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「遺構」というものは、残すか残さないかで、判断の難しいものです。
遺構は戦争や大きな災害を受けた建築物を残して、過去の事実を知り、考察して、学んだことを未来に意義づける役割があります。
戦争の遺構と言えば、広島の原爆ドーム、長崎の片足鳥居、沖縄のチビチリガマなど、その他たくさん残されています。
大地震の遺構もあります。東北地震で大勢の子どもの命が亡くなった大川小学校(宮城県石巻市)が震災遺構として保存されています。
大川小学校のケースでは、「残っていると、見るのがつらい。解体すべきだ」という遺族や住民の思いがもちろんあります。
一方で、なぜ子どもたちのいのちが守れなかったのかを考え後世に生かすため残したいという考えもありました。
ですから、残っていても、簡単に残ったのではないことを、訪れる人は知っておかなければならないのです。
「たいへんだったんだ」だけで終わらない、深い学びをして帰りたい、「いのちを守り抜くためには」と自問しながら、防災に役だてるのです。
遺構というものは、何のために残し、何を伝えるためにあるかを明確にして、保存に努めるべきです。
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