前回、末期がん患者の代替療法について考察しました。今回は、その中の一つで重要な食事療法について掘り下げます。
がん細胞には次のような特殊性があります。
① がん細胞は嫌気性糖産生を利用して分裂増殖する
嫌気性糖産生は、酸素を使いミトコンドリアを介する糖産生より100倍速くエネルギーを産生することができる(効率は悪い)。正常細胞より3~8倍ブドウ糖を消費する。
② がん細胞が分裂増殖していく時に必要な原料を作り出す
ブドウ糖を代謝する過程で生じる様々な分子を材料にがん細胞をつくる。
③ 次世代の細胞をつくるため化学反応を調整する
がん細胞は塩分を取り込み酸を出し、酸化還元反応を調節して分裂しやすい環境をつくる。
すなわち、がん細胞には、多量のブドウ糖を消費・代謝し、周辺環境を酸性化する性質があります。
したがって、がんに対抗する治療戦略としては、
① がん細胞に活動のための兵糧をなるべく与えない
日々の食事で必要量以上のブドウ糖を摂らない。正常細胞は脂肪を分解してできるケトン体をエネルギーにできる(がん細胞は原則できない)。
② がん細胞周辺の微細環境を酸性からアルカリ性に変える
塩分を控える。
③ がん細胞の成長促進のための環境や物質を与えない。
糖質を制限する(ケトン食の活用)。乳製品を摂らない。
④ がん発症の根本原因とされる慢性炎症を鎮める。
肥満の解消。NF-kBを抑えるハーブ類に含まれるパルテノライドを摂る。
⑤ 次世代の細胞をつくるための脂肪酸を合成させない。
ω-6脂肪酸はがん細胞の分裂および慢性炎症を促進する。脂肪酸合成酵素を阻害する(トリテルペノイド)を摂る。
⑥ 免疫力を高めて「がん」の発症や成長を抑制する。
丸山ワクチン(丸山ワクチンの濃度を高めたアンサー20)、キノコ類(βDグルカン)、海藻(フコイダン)等。ビタミンA・C・D・E、亜鉛
具体的な食事術を箇条書きにしてみます。
大原則:植物性の食材を中心に、未精製、未加工のものを丸ごと食べる
基本ルール
・炭水化物は未精製のものを少々 玄米、全粒粉パンなど
・塩分の摂取を控えめに 重曹の服用
・たんぱく質は、植物性のものや青魚から 卵はOK
・野菜、果物、キノコ類をたっぷり 野菜400g以上/日
・脂質はω-9系(オリーブ油)、ω-3系(魚油、亜麻仁油、えごま油)、
中鎖脂肪酸(MCTオイル)を摂取 人工油の摂取はご法度
・乳製品を摂らない
・ハーブの活用 ウメテルペン(梅エキス)夏白菊(フィーバーフュー茶)
これらがうまく出来ているかの評価する検査値目標として、
・尿PHを7.5~8以上に維持する
野菜、果物はよい(肉、魚、乳製品、穀類は酸性)
塩分は極力控える(カリウムをとる 尿中排泄量がナトリウムの11倍以上に
なるとよい)
・CRPを0.05以下に維持する
・好中球/リンパ球比を1.5以下に維持する
白血球を5000以上、リンパ球2000程度
・腫瘍マーカーを注意深く監視する
・血糖値(HbA1cを5.8以下)、アルブミン値(4.0以上)
古川先生は、個々の病態に応じて糖質制限を強化する、ケトン体+EPA+蛋白質中心の免疫栄養ケトン食を提唱しています。さらに効果を高めるため、プチ断食+高強度運動(ミトコンドリアの強化)。基礎体温を上げる(がん細胞は低温を好む、足湯が有効)。抗がん剤の副作用軽減(水素水、高濃度ビタミンC点滴)。睡眠の質を上げる。などの併用を勧めています。
上記の食事療法を実践し、検査値で評価して、体をがんの棲み難い環境にすることができれば、たとえすべてのがん細胞が死滅しなくても増殖を止めることができ、かんと共存することができます(寛解)。
また、この食事法は、がんの予防にも効果がありますし、肥満気味で生活習慣病が気になる方にもおすすめです。実行可能なところだけでも参考にされたらいかがでしょうか。
参考文献:ケリー・ターナー『がんが自然に治る生き方』プレジデント社
和田洋巳 『がんを生き抜く最強ごはん』 毎日新聞出版
古川健司 『ケトン食ががんを消す』 光文社新書
