巷では、ダイエット目的で、いろんなカロリーゼロ飲料が売られています。カロリーゼロならと安心して飲まれている方もおられるかもしれませんが、これにも大きな落とし穴があります。 まず、カロリーが本当にゼロではない可能性があります。100gあたり5キロカロリー以内なら「カロリーゼロ」「ノンカロリー」「カロリーフリー」などと表示できるからです。
次に、糖の替わりにサッカリン、アスパルテーム、スクラロースなどの人工甘味料が使われていますが、これらは砂糖より数百倍の甘味があります。これらを摂取し続けると、逆に食欲が増進して太りやすくなることがわかってきました。この理由として、①肥満ホルモンといわれるインスリンやインスリン分泌を促すインクレチンを増やす、②甘みに対する味覚が鈍くなり、自然の甘さでは物足りなくなり、食べ過ぎたり砂糖を追加したりする、③食欲増進作用のあるグレリンを胃などの消化管から分泌させる、④薬物依存症と同じように脳の神経伝達物質に影響して甘み依存症をきたす、などが考えられています。
さらに、これらのカロリーゼロ飲料を愛飲する人は、ジャンクフードと呼ばれる高カロリー高脂肪の食事を好む傾向があり、食生活が偏っているため糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病になりやすいという実態もあるようです。
では、コーラなど炭酸飲料に入っている異性化糖(別名 果糖ブドウ糖液糖)と呼ばれる天然甘味料は大丈夫でしょうか?
果糖は、ブドウ糖と代謝経路が違い直接血糖を上げることはありません(無論、カロリーはありますし中性脂肪が上がります)。したがって、ブドウ糖を摂取した場合は満腹感が得られても、果糖の摂取では満腹感が得られず食べ過ぎる可能性があります。また果物から果糖を摂取する場合は、食物繊維やビタミンなども同時に摂取できるため適量摂取はメリットもあるのですが、異性化糖入り飲料水から摂取する場合は、カロリーオーバーに注意する必要があります。
あの手この手で魅力的(あるいは健康に良さそう)に宣伝された飲料水の「甘い罠」には、皆様くれぐれもご注意くださいね。