北尾トロさんの'13年作品『キミはヒマラヤ下着の凄すぎる実力を知っているか』を読みました。
まえがきより引用させていただくと、「(情報)のなかに気になることが含まれていると脳内サーチが発動する。発動の合図はいつも決まっていて、「ん?」と思うのだ。(中略)が、何日経っても「ん?」がなくならず、逆に膨らんでしまうときがある。そうなると本当のところはどうなのか確かめたくなる。確かめる方法はカンタン。やってみればいい」ということで、この本は始まります。
まず最初は〈極寒のエベレストを征したあったか下着の決定版〉というフレーズともに、群馬県山岳連盟のメンバーが雪山の上で下着姿になって並んでいる広告。値段は標準サイズでも上下で1万5千円近くする高額商品。三層構造編みという独自の保温法のせいか、けっこう重量感がある下着を着た姿を家族に見せると、「一気に老けたね」(ツマ)「おとうさん、すごくカッコ悪い!」(娘)。で実際に下着を装着して上に普段の服装で、12月の東京の店で鍋料理を食べたら、暑くてたまらなくなり、気分が悪くなるほど。ところ移して信州。気温は零度前後。下半身はヒマラヤの上にジーンズ、上半身はヒマラヤ+ネルシャツ+コート。結果はヒマラヤ、圧勝。そして最後の挑戦、その舞台はやはり信州、冬の駒ヶ岳の千畳敷カールと決まった。撮影は長引いたが、寒いのは肌が露出している手や顔だけ。日差しがもたらす暖かさを最大限取り込み、外に逃がさない。「すいません、ぼくのほうがもう限界です」とうとう編集者からギブアップ宣言が出た。勝負あり。ヒマラヤ下着、完勝である。
次に体験したのは、サラリーマンの小遣い。新生フィナンシャル株式会社の2009年調査によると、サラリーマンの1ヶ月の小遣いの平均が、4万5600円だったらしい。それが2010年ではさらに4万600円、2011年には3万6500円に下がり、ピーク時の1990年の7万6千円の半分以下となった。筆者はこの小遣いで、実際にどの程度の“娯楽”が楽しめるか、体験してみる。
次は大人用紙オムツ。介護施設では、スタッフがオムツ体験を済ませてから仕事にあたるという。(これは私の体験上、嘘です。)はいた感じはクッション性もあってなかなか快適だ。しかし鏡の前で見た自分の姿にショックを受けた。下半身を過剰防衛された弱々しい人間にしか見えない。そしてオムツデビューするには、ある種のプライドみたいなものを捨てることが必要だと分かる。そして放尿の段になると、たちまち前部分では支え切れなくなり、尿が後方に流れ出し、尻のパッドにたまっていくのがわかる。しかし肌が濡れたりはせず、すべてをパッドが吸収。軽かったオムツがみるみる重たくなっていく。すべてを出し切った開放感が去ると、むずむずと臀部に不快感が襲ってきた。パッドから伝わってくる尿の熱と湿気、そして臭いである。トイレで済ませるのに比べたら明らかに不快だった。
次は酒場などで上司が部下に支離滅裂だったり強引だったり、ひどいときは、どう考えても間違っていたりすることを言い、部下がおとなしく聞いている場面に出くわしたとき、第三者として上司に一言声をかけさせてもらう、という体験に挑戦するが、見事に撃沈。
次は西新宿で夜の7時から9時まで「私の志集」を立ったまま売っている女性(彼女は日疋(ひびき)冬子さん37歳で73歳の夫が詩人だった亡妻について書いた詩を売っている、ちなみに10年後の2011年も彼女は健在だった)を真似て、吉祥寺の公園で自作の詩集を売ってみる、他にはカナヅチの自分が浮輪を使いながらも、海水浴場のブイのところまで行ってみる、バンジージャンプを飛んでみる、路上ライブをやってみる、「地の塩運動」について調べてみる、サイトに人生相談の窓口を開いてみる、自宅を売ってみる、といった体験談が掲載されていました。
『キミは他人の鼻毛が出てますよと言えるか』の続編として企画された本のようですが、後半はネタ不足なのが見え見えで、サイトの人生相談の話を読んでるあたりから、早く読み終わらないかなあ、と思いながら読んでいました。出だしがよかっただけに、惜しまれる本です。
→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
