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ロバート・シオドマク監督『らせん階段』

2013-12-27 12:03:00 | ノンジャンル
 今日は『スターダスト』を作曲したホーギー・カーマイケルの33回忌です。美しい音楽を与えたくれた彼に改めて感謝したいと思います。

 さて、ロバート・シオドマク監督の'45年作品『らせん階段』をDVDで見ました。
 “ビレッジ・ホテル”の1階にある映画館では『接吻』という題の映画が上映され、子供たちだけでなく、従業員もカーテンの隙間から覗いて見ています。ある部屋で男の目に脅される女性。客として来ていた唖(おし)のヘレン(ドロシー・マクガイア)は、映画が終ると天井で物音がするのが聞こえ、他の客と2階のある部屋へ行くと、若い女性が絞殺されていました。そこから3キロも離れたウォーレン家の家政婦として働くヘレンは、医師のパリーに馬車で送っていってもらうことにします。
 家族のいない君は本来家政婦などではなく、看護婦や教師として働くべきだと言うパリーは、そのうちヘレンが声を取戻すかもしれないと励まします。以前に医者にかかってダメだったと伝えるヘレンに、それは大分前の話だし、医学は進歩していると答えるパリーは、ボストンの専門医に是非診せたいと言います。そこへ少年のフレディが現れ、父の具合が悪いので来てほしいと言い、ヘレンは馬車を降り、フレデイと交替します。
 林の中を進むヘレンと、それを木の陰から狙う黒い人影。警戒したヘレンはそれが兎だと知って安心し、突風に吹かれ、急な豪雨に襲われます。泥の中に鍵を落としてしまうヘレンと、彼女に近づく男。ヘレンはやっと鍵を見つけ、男は襲う機会を失います。寝たきりのウォーレン夫人(エセル・バリモア)は、このところ起こっている連続殺人事件の被害者で、最初に襲われたのが顔に傷のある女、2番目が精神薄弱の娘、今回が足の悪い娘と、障害をもつ若い女性ばかりが狙われているので、ヘレンにも気をつけるようにいいます。閉めたはずの窓が開いているのに気付く家政婦のエマ。
 やがて刑事がウォーレン家の主人の教授に会いたいと訪ねてきます。教授の弟スティーヴは欧州を一周して帰ってきます。夫人はヘレンに今晩のうちに家を出なさいと言い、パリー先生に会いたいとも言い、スティーヴは刑事に今晩は外出していないと言っていたのに、靴が泥だらけなのを教授に見つけられます。
 夫人に呼ばれ、パリーがやってきます。今晩ヘレンをこの家から連れ出してほしい、とパリーに頼む夫人。夫人の治療に必要な薬が無くなっているのに気付いたパリーは小使のオーツに遠くへ買いに行かせます。エマとパリーは一緒に地下室へブランデーを取りに行きますが、エマはわざとロウソクの炎を消し、ブランデーを1本くすねます。パリーは夫人や教授に「ヘレンは今晩連れ出し、しばらく母の家に預ける」と言います。
 そしてパリーはヘレンが幼い頃両親を火事で亡くし、それがショックで口が利けなくなったことを話します。パリーには急患の知らせが届き、ウォーレン家を出ますが、出かけにパリーはヘレンにキスします。パリーとの結婚式を夢見るヘレンでしたが、結婚式での宣誓の声を出せず、現実に戻されます。
 ブランチはスティーヴに以前の教授との仲を追及されて怒り、ヘレンと一緒に家を出ることにします。スーツケースを取りに地下室に行ったブランチは男の目に脅かされ、絞殺されます。看護婦も今日で辞めると言い出し、夫人は以前ここで女の子が井戸に落ちて死んだことがあったと話します。ヘレンはブランチの死体を発見し、そこに現れたスティーヴを犯人だと思って部屋に閉じ込めます。ヘレンはパリーからもらっいた電話先に電話しようとしますが、声がでません。それを聞いた教授は「つながらなくてよかった」と言い、「障害のある者はこの世に居場所はない」と言って、ヘレンに迫ります。警官がやってきて「バリー先生は今夜はこれない」と伝言して帰りますが、ヘレンが警官に助けを求めても、嵐の音で消されてしまいます。ついにヘレンが教授に追いつめられると、夫人が拳銃を持って階段の手すりにもたれて立ち、教授を射殺します。そしてパリー先生へ電話するヘレンは、声が出るようになっていたのでした。

 特に地下室の無気味な影や嵐や落雷の音、被害者に迫るドアップの目などが印象に残る映画でした。

→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

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