昨日の続きです。
若狭が着替える影。
舞う若狭。やがて男の歌う声も聞こえてくる。若狭「あの声のうれしそうなこと。亡くなった父の声です」従者「憎むべき信長に殺されたのです。ご祝言をお喜びになっているのです」。
眠る源十郎。源十郎の顔を間近から見る若狭。目覚め、驚く源十郎と微笑む若狭。
湯に入る源十郎。若狭「私は魔性の女でしょうか? 私のために命を尽くしてもらわねば」と自分も裸になり湯に入っていく。
野原。源十郎と若狭、ふざけ合い、源十郎「もう放しませんぞ。天国だ」。
女の声「誰か、助けて!」野武士「食うものはねえのか?」宮木、源一に「早う、早う、しっかりしなさい」村の女性、宮木に「これは弁当代わりのお餅です。裏街道を行くように」宮木「ありがとうございます」。略奪する野武士。
山道で野武士「食い物はねえか?」宮木「これは子供の食べ物です」。野武士たち、宮木から無理やり餅を奪い、宮木は一人から槍で刺される。倒れる宮木。その背中で泣く源一。
藤兵衛、落武者の一人を背後から槍で刺して殺し、その胸元にあった書状を奪う。
藤兵衛、武士の大将に「これをご覧ください」大将「お前みたいな下郎が、あれを殺したのか」「確かに私が突き殺しました」「では褒美を取らせる」「馬をもらい家来にしてほしいのです」「よし、かなえてやろう」。
兵士の行列の先頭を馬に乗って進む藤兵衛「この足で国に帰る」。部下からの要求で宿を取ることにする。立派な武士になるコツを問われた藤兵衛は「知恵と腕と明敏な頭脳だな」と演説をする。座を離れた藤兵衛は阿濱に出会う。「立派な侍になったわね。私もこんなに出世したわ。さぞ満足でしょうね。今夜私をお買い」「お前のためにやったことなんだ。立身出世すれば褒められると思って」「私は穢れてしまった」「元のお前にする」「死にきれなかったのよ」と泣き出す阿濱。
着物屋で朽木屋敷にものを届けてくれと源十郎が言うと、「帰ってください」と言われる。
道すがら、源十郎は僧から声をかけられ、よく顔を見せてくれと言われる。僧は死相が現れていると言い、怪しい者に会ったりしなかったか、妻子はないのか、いるのならこのままさまよっていれば命がなくなる、死霊をはらってやるから来なさいと言う。
若狭「まあ、美しい。こんなに立派な瓔珞を。あんまりお帰りが遅いので心配していました」従者「もう外に出ないでください」若狭「この屋敷を捨てて、私の国に行きましょう」源十郎「許してください。私は嘘をついていました。妻子がいるのです」従者「すべて忘れてください」源十郎「帰らせてください」。源十郎に近づいた若狭は驚いた様子で身を引く。「何て恐ろしいことを」。源十郎の上半身には梵字が書かれている。若狭「いつまでもおそばに」従者「若狭様は不幸のままでお亡くなりになりました。そこでせめて一度でいいから幸福な日々を過ごさせてあげたかったのです。お心にお咎めはないのですか? 末長く姫様と」。源十郎、刀を振り回して暴れ出す。逃げ出す2人。やがて源十郎は庭で大の字になって寝る。
目覚めると、侍たちが源十郎を囲んでいて、刀を盗んだのはお前だなと言って、刀とともに源十郎が持っていたカネも没収される。廃墟をふらつく源十郎。
帰宅する源十郎を宮木は迎える。源一を抱き、「大変な過ちをしてきた。やっと目が覚めた」と源十郎。宮木「そんなお話はおやめになって。お酒もできています。お鍋も食べごろに煮えていますから」「心が晴れた。格別の味だ。いやに静かだなあ。源一を寝かせてやろう」。源十郎も一緒に眠ってしまう。それに布団をかけ、繕い物をし始める宮木。
朝になって村長が訪ねてきて、宮木は野武士に殺されたことを源十郎に伝え、それ以降源一を自分が預かってきたのだが、昨日から姿が見えず心配していたと言う。どこかで父の帰りを知ったのだろう、と言う村長。
橋の上から武器を捨てる藤兵衛。そばには阿濱。
宮木の墓参りをする源十郎は「なぜ死んだ?」と泣く。宮木の声「死んではおりません。いつもおそばにいます。本来の場所で本来の姿になられ、早くお仕事をされてください」。
宮木の声「まあ、きれいな形だこと。早く焼き上がりましたね。薪も用意してあります。安心して立派な焼き物を作ってください。今やっと私が思っていた人になってくれました。これが世の中というものなのでしょうね」。
畑を耕す藤兵衛。「一服おし」と阿濱。
源一は母のお墓に参り、カメラが上昇して映画は終わります。
ワンシーンワンカットが多用され、森雅之の演技が光っていました。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