がん細胞には次のような特殊性があります。
① がん細胞は嫌気性糖産生を利用して分裂増殖する
嫌気性糖産生は、酸素を使いミトコンドリアを介する糖産生より100倍速くエネルギーを産生することができる(効率は悪い)。正常細胞より3~8倍ブドウ糖を消費する。
② がん細胞が分裂増殖していく時に必要な原料を作り出す
ブドウ糖を代謝する過程で生じる様々な分子を材料にがん細胞をつくる。
③ 次世代の細胞をつくるため化学反応を調整する
がん細胞は塩分を取り込み酸を出し、酸化還元反応を調節して分裂しやすい環境をつくる。
すなわち、がん細胞には、多量のブドウ糖を消費・代謝し、周辺環境を酸性化する性質があります。
したがって、がんに対抗する治療戦略としては、
① がん細胞に活動のための兵糧をなるべく与えない
日々の食事で必要量以上のブドウ糖を摂らない。正常細胞は脂肪を分解してできるケトン体をエネルギーにできる(がん細胞は原則できない)。
② がん細胞周辺の微細環境を酸性からアルカリ性に変える
塩分を控える。
③ がん細胞の成長促進のための環境や物質を与えない。
糖質を制限する(ケトン食の活用)。乳製品を摂らない。
④ がん発症の根本原因とされる慢性炎症を鎮める。
肥満の解消。NF-kBを抑えるハーブ類に含まれるパルテノライドを摂る。
⑤ 次世代の細胞をつくるための脂肪酸を合成させない。
ω-6脂肪酸はがん細胞の分裂および慢性炎症を促進する。脂肪酸合成酵素を阻害する(トリテルペノイド)を摂る。
⑥ 免疫力を高めて「がん」の発症や成長を抑制する。
丸山ワクチン(丸山ワクチンの濃度を高めたアンサー20)、キノコ類(βDグルカン)、海藻(フコイダン)等。ビタミンA・C・D・E、亜鉛
具体的な食事術を箇条書きにしてみます。
大原則:植物性の食材を中心に、未精製、未加工のものを丸ごと食べる
基本ルール
・炭水化物は未精製のものを少々 玄米、全粒粉パンなど
・塩分の摂取を控えめに 重曹の服用
・たんぱく質は、植物性のものや青魚から 卵はOK
・野菜、果物、キノコ類をたっぷり 野菜400g以上/日
・脂質はω-9系(オリーブ油)、ω-3系(魚油、亜麻仁油、えごま油)、
中鎖脂肪酸(MCTオイル)を摂取 人工油の摂取はご法度
・乳製品を摂らない
・ハーブの活用 ウメテルペン(梅エキス)夏白菊(フィーバーフュー茶)
これらがうまく出来ているかの評価する検査値目標として、
・尿PHを7.5~8以上に維持する
野菜、果物はよい(肉、魚、乳製品、穀類は酸性)
塩分は極力控える(カリウムをとる 尿中排泄量がナトリウムの11倍以上に
なるとよい)
・CRPを0.05以下に維持する
・好中球/リンパ球比を1.5以下に維持する
白血球を5000以上、リンパ球2000程度
・腫瘍マーカーを注意深く監視する
・血糖値(HbA1cを5.8以下)、アルブミン値(4.0以上)
古川先生は、個々の病態に応じて糖質制限を強化する、ケトン体+EPA+蛋白質中心の免疫栄養ケトン食を提唱しています。さらに効果を高めるため、プチ断食+高強度運動(ミトコンドリアの強化)。基礎体温を上げる(がん細胞は低温を好む、足湯が有効)。抗がん剤の副作用軽減(水素水、高濃度ビタミンC点滴)。睡眠の質を上げる。などの併用を勧めています。
上記の食事療法を実践し、検査値で評価して、体をがんの棲み難い環境にすることができれば、たとえすべてのがん細胞が死滅しなくても増殖を止めることができ、かんと共存することができます(寛解)。
また、この食事法は、がんの予防にも効果がありますし、肥満気味で生活習慣病が気になる方にもおすすめです。実行可能なところだけでも参考にされたらいかがでしょうか。
参考文献:ケリー・ターナー『がんが自然に治る生き方』プレジデント社
和田洋巳 『がんを生き抜く最強ごはん』 毎日新聞出版
古川健司 『ケトン食ががんを消す』 光文社新書
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