アメリカのバイデン大統領、アフガンへの軍事介入を止め、ヨーロッパとの連携を強め、ロシアとの対話も開始するようです。やっと久しぶりに「民主主義国家」のリーダーであるアメリカが戻ってきたような気がします!
さて、恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。
まず4月7日に掲載された「偉大な女性たち」と題された斎藤さんのコラムを全文転載させていただくと、
「二月に発売されたイギリスの作家ケイト・パンクハーストの絵本のシリーズが素晴らしい(発行元は化学同人)。
『すてきで偉大な女性たちが世界を変えた』(田元明日菜訳)、『すてきで偉大な女性たちが世界を「あっ!」と言わせた』(増子久美訳)、『すてきで偉大な女性たちが地球を守った』(橋本あゆみ訳)、『すてきで偉大な女性たちが歴史をつくった』(堀江里美訳)の全四冊で、各巻十三人余の女性が登場する。
マリー・キュリーやココ・シャネルのような著名人も入っているものの、大部分は無名か「知る人ぞ知る」くらいの女性で、従来の偉人伝とは印象が全然違うの。
DNA研究の基礎を担った研究チームのスタッフ。雲仙普賢岳の火砕流で落命した火山学者。恐竜の化石を次々に発掘して古生物学の端緒を開いた研究者。劣悪な労働条件に耐えかねて立ち上がったマッチ工場の女性たちもいれば、環境破壊に抵抗した第三世界の活動家たちもいる。日本から選ばれたのは女性ではじめてエベレストに登頂した田部井淳子さん。
先日発表された「ジェンダーギャップ指数2021」で、日本は百五十六国中百二十位だった。あーあと溜(た)め息をつきつつも、いやいやこれからだと思い直す。本のメッセージは「わたしにもできる!」。すべての少女と元少女だった人に勧めたい。」
また、4月14日に掲載された「瞬間移動の怪」と題された斎藤さんのコラム。
「迂闊(うかつ)だった。聖火リレーは一筆書きでランナーが各地をつないでいるのだと思い込んでいた。
だが11日と12日に行われた奈良県のルートを見て疑問が湧いた。こんな長距離を一日で走破できるはずがない。
たとえば11日、聖火リレーは葛城市の道の駅かつらぎに午後零時28分に到着する。そして十津川村の昴(すばる)の郷を同43分に到着する。両地の距離は約90キロ。車でも二時間、徒歩なら19時間かかる。それがわずか15分。瞬間移動でもしてる? じつは瞬間移動していたのだ。
8日のNHKニュースウェブに福島局の中村拓斗記者が「不思議の国の聖火リレー」と題する記事を寄せている。〈オリンピックの聖火は、時に「ワープ」し、「きょうだい」が大勢いる〉
今回のリレーは各地を「飛び火」しながらめぐる方式。ランナーが走る区間は細切れで、一区間のリレー終了後に別の区間で点火してリレーを始める。IOCの内規では一筆書きが原則だが、瞬間移動はスパイダー式と呼ばれ容認されているらしい。するとトーチは何本存在するのか。宣伝車を含めて一県に何チーム派遣されるのか。
この件は2018年から報道されていた。が、進行中に疑義を呈したのは中村記者だけ。聖火リレーが偽のリレーだったことは知らなかった私たち。壮大な詐欺にあった気分。」
そして、4月11日に掲載された「まやかしの子ども庁」と題された前川さんのコラム。
「「いい加減にしろ」と言いたい。自民党「勉強会」の提案を受け、菅首相が「子ども庁」の創設に向け党内準備組織の設置を指示。そのトップは二階幹事長。骨太の方針に盛り込み、来年度予算に計上するという。
必要なのは真っ当な政策であって、役所いじりではない。役所は今のままで何の問題もない。厚労省と文科省を中心に関係省庁が協力すればいいだけのことだ。
安倍・菅政権の子ども政策は極めて貧弱だった。安倍前首相が「新三本の矢」で「希望出生率1・8」の実現を公言し「夢をつむぐ子育て支援」を約束したのは2015年9月。しかし出生率は15年の1・45からダダ下がりし、19年には1・36になった。
児童虐待は12年度の六万件から19年度十九万件に増加。小中学生の不登校は12年度の十一万人から19年度十八万人に増加。児童生徒の自殺も年々増え、20年は499人。昨年のユニセフ報告では、子どもの精神的幸福度が38カ国中37位だ。
必要なのは子どものために金と人をつけることだ。子どもの貧困率(18年で13・5%)を半減させるくらいの政策目標を立てるべきである。「子ども庁」などというまやかしを選挙の「目玉」にできると考えているなら、国民を馬鹿にするのもいい加減にしろと言いたい。」
どれも一読に値する名文だと思います。
→サイト「Nature Life」(表紙が重いので、最初に開く際には表示されるまで少し時間がかかるかもしれません(^^;))(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
