紅葉の山々に囲まれて静かな大滝ダムのダム湖「龍神湖」です。
この写真を取った日の数日前、天皇皇后両陛下が行幸なさって
この湖で鮎と山女の放流をなさったとか。大騒ぎだったようです。
今は深い緑の水を湛えた美しいダム湖ですが、ここに至るまで
50年以上の苦難の歳月を要しました。
建設地のすぐ下流に住んでいた私は、子供の頃からずっとその
成り行きを見てきました。激しい反対運動がありました。同じ村内
に同時に3つのダムを作ろうとしたのです。多くの家屋や平安時代
からの由緒ある丹生川上神社上社まで水没することになりました。
ようやく完成したと思ったら、地すべりが起きて、水が貯められ
ない状態に。それが修復されてなんとかダムの機能を果たし
始めたのは、つい一昨年のことです。八ッ場ダムのように、一
旦中止なんてことにはなりませんでしたが、多くの犠牲と巨額
の費用が延々費やされてきたました。
治水のためには仕方がなかったのかもしれませんが、多くの
人々が移転させられ、村を出て、山が削られ、巨大な建造物
が川をせき止めている姿を見ると、それはそれで壮観ですが、
ちょっと複雑な気持ちになります。ビーバーのダムのように枯
れ枝や泥など天然の素材で作ったものなら、まだ自然に帰る
ことができるでしょうが、なにせ人工のコンクリートや鉄ででき
ていますからね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます