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ヴィスワヴァ・シンボルスカ『終わりと始まり』

2011-01-08 06:30:00 | ノンジャンル
 1965年の今日1月8日、ソビエトの映画監督ボリス・バルネットが62才で亡くなりました。私にとっては、今でも涙なしにはストーリーを語り得ない『国境の町』で忘れがたい監督ですが、『帽子箱を持った少女』が代表作と言う人も多く、一度だけ見たその映画をもう一度見たいと切に願っています。WOWOWか、スカパーの洋画★シネフィル・イマジカで放映してくれないものでしょうか?

 さて、ヴィスワヴァ・シンボルスカの'93年作品『終わりと始まり』を読みました。'96年にノーベル文学賞を受賞したポーランドの詩人の作品集です。
 あとがきによると、シンボルスカは全体に対する個の優越、そして個々間の平等を主張し、またノーベル賞受賞記念講演で本人が述べているところによれば、その個一つ一つがユニークであるという考え方が、彼女の詩の底に常に流れているということです。詩は平易な言葉で書かれた自由詩といったものですが、文法的にも自由に書かれているものが多く、中には難解なものもありました。例えば、冒頭の「空」という詩の出だしは、
「ここから始めなければ そう、空から
 窓には台も、枠も、ガラスもない
 ただ穴が開いているだけ
 でも広々と開いている」
といったもので、原文で文法的にどうなっているのかは、図り知れないものであったりしました。
 本来、詩は苦手な私ですが、割にスムーズに読めたような気もします。東欧の現代詩を読んだことのない方は一度読んでみたらいかがでしょうか?

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