若狭が着替える影。
舞う若狭。やがて男の歌う声も聞こえてくる。若狭「あの声のうれしそうなこと。亡くなった父の声です」従者「憎むべき信長に殺されたのです。ご祝言をお喜びになっているのです」。
眠る源十郎。源十郎の顔を間近から見る若狭。目覚め、驚く源十郎と微笑む若狭。
湯に入る源十郎。若狭「私は魔性の女でしょうか? 私のために命を尽くしてもらわねば」と自分も裸になり湯に入っていく。
野原。源十郎と若狭、ふざけ合い、源十郎「もう放しませんぞ。天国だ」。
女の声「誰か、助けて!」野武士「食うものはねえのか?」宮木、源一に「早う、早う、しっかりしなさい」村の女性、宮木に「これは弁当代わりのお餅です。裏街道を行くように」宮木「ありがとうございます」。略奪する野武士。
山道で野武士「食い物はねえか?」宮木「これは子供の食べ物です」。野武士たち、宮木から無理やり餅を奪い、宮木は一人から槍で刺される。倒れる宮木。その背中で泣く源一。
藤兵衛、落武者の一人を背後から槍で刺して殺し、その胸元にあった書状を奪う。
藤兵衛、武士の大将に「これをご覧ください」大将「お前みたいな下郎が、あれを殺したのか」「確かに私が突き殺しました」「では褒美を取らせる」「馬をもらい家来にしてほしいのです」「よし、かなえてやろう」。
兵士の行列の先頭を馬に乗って進む藤兵衛「この足で国に帰る」。部下からの要求で宿を取ることにする。立派な武士になるコツを問われた藤兵衛は「知恵と腕と明敏な頭脳だな」と演説をする。座を離れた藤兵衛は阿濱に出会う。「立派な侍になったわね。私もこんなに出世したわ。さぞ満足でしょうね。今夜私をお買い」「お前のためにやったことなんだ。立身出世すれば褒められると思って」「私は穢れてしまった」「元のお前にする」「死にきれなかったのよ」と泣き出す阿濱。
着物屋で朽木屋敷にものを届けてくれと源十郎が言うと、「帰ってください」と言われる。
道すがら、源十郎は僧から声をかけられ、よく顔を見せてくれと言われる。僧は死相が現れていると言い、怪しい者に会ったりしなかったか、妻子はないのか、いるのならこのままさまよっていれば命がなくなる、死霊をはらってやるから来なさいと言う。
若狭「まあ、美しい。こんなに立派な瓔珞を。あんまりお帰りが遅いので心配していました」従者「もう外に出ないでください」若狭「この屋敷を捨てて、私の国に行きましょう」源十郎「許してください。私は嘘をついていました。妻子がいるのです」従者「すべて忘れてください」源十郎「帰らせてください」。源十郎に近づいた若狭は驚いた様子で身を引く。「何て恐ろしいことを」。源十郎の上半身には梵字が書かれている。若狭「いつまでもおそばに」従者「若狭様は不幸のままでお亡くなりになりました。そこでせめて一度でいいから幸福な日々を過ごさせてあげたかったのです。お心にお咎めはないのですか? 末長く姫様と」。源十郎、刀を振り回して暴れ出す。逃げ出す2人。やがて源十郎は庭で大の字になって寝る。
目覚めると、侍たちが源十郎を囲んでいて、刀を盗んだのはお前だなと言って、刀とともに源十郎が持っていたカネも没収される。廃墟をふらつく源十郎。
帰宅する源十郎を宮木は迎える。源一を抱き、「大変な過ちをしてきた。やっと目が覚めた」と源十郎。宮木「そんなお話はおやめになって。お酒もできています。お鍋も食べごろに煮えていますから」「心が晴れた。格別の味だ。いやに静かだなあ。源一を寝かせてやろう」。源十郎も一緒に眠ってしまう。それに布団をかけ、繕い物をし始める宮木。
朝になって村長が訪ねてきて、宮木は野武士に殺されたことを源十郎に伝え、それ以降源一を自分が預かってきたのだが、昨日から姿が見えず心配していたと言う。どこかで父の帰りを知ったのだろう、と言う村長。
橋の上から武器を捨てる藤兵衛。そばには阿濱。
宮木の墓参りをする源十郎は「なぜ死んだ?」と泣く。宮木の声「死んではおりません。いつもおそばにいます。本来の場所で本来の姿になられ、早くお仕事をされてください」。
宮木の声「まあ、きれいな形だこと。早く焼き上がりましたね。薪も用意してあります。安心して立派な焼き物を作ってください。今やっと私が思っていた人になってくれました。これが世の中というものなのでしょうね」。
畑を耕す藤兵衛。「一服おし」と阿濱。
源一は母のお墓に参り、カメラが上昇して映画は終わります。
ワンシーンワンカットが多用され、森雅之の演技が光っていました。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)