→FACEBOOK(ご自分の名前を入れて、FACEBOOKに登録しておけば、ご覧になれます)(https://www.facebook.com/profile.php?id=100005952271135)
さて、恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。
まず4月7日に掲載された「偉大な女性たち」と題された斎藤さんのコラムを全文転載させていただくと、
「二月に発売されたイギリスの作家ケイト・パンクハーストの絵本のシリーズが素晴らしい(発行元は化学同人)。
『すてきで偉大な女性たちが世界を変えた』(田元明日菜訳)、『すてきで偉大な女性たちが世界を「あっ!」と言わせた』(増子久美訳)、『すてきで偉大な女性たちが地球を守った』(橋本あゆみ訳)、『すてきで偉大な女性たちが歴史をつくった』(堀江里美訳)の全四冊で、各巻十三人余の女性が登場する。
マリー・キュリーやココ・シャネルのような著名人も入っているものの、大部分は無名か「知る人ぞ知る」くらいの女性で、従来の偉人伝とは印象が全然違うの。
DNA研究の基礎を担った研究チームのスタッフ。雲仙普賢岳の火砕流で落命した火山学者。恐竜の化石を次々に発掘して古生物学の端緒を開いた研究者。劣悪な労働条件に耐えかねて立ち上がったマッチ工場の女性たちもいれば、環境破壊に抵抗した第三世界の活動家たちもいる。日本から選ばれたのは女性ではじめてエベレストに登頂した田部井淳子さん。
先日発表された「ジェンダーギャップ指数2021」で、日本は百五十六国中百二十位だった。あーあと溜(た)め息をつきつつも、いやいやこれからだと思い直す。本のメッセージは「わたしにもできる!」。すべての少女と元少女だった人に勧めたい。」
また、4月14日に掲載された「瞬間移動の怪」と題された斎藤さんのコラム。
「迂闊(うかつ)だった。聖火リレーは一筆書きでランナーが各地をつないでいるのだと思い込んでいた。
だが11日と12日に行われた奈良県のルートを見て疑問が湧いた。こんな長距離を一日で走破できるはずがない。
たとえば11日、聖火リレーは葛城市の道の駅かつらぎに午後零時28分に到着する。そして十津川村の昴(すばる)の郷を同43分に到着する。両地の距離は約90キロ。車でも二時間、徒歩なら19時間かかる。それがわずか15分。瞬間移動でもしてる? じつは瞬間移動していたのだ。
8日のNHKニュースウェブに福島局の中村拓斗記者が「不思議の国の聖火リレー」と題する記事を寄せている。〈オリンピックの聖火は、時に「ワープ」し、「きょうだい」が大勢いる〉
今回のリレーは各地を「飛び火」しながらめぐる方式。ランナーが走る区間は細切れで、一区間のリレー終了後に別の区間で点火してリレーを始める。IOCの内規では一筆書きが原則だが、瞬間移動はスパイダー式と呼ばれ容認されているらしい。するとトーチは何本存在するのか。宣伝車を含めて一県に何チーム派遣されるのか。
この件は2018年から報道されていた。が、進行中に疑義を呈したのは中村記者だけ。聖火リレーが偽のリレーだったことは知らなかった私たち。壮大な詐欺にあった気分。」
そして、4月11日に掲載された「まやかしの子ども庁」と題された前川さんのコラム。
「「いい加減にしろ」と言いたい。自民党「勉強会」の提案を受け、菅首相が「子ども庁」の創設に向け党内準備組織の設置を指示。そのトップは二階幹事長。骨太の方針に盛り込み、来年度予算に計上するという。
必要なのは真っ当な政策であって、役所いじりではない。役所は今のままで何の問題もない。厚労省と文科省を中心に関係省庁が協力すればいいだけのことだ。
安倍・菅政権の子ども政策は極めて貧弱だった。安倍前首相が「新三本の矢」で「希望出生率1・8」の実現を公言し「夢をつむぐ子育て支援」を約束したのは2015年9月。しかし出生率は15年の1・45からダダ下がりし、19年には1・36になった。
児童虐待は12年度の六万件から19年度十九万件に増加。小中学生の不登校は12年度の十一万人から19年度十八万人に増加。児童生徒の自殺も年々増え、20年は499人。昨年のユニセフ報告では、子どもの精神的幸福度が38カ国中37位だ。
必要なのは子どものために金と人をつけることだ。子どもの貧困率(18年で13・5%)を半減させるくらいの政策目標を立てるべきである。「子ども庁」などというまやかしを選挙の「目玉」にできると考えているなら、国民を馬鹿にするのもいい加減にしろと言いたい。」
どれも一読に値する名文だと思います。
→サイト「Nature Life」(表紙が重いので、最初に開く際には表示されるまで少し時間がかかるかもしれません(^^;))(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
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