて口がきけるはずだと言います。そして明日の昼間に彼らの前で一座が出し物をすることを条件に、町での興行を強化されます。台所で領主の使用人たちと一緒に食事をとった一座の者たちは、使用人たちを手玉に取り、金を騙し取ったり、メイドを口説いたりします。死んだはずだった男は生き返り、幽霊だと思って皆が怯えますが、座長は毒を盛って男を殺します。青年を演じる座長の妻アマン(イングリット・チューリン)が女性なのを知って、医者は誘惑します。座長はかつらと付け髭を外し、妻のベッドに入って、口を聞きます。娘を亡くしたことを座長に慰めてもらおうと部屋に誘っていた領主の妻は、領主にばれて殴られます。翌日、領主たちの前で出し物をやりますが、最初の出し物はネタをばらされ座長が恥じをかきますが、次の出し物では、警察署長の妻が夫の秘密を次々にばらし、その次に屈強な使用人を見えない鎖で手足を縛ると、本当に動かせなくなり死んでしまいます。警察署長は使用人の死を秘密にすることにし、医者が検死をすることにします。座長の母は首と吊ってる使用人の幻を見ます。何者かがアマンに屋根裏部屋に鍵をかけてこい、と命令します。検死が終わった医者が書き物をしようとすると、インク壷に目玉が入っています。書類をめくっていると、切断された手首が伸びてきます。屋根裏部屋を出ようとすると鍵がかかっていて出られません。鏡にはいるはずのない座長が写っています。医者の眼鏡を誰かが踏みつぶします。鏡が次々と割れ、背後から医者は首を締められます。素顔の座長が現れ、階段をころげ落ちた医者を座長が襲おうとしますが、アマンに止められます。医者は死を恐れたことを認めます。素顔の座長は領事の妻に一文無しなので出演料を払ってほしいと言いますが、あなたの顔など見た事ないと言われます。医者には、遺書に「切り刻まれたい」と書いていた男の死体を使って驚かせたことを告白し、代金をもらいます。非科学を信じていた領主は賭けに負け、警察署長と医者は勝ちます。一座は出発しようとしますが、道化役の中年男は料理長の女と残ると言い、座長の母も長年貯めてきた大金を持って引退すると馬車を降ります。一座の若者に恋をしたメイド(ビビ・アンデルセン)は一座に加わり、出発しようとした時、国王からの招待状が届くのでした。

 自然の風景がやはり美しく撮影されていて、今までの作品に出演していた役者がまた出演しています。この作品からベルイマン監督作品には欠かせないスヴェン・ニクヴェストが撮影を担当することになります。座長を演じたマックス・フォン・シドーは今後ベルイマンの作品に欠かせない俳優になっていきます。この映画は人間関係が複雑で、その点分かりにくく難解な印象を覚えるかもしれません。ただ、医者が座長に騙される恐怖のシーンなどは迫力があり、ビビ・アンデルセンの若々しさなども楽しめると思います。評価が極端に分かれる作品とのことですが、どう感じるかは皆さんがご自分で見て、判断されたらどうでしょうか?