私は中学3年のときのクラスで、富山県神通川流域で起こった公害病であるイタイイタイ病をとりあげ、公害の問題を啓発する創作劇を演じました。
台本はクラスメートの女子生徒が夏休みに一人で創ったもので、かなり問題意識の高い生徒でした。
当時は高度経済成長のひずみとして、四日市ぜんそく、水俣病、イタイイタイ病などが公害病として社会的な問題となり始めたころでした。
それらを問題視して、社会をよくしていこうという、いわば社会運動として活動した当時の若い人たちは、今でいう「団塊の世代」でした。
彼らの活動は、いわゆる「共助」の精神で貫かれており、のちに日本でいわゆるNPO活動をはじめることにつながっていきました。
さて、私たちは日常生活を送るうえで、さまざまな行政サービスを受けています。
たとえば、公共施設を利用する、上下水道を使う、ごみを処理してもらう、出産・育児などの費用で補助金を受けるなどです。
これらは税金を使い地方公共団体が提供する制度として成立しています。
しかし、制度によって行われるものは、制度がなければサービスしてもらえません。
また、縦割り行政の弊害として、制度と制度のすき間からこぼれ落ちるニーズには対応しません。
そのとき、そのすき間を埋めるはたらきをするのが、NPO活動です。
このNPO活動の日本での歴史は、始まってからまだ日が浅いのです。
環境やまちづくり、子育て支援、障害者問題、ジェンダーなどの人権課題などに関して、公的な行政サービスがないなかで受け皿をつくり、行政にはたらきかけ、制度化させてきたのです。
そのNPO活動を始めた中心は、いわゆる「団塊の世代」と言われるいま、ちょうど後期高齢者世代に入る人たちです。
「団塊の世代」はあまりプラスイメージで語られることは少ないですが、NPO活動の創始したという功績は高く評価されるべきです。
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