【週刊ゲーム市場分析】「大神 絶景版」が好調、二極化するPS3“HDリマスター版”の販売傾向

2012年11月11日 | 団長は断腸の思い
ゲームソフトの週間販売本数からゲーム市場を分析する記事の第70回。
毎週のゲームソフトの販売本数を予想し、ポイントを競うYSO3の参加型企画【Y1】もよそしく!

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今回のファミ通TOP30(ファミ通.com掲載データはログが残らないため、YSO3のメインBBSにコピペ)
※前作データ等はすべてゲームデータ博物館様(ファミ通データ)より転載。
※年間販売本数データ等はGEIMIN.NET様よりお借りし、独自集計。
※アニメディスクの販売枚数はアニメDVD・BD売り上げまとめwiki様よりお借りしています。
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■「テイルズ オブ エクシリア2」が堅調なスタート

今回の首位はPS3「テイルズ オブ エクシリア2」(33.2万本)。ここで今世代の据え置き機における「テイルズ オブ」シリーズの販売実績を掲載してみる。



シリーズ最高の初週本数を記録した前作ほどの勢いはなかったものの、「ヴェスペリア」や「グレイセス/エフ」(ともに2機種合算の初週本数)と同程度となる堅調なスタートをみせた。


■「大神 絶景版」が好調、二極化するPS3“HDリマスター版”の販売傾向

2位には「大神 絶景版」(5.3万本)がランクイン。3位の「龍が如く 1&2 HD EDITION」(4.2万本)や前週の「ゾーン オブ エンダーズ HD エディション」(初週4.0万本)など、PS3の“HDリマスター版”の発売が相次いでいるので、その初週本数ランキングを作成してみた。



「大神 絶景版」はここでも5位にランクインする健闘をみせている。「メタルギア ソリッド」や「バイオハザード」といった国内を代表するシリーズ作品よりも上位に位置しているが、ここで気になるのが「オリジナルに対する販売比率」だ。比率に絞ってデータをまとめてみると、“HDリマスター版”の販売傾向は二極化していることがわかる。

※データ作成方法
・「オリジナルの本数」は累計本数、“HDリマスター版”は初週本数を用いて比率を作成
・「オリジナルの本数」は廉価版も含めて可能な限りデータを抽出(上記サイトよりデータをお借りしました)





まず、オリジナルの累計本数に対して25%~45%の初週本数を記録しているタイトル群をAグループとした。「ワンダと巨像」と「ICO」は2本セット「Limited Box」の販売が多数を占めるが、オリジナルの本数を「ワンダと巨像」「ICO」の合算にして計算しても、この範囲から大きく外れることはない。

次に、同3~8%のタイトル群をBグループとした。間となる10%~20%のタイトルは存在せず、その販売傾向は二極化している。中でもPS2の同一シリーズ作品を複数詰め合わせたパッケージは2~3%に留まっており、Bグループの上位(オリジナルはPSPやWiiタイトル)よりもさらに販売割合が低い。これらはオリジナルの作品の本数を2~3タイトル合算して計算しているが、それを踏まえても割合は低い。

上記のような現象が起こっている理由のひとつとして、シリーズ最新作がすでにPS3で発売されている場合、過去のシリーズ作品をHD化しても需要は低いことが考えられそうだ。最新作は当然HD画質で、システムもより洗練されているケースが多いため、最新作で満足するユーザーが多いのだろう。Aグループはいずれもユーザーから高い評価を受けた“名作”と呼ばれることが多いタイトルだが、PS3(HD画質)の最新作はない。

これらの集計はあくまでオリジナルに対する“HDリマスター版”の販売割合を示したもので、それぞれのタイトルがビジネス的に成功しているかどうかは別問題。しかし、今後PS3において各メーカーが“HDリマスター版”を展開していく上で、販売本数(販売割合)の基準にはなるのではないだろうか。


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