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思い返してみると、このアルバムを聴いてみたい、と思ったきっかけは、あの「ホワイト・ルーム」が入っていたからでした。クリームのレパートリーの中でも名高い曲です。
「カッコいい曲だ」というのはロック好きだった友人に聞かされていました。そんな時に「クリームっていうバンド、知ってる?好きなんだっら貸してやるぞ」と言われて、興味津々で借りて帰ったのが、この『クリームの素晴らしき世界』でした。
ぼくはまだ中学生だったので、全編通じて聴いてもどこがどう良いのか分かりませんでした。
改めて聴いてみて「スゴいな~」と思ったのは、どっぷりロックに漬かっていた20歳過ぎの頃だったと思います。
その時は、「ホワイト・ルーム」よりも、むしろ「クロスロード」の演奏の方に感動を覚えました。三人がその圧倒的な演奏技術をフルに発揮して収束していく様は「凄まじい」の一言に尽きると思います。
この『クリームの素晴らしき世界』は二枚組で、スタジオ盤とライヴ盤に別れています。当時は一枚ずつバラ売りされていたらしいですね。
スタジオ盤は、どちらかというと、スタジオならではの実験性が見え隠れしています。
プロデューサーのフェリックス・パパラルディがヴィオラやトランペット、オルガンなどで参加していて、ポップな要素も出しながら、当時としてはちょっとプログレッシヴな音作りを試みているようです。
ライヴ盤の方は、まさに原題の「Wheels Of Fire」そのものの、熱気にあふれたインプロヴィゼイションが繰り広げられています。
その中でも、「クロスロード」「スプーンフル」は、三人のスリル満点の壮絶なインタープレイが聴かれる、ロック史上に残る名演だと思います。
また「列車時刻」ではジャック・ブルースのハーモニカ・ソロ、「いやな奴」ではジンジャー・ベイカーのドラム・ソロがたっぷり聴くことができます。さながら、三人それぞれの見せ場を再現しているようです。
極端に言ってしまえば、スタジオとステージでは別のバンドが演奏しているようにも聴こえます。スタジオではポップだったり、プログレッシヴだったり、さまざまな方法論を試みているようです。
しかしライヴでは、ブルースをベースにした三人のぶつかり合いによって、各自の強烈な個性を引き出し合っているようです。これはまさに、ロックというよりジャズといった方が良いのではないでしょうか。
ベースを弾いていた自分としては、ジャック・ブルースの、派手で音数の多いスピーディーなベース・ラインに憧れて、よくコピーしていたものです。そういう意味でもこれは懐かしいアルバムです。
◆クリームの素晴らしき世界/Wheels Of Fire
■歌・演奏
クリーム/Cream
■収録曲
Side-A
① ホワイト・ルーム/White Room (Jack Bruce, Peter Brown)
② トップ・オブ・ザ・ワールド/Sitting on Top of the World (Walter Vinson, Lonnie Chatmon arr.Chester Burnett)
③ 時は過ぎて/Passing the Time (Ginger Baker, Mike Taylor)
④ おまえの言うように/As You Said (Bruce, Brown)
Side-B
⑤ ねずみといのしし/Pressed Rat and Warthog (Baker, Taylor)
⑥ 政治家/Politician (Bruce, Brown)
⑦ ゾーズ・ワー・ザ・デイズ/Those Were the Days (Baker, Taylor)
⑧ 悪い星の下に/Born Under a Bad Sign (Booker T. Jones, William Bell)
⑨ 荒れ果てた街/Deserted Cities of the Heart (Bruce, Brown)
Side-C
⑩ クロスロード/Crossroads (Robert Johnson arr.Eric Clapton)
⑪ スプーンフル/Spoonful (Willie Dixon)
Side-D
⑫ 列車時刻/Traintime (Bruce)
⑬ いやな奴/Toad (Baker)
■アルバム・リリース
1968年7月(アメリカ)、1968年8月9日(イギリス)
■プロデュース
フェリックス・パパラルディ
■録音メンバー
☆クリーム/Cream
エリック・クラプトン/Eric Clapton (guitar, vocal)
ジャック・ブルース/Jack Bruce (vocal, lead-vocal, bass, cello, harmonica, acoustic-guitar, recorder)
ジンジャー・ベイカー/Ginger Baker (drums, percussion, spoken-word⑤)
★ゲスト
フェリックス・パパラルディ/Felix Pappalardi (viola, bell, organ, trumpet, tonette)
■チャート最高位
1968年週間チャート アメリカ(ビルボード)1位、イギリス3位(2枚組)・7位(1枚組)
でもジェイさんは骨っぽいイメージがありますから、反体制のシンボルのロックに浸ってたというのも分かるような気がします。(^^)
ロックのライブ盤って、スタジオで作り込んでいるせいか音がスカスカだったりするんですが、クリームのライブは荒々しくてとてもカッコいいんですよね~
「クロスロード」なんて最高です。(^^)
MINAGIさんのこの記事を読んで、もう一度このアルバムを聴きかえしてウットリしてました。(笑)
高校時代(暗黒時代)よく聴いていました。
私もこのアルバムと言えば「クロスロード」を思い出します。そう。。凄まじいですよね。
何せクリームはカッコ良かった!!
でも60年代のクリーム、やっぱりカッコいいですよね。
そうそう、「真骨頂はライブにあり」って感じです。
怪しいベスト・・・どんなジャケットか一度見てみたいですね~。買ったところも闇市みたいなところだったんでしょうか。
でも、そうですね、もしかしたら海賊盤の可能性がありますね~
今のクラプトンみたいなシブいおっさんになるのがぼくの目標です~。そしていつの日か「ホワイト・ルーム」なんかを孫の前で爪弾いて見せるのだ(^^)
3人とも若すぎるし(当たり前か)フレッシュじゃないですか。
やっぱりクリームはライブがすごいなぁと改めて思いましたよ~
ジャケットも写真も妙に不自然なLPなんです(笑)
どこで買ったのかも思い出せない・・・
でも中身は大丈夫でした♪ そういうのを海賊版っていうんですかね?
エリック・クラプトンは今の方が断然素敵ですよね~
もちろん好きな曲は「WHITE ROOM」です!