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スティーヴン・スピルバーグ監督『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』その5

2017-06-22 06:31:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 結婚パーティ。カールも来る。2階へ上がっていたフランクはカールに気づくと、ブレンダに「本当の僕は1年半前に家出した16歳の青年で、本名はフランク・W・アバグネイル。2日後の午前10時にマイアミ国際空港で」とバッグに詰まった紙幣の束を見せた後、窓から逃げ出す。
 カールは拳銃を構えて2階の部屋に行くが、紙幣が散らかっていて、窓からの風に吹かれている。
 “マイアミ国際空港”の字幕。フランクはサングラスをかけて車で現れ、ブレンダがポツンと立っているのを確認するが、周囲の状況を見て逃げ出す。
 カール「現れないな。こっちは100人以上で固めた」。
 フランク、パンナムのCA養成講座の講師をしていて、実地訓練に臨む10人を選ぶ。
 10人の若くて美しいCAに目を取られ、その中心にいるフランクには誰も気づかない、ロビーの人々。
 “それから7カ月後”の字幕。「各国でやりたい放題だ。今はマドリッドにいる」「もうあきらめろ」。
 世界地図を見つめるカール。
 フランクの母の故郷がフランスのモンリシャールだったことを思い出すカール。
 “フランス モンリシャール クリスマスイヴ 1967年”の字幕。カールは教会からの聖歌を聞いている。建物に入ると巨大な印刷機。上半身が下着姿のフランクが現れる。カール「外に出ると地元の警察に殺されるぞ」「本当か? あなたに子供はいる?」「9歳の娘がいる。ほとんど会えないで過ごしているが」「分かった。あんたの言ったことを信用しよう」。自らの手に手錠をかけるフランク。外に出ると、警察はいない。だが、すぐに何台ものパトカーが現れ、無数の警官がフランクに拳銃を向ける。カール「武器は持っていない! 撃たないでくれ!」。地元の警察に連行されるフランク。「心配するな! 必ずアメリカに連れて帰ってやるから!」と叫ぶカール。
 飛行機の中。フランク「テレビで報道される前に、親父に電話で話をしておきたい」カール「もうすぐラガーディア空港だ。残念な話だが、君のお父さんは亡くなった。階段で転んで首の骨を折ったんだ」。気分が悪くなり、トイレに駆け込むフランク。なかなかトイレから出て来ず、着陸態勢に入っても出てこないので、トイレのドアをけ破ると、床にビスが転がっていて、荷物置き場へ脱出したことが分かる。「フランク!」。着陸した後、機外に逃れるフランク。「フランク! 戻れ!」とカール。
 クリスマスイヴの家。フランクは母の家を訪ねる。幼い少女が窓に。フランク「君の名は? ママは?」。幸せそうに暮らしているフランクの母。そこへ無数のパトカーが現れる。裁判長の声「アトランタの重罪刑務所に12年の禁固。独房で」。
 面会に来るカール。「メリークリスマス。マンガ本の差し入れだ」(中略)
 カール「これを見てくれ」と小切手を出す。フランク「ミシン目や紙質、使われているインクから、これは偽造だとすぐに分かる」「刑期が終了するまで、金融犯罪科で働かないか?」。
 FBI本部。カール「8時10分から17時まで。毎日だ」。
 路上で、ショーウィンドウのパイロットの制服に見とれるフランク。
 パイロット姿で鞄を持つフランクに出会うカール。(中略)
 新しい偽造小切手について調べるカールと同僚。フランクはなかなか現れない。もう現れないかと思われてきたことになってやっとフランクは現れ、「これは新しいインク消しを使ったものだ」と見抜く。
 カールはフランクと二人になると「ルイジアナでの司法試験はどうやって乗り越えたんだ?」「2時間勉強しただけです」。
 “現在のフランクは結婚26年目で息子が3人。中西部で平和に暮らしながら、FBIに協力して国際手配を受けた悪質な偽造犯の逮捕に貢献。銀行詐欺や偽造の摘発の権威とされている。彼はまた偽造防止の小切手を考案。現在、銀行や大企業が毎日使用しており、代価として年間数百万ドルを彼に支払っている。フランクとカールは今も仲のよい友だちである”の字幕で、映画は終わる。

 ソール・バスばりのタイトルロールから見ていてウキウキとしてきて、本編もディカプリオとトム・ハンクスの演技合戦を、快調なショットと編集で見せていて、スピルバーグの面目躍如でした。主人公の両親もクリスロファー・ウォーケンとナタリー・バイが演じるなど、とても豪華な演技陣で、ジョン・ウィリアムズの音楽のチョイスも素晴らしかったと思います。