まえがきより引用させていただくと、「(情報)のなかに気になることが含まれていると脳内サーチが発動する。発動の合図はいつも決まっていて、「ん?」と思うのだ。(中略)が、何日経っても「ん?」がなくならず、逆に膨らんでしまうときがある。そうなると本当のところはどうなのか確かめたくなる。確かめる方法はカンタン。やってみればいい」ということで、この本は始まります。
まず最初は〈極寒のエベレストを征したあったか下着の決定版〉というフレーズともに、群馬県山岳連盟のメンバーが雪山の上で下着姿になって並んでいる広告。値段は標準サイズでも上下で1万5千円近くする高額商品。三層構造編みという独自の保温法のせいか、けっこう重量感がある下着を着た姿を家族に見せると、「一気に老けたね」(ツマ)「おとうさん、すごくカッコ悪い!」(娘)。で実際に下着を装着して上に普段の服装で、12月の東京の店で鍋料理を食べたら、暑くてたまらなくなり、気分が悪くなるほど。ところ移して信州。気温は零度前後。下半身はヒマラヤの上にジーンズ、上半身はヒマラヤ+ネルシャツ+コート。結果はヒマラヤ、圧勝。そして最後の挑戦、その舞台はやはり信州、冬の駒ヶ岳の千畳敷カールと決まった。撮影は長引いたが、寒いのは肌が露出している手や顔だけ。日差しがもたらす暖かさを最大限取り込み、外に逃がさない。「すいません、ぼくのほうがもう限界です」とうとう編集者からギブアップ宣言が出た。勝負あり。ヒマラヤ下着、完勝である。
次に体験したのは、サラリーマンの小遣い。新生フィナンシャル株式会社の2009年調査によると、サラリーマンの1ヶ月の小遣いの平均が、4万5600円だったらしい。それが2010年ではさらに4万600円、2011年には3万6500円に下がり、ピーク時の1990年の7万6千円の半分以下となった。筆者はこの小遣いで、実際にどの程度の“娯楽”が楽しめるか、体験してみる。
次は大人用紙オムツ。介護施設では、スタッフがオムツ体験を済ませてから仕事にあたるという。(これは私の体験上、嘘です。)はいた感じはクッション性もあってなかなか快適だ。しかし鏡の前で見た自分の姿にショックを受けた。下半身を過剰防衛された弱々しい人間にしか見えない。そしてオムツデビューするには、ある種のプライドみたいなものを捨てることが必要だと分かる。そして放尿の段になると、たちまち前部分では支え切れなくなり、尿が後方に流れ出し、尻のパッドにたまっていくのがわかる。しかし肌が濡れたりはせず、すべてをパッドが吸収。軽かったオムツがみるみる重たくなっていく。すべてを出し切った開放感が去ると、むずむずと臀部に不快感が襲ってきた。パッドから伝わってくる尿の熱と湿気、そして臭いである。トイレで済ませるのに比べたら明らかに不快だった。
次は酒場などで上司が部下に支離滅裂だったり強引だったり、ひどいときは、どう考えても間違っていたりすることを言い、部下がおとなしく聞いている場面に出くわしたとき、第三者として上司に一言声をかけさせてもらう、という体験に挑戦するが、見事に撃沈。
次は西新宿で夜の7時から9時まで「私の志集」を立ったまま売っている女性(彼女は日疋(ひびき)冬子さん37歳で73歳の夫が詩人だった亡妻について書いた詩を売っている、ちなみに10年後の2011年も彼女は健在だった)を真似て、吉祥寺の公園で自作の詩集を売ってみる、他にはカナヅチの自分が浮輪を使いながらも、海水浴場のブイのところまで行ってみる、バンジージャンプを飛んでみる、路上ライブをやってみる、「地の塩運動」について調べてみる、サイトに人生相談の窓口を開いてみる、自宅を売ってみる、といった体験談が掲載されていました。
『キミは他人の鼻毛が出てますよと言えるか』の続編として企画された本のようですが、後半はネタ不足なのが見え見えで、サイトの人生相談の話を読んでるあたりから、早く読み終わらないかなあ、と思いながら読んでいました。出だしがよかっただけに、惜しまれる本です。
→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
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