わたしは60歳で校長を定年退職をしましたが、その後も学校教育関係の仕事をして、今は教員志望の大学生に授業をしています。
教員採用試験に合格できるように、サポートをする役割です。
大学生は、おしなべて熱心に授業に臨んでくれます。
ただし、わたしはただ合格するための「教職教養」の知識学習をしたり、面接試験のテクニックを身につけてもらうだけを目的にはしていません。
合格すれば翌年は教諭として教壇に立つわけですから、採用試験のための知識が現場でどう反映されているか、つまり知識と現場での実践の間をつなぐように腐心しています。
その意図に応えて、熱心に学習してくれる大学生を相手にするのは、とてもモチベーションが上がります。
考えてみれば、人間は歳を重ねても好奇心を失わないことが必要なのだと思います。
ひとりでいるときも、他者と関わるときも、好奇心がないと何もやる気が起きなくなってしまいます。
たとえば定年退職したり、子育てが終了したりすると、人間はすることがなくて無気力になってしまう人もいるでしょう。
教員を定年退職した先輩の方から聞いたことがあります。
退職教員がずっと元気でいる秘訣は「きょういく」と「きょうよう」であると。
今日行くところがある。
今日用事がある。
うまく言い当てていると思います。
好奇心を失わない人の気持ちは若く、活力を保つことができるのだと思います。
かりにひとり暮らしになったとしても、ひとりの時間を充実あるものにできると思います。