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相米慎二監督『風花」その2

2011-01-10 00:31:00 | ノンジャンル
 今日でこのブログも満5年を迎えました。途中、中断することもありましたが、皆さんに読んでいただけたおかげで、ここまで続けられたのだと思います。これからもよろしくお願いいたします。

 さて、昨日の続きです。
 翌日無口になったゆり子にとまどう沢木。山を目指して車を走らせているうちに夜になり道に迷い、「くたびれたね」と言って眠り込むゆり子を見て不安になる沢木。しかし無事山荘に着いて沢木は喜びますが、ゆり子は黒々とした山頂を見つめます。山荘のオーナー(柄本明)の弾き語りを聞く常連客の雰囲気に辟易した沢木は一人温泉に浸かりに行き、残されたゆり子は客の一人から口説かれますが、自分はプロだと言って断ります。ピンサロで沢木がゆり子の足に遺言を書いたので、ゆり子は人の迷惑にならないように死なねばならないと言い、自分の故郷には今の季節でも山には雪が残っていて凍死できると沢木に教えたことを、ゆり子は回想します。座頭市を演じるオーナーに常連客は次々と斬られ、ゆり子は舞台に上げられて、紙吹雪の舞う中、「お嬢さんは早く暖かいことろへお帰り」と言われます。はしゃぐゆり子。いい気持ちになって部屋に帰ると、沢木は一緒に死のうと言い出し、それを一旦止めて「会えてよかったね」と言って乾杯しようとするゆり子を今度は押し倒そうとします。そこへ先程ゆり子を口説こうとしていた客がやって来て、「こいつは女を知らないのでプロのあなたに教えてほしい」と他の客(酒井敏也)を部屋に押し込み、沢木は部屋を出ますが、引き返してゆり子の手首につけていた鈴が鳴る音を扉ごしに聞きます。事が終わって窓を開けて雪の山を見るゆり子。沢木は部屋に戻ると、ゆり子の別れを告げる置き手紙と財布が置いてあるのを見つけ、彼女を探しに出ます。自虐的な父の死の様子を一人語りながら林の奥へ向かうゆり子。雪上に座り込み、コートを脱ぎ、線香花火に火をつけます。桜の散る中で沢木と二人で楽しく酔った夜を回想するゆり子。睡眠剤を次々に噛んで呑み込むゆり子の白い顔。沢木は雪に仰向けに横たわるゆり子を発見し、川を渡ると、ゆり子は「来なくていいのに」と一人ごちます。沢木は胃の中のものを吐かせて、服を重ね着させ、体をこすって必死の救命措置を行い、彼女を担いで山荘に向かいます。途中で朝を迎え、冷たくなってきたゆり子に気付いた沢木は、ゆり子に必死で呼び掛け、体をこすりながら泣きます。山荘に着き、火を起こしてゆり子を暖めているうちに、彼女は意識を取り戻し、ゆり子は自分から沢木を抱きしめると、沢木は「暖かい」と言います。翌日、沢木に車で送ってもらい、正面階段から寺へ上がって行くゆり子。鳥居の前で娘に会い、手を握ると、娘は「ママ?」と言い、ゆり子は思わず涙して娘を抱きしめます。それを遠くから眺めていた沢木は一旦は車で去ろうとしますが、また車をバックさせ、どうすればいいか迷うのでした。
 ここでもワンシーン・ワンカットでほとんどのシーンが撮られているのですが、上下左右にゆるやかに動くカメラが何とも官能的で、町田博さんによる撮影のほの暗く美しい画面とともに魅せられました。何とも悲痛で、虚無的ともとれるような映画ですが、ラストで救われるストーリーであったのは、相米監督の遺作ということから考えても、よかったなあと思いました。キャストも完璧だったと思います。映画ファンでまだ見ていない方、必見です。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto)

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