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チャールズ・チャップリン監督『ニューヨークの王様』その3

2014-04-24 07:09:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 夕食を国王がルームサービスで食べていると、大使が帰ってきて「尾行されている」と言います。2人でテレビのニュースを見ると、「マカビー夫妻の子ルパートがリッツ・ホテルで逮捕され、亡命中の国王の行動が疑われ、国際的核スパイ組織に手が伸び、共産党の陰謀が暴かれた」と言っています。紅茶を注ごうとして手が震える2人。国王が大使に弁護士へ電話させると、弁護士はすぐに事務所に来るように言い、召喚状はそれまで決して受け取らないように言います。廊下には見張りがいます。そこへアンがやって来て、自分が見張りの気をそらせるので、その隙に逃げ出すように言います。1階まで逃げ、回転ドアで反対側になりグルグル回る国王と男。男はサインが欲しいだけだと言い、国王は考えた末、サインをしてやります。帰っていく男。するとサインを求める女性に囲まれ、国王がサインしていると、サインを求める男が現れ、国王がサインしてやると、それが召喚状なのでした。
 3人の大人に囲まれるルパート。「君の親の友だちの名を言うだけで、親を救えるんだよ」と言う大人。
 国王は弁護士と国会に向かおうとしますが、弁護士はカバンを忘れたと言って、国王に先に行くように言います。エレベーターの中で消火ホースの筒口に指が入り、抜けなくなる国王。やがてホースが体にも絡まりだし、やって来た弁護士は驚きます。結局、ホースごと国王はエレベーターを降り、タクシーに乗って、国会に向かいます。
 ぎりぎりで調査委員会に間に合った国王でしたが、宣誓で右手を上げると、指にはまった筒先も上げることになり、爆笑を誘います。委員長は国会侮辱罪に問い、そこでホースを見て火事と勘違いした警備員がホースを繋ぐと、国王の指が筒口から抜け、筒口からは水が吹き出し、委員長席に放水し、遅れて入ってきた弁護士にも放水します。
 「シャドフ陛下、容疑晴れる」の新聞の大見出し。国王は欧州に戻ることにし、部屋から荷物を運ばせています。アンが訪ねてきて、今の状態は一時的で、やがて正気に戻ると言いますが、国王はそれまでは欧州で待つと言います。そこへ、后が離婚しないことを決意したという内容の電報が届きます。国王を引き止めようとするアン。20歳若かったら、と言う国王。大使から、もう出発しないと飛行機に遅れるという電話が入り、空港まで見送ることができないアンは、そこで国王と別れます。
 学校を訪れた国王は、校長が連れてきたルパートと会います。すっかり元気をなくしているルパート。校長は、彼が親を助けるために折れたと言い、本当の愛国者、学校の誇りだと言うと、ルパートは泣き出します。ルパートを慰める王様。
 ニューヨークの上空の機内の国王と大使。ニューヨークの上空を飛ぶ飛行機。「FINIS」の字幕の後、エンディングタイトルが流れ、画面は暗転し、音楽が最後まで流れます。

 アメリカで赤狩りが吹き荒れていた、まさにその時代に撮られた映画で、その勇気に敬服しました。その点では『チャップリンの独裁者』や『チャップリンの殺人狂時代』と同じ価値を持つ映画で、確か、淀川長治さんも、『モダン・タイムス』以降のチャップリン作品を「戦うチャップリン」と形容されていたような気がします。その他にも、アメリカの商業主義がカリカチュアライズされていて、社会批判の精神に基づいて作られた映画であることが分かりました。台詞がやたらに多く、録画を止めながら書き取っていったところ、画面の説明も含めて、レポート用紙に細かい文字で16ページも費やすことになりました。画面構成はオーソドックスで、無駄なカット割りは少なかったように思います。ここに書くことができなかったギャグも豊富にありました。以前見た方も、もう一度見直すと新たな発見がある映画だと思います。

 →「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

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