春のそよ風夏の雨

嬉しいひととき。好きなこといろいろ書いています。

ホリー・ジャクソン「自由研究には向かない殺人」

2025年03月21日 | 
ホリー・ジャクソン「自由研究には向かない殺人」

シリーズ一作目。
(ですが、前日譚の「受験生は謎解きに向かない」からストーリーは続いています。)

5年前、17歳の女子高生アンディが行方不明になり、同い年の恋人サルが自殺した。
警察はサルがアンディを殺した後に、自殺したと決めつけた。

女子高生のピップは、生前のサルを知っており、彼が犯人なんて信じられずにいた。
自由研究で得られる資格の課題として、この事件とメディアの在り方を取り上げて、
サルの無実、再捜査への手がかりを示そうと決意する。

ピップはかなりパソコンやデジタル機器に詳しい印象で、そういう知識を活かして
事件を追っていく。

読んでいると、ドラマのヴェロニカ・マーズを思い出しました。
少し重なるところもあります。

ピップと家族との関係や、相棒との関係が素敵なので明るさもあるのですが、
事件としては、いろんな意味で重たい話でした。
被害者と加害者の境界線も曖昧とも言えるのかも。

あやしい人がまだまだいますし、これだけでは終わらないという作品ですね。
シリーズ残り2冊も読みたいなと思っています。
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青柳碧人「霊視刑事夕雨子2 雨空の鎮魂歌」

2025年03月19日 | 
青柳碧人「霊視刑事夕雨子2 雨空の鎮魂歌」

シリーズ二冊目です。
幽霊が見える刑事が主人公。相棒は、幽霊が見えるのだから殺された人に
犯人を聞きなさいというような上司。

そんな二人を中心とした作品で、4つの事件が載っています。
刑事物なのだけど、最後には関わった幽霊にも変化が起きたりして、
弔いの要素もあるように思いました。
そういうところが良かったな。

ところで、この作品の最後は「続く」って書いてあるのですが、
2020年に1巻、2021年に2巻が出ているのに、3巻は出てないようで・・・。
続くって書いてあるじゃない〜と思いました。
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東畑開人「心はどこへ消えた?」

2025年03月18日 | 
東畑開人「心はどこへ消えた?」

文庫新刊コーナーでちょっと気になった本。
調べてみたら結構評価も良いみたいだしと読んでみました。

2020年から2021年の春夏秋冬春に書かれた雑誌連載のエッセイです。
正直、もっといろいろな患者と向き合ったエピソードが描かれているのかなと
思っていたので、期待とはちょっと違ったなと思ったのですが、
数ヶ所印象に残ったところがありました。

「居るのはつらいよ」「野の医者は笑う」という本の方が良かったと書かれて
いるレビューが数本あったので、この辺の本を読んでみようかな。
コロナ禍でのエッセイとはまた違うかもしれないから。
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寺地はるな「ほたるいしマジカルランド」

2025年03月18日 | 
寺地はるな「ほたるいしマジカルランド」

寺地はるなさんの本を探しているときに、Amazonの内容案内を見て
面白そうだなと思っていたら、ある作品の中に「ほたるいしマジカルランド」が
出てきて、これは、やっぱり読もうと思いました。

遊園地に勤める人々を描いた連作短編集という感じで、
ある一週間における6人が描かれています。
一人一人の過去も描かれていて、それぞれの大事にしているものや、
叶わなかった夢などが見えてきます。

ひらかたパークがモデルみたいですね。
二階建てのメリーゴーラウンドってこれか

中に出てくる本があるのですが、あれ?これは多分・・・と挿絵を思い浮かべて
いたら、やっぱりそうでした。
せっかくなので、読み直してみようかな。

辛い思いもありましたが、全体的に楽しめました。
紗英さんと佑くんのキャラが特に好きだったな。
今まで読んだ寺地はるなさんの作品の中で一番好きかも。
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上田健次「銀座「四宝堂」文房具店 (2)」

2025年03月18日 | 
上田健次「銀座「四宝堂」文房具店 (2)」

シリーズ2巻目。
1巻目はすごく泣かせてやろう感があるなぁ・・・と思っていたのですが、
そういうところはちょっと控えめになったかな。

でも、一話目は正直なんだ・・・って思ってしまいました。

中では二話目が好きかな。
こういう風に共同作業できたら素敵だし、いろんな文具について確かに
そうだなと思うところもありました。
五話目も素敵なおじいちゃんが二人という感じで素敵でした。
硯さんの過去も興味深かったかな。

話によって好みが分かれるけれど、著者が感動するでしょって感じで書いている
作品ほどちょっと合わないなと思うのかも。
ちょっと控えめだったり、淡々とした中に、いいなと思える部分がある方が好き。
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ホリー・ジャクソン「受験生は謎解きに向かない」

2025年03月17日 | 
ホリー・ジャクソン「受験生は謎解きに向かない」

「自由研究には向かない殺人」ってシリーズみたいだけど、なんか気になるなと
思っていたのですよね。

調べたら、メインは三部作で四冊目は前日譚という事だったので、
前日端から読んで見ることにしました。

高校生のピップたちは、友達のマーダー・ゲームの招待状を受け取った。
舞台は1924年、孤島に建つ大富豪の館で殺人が起こったという設定で、
6人の参加者が登場人物に扮して、犯人を当てるというゲーム。

自由研究の課題を極めようと思っていたピップは気乗りがしなかったのだが、
だんだんハマって誰よりも熱心に犯人を探していく。

短い作品というのもあって、さらっと読むことができました。
なかなか面白かったです。

登場人物たちの性格も結構分かったので、三部作の一作目に入りやすくなった
ような気がします。最後は「自由研究」につながっていきますしね。
四作目ではありますが、イントロとして最初に読むのにもいい作品だと思いました。
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佐野洋子「コッコロから」

2025年03月17日 | 
佐野洋子「コッコロから」

本を読んでいたら、なんだか佐野洋子さんがよく出てくるような・・・
と思って、少し読んでみようかなとブックオフで数冊購入。

1冊目は、亜子ちゃんという女の子が主人公のお話。

こけしみたいな顔立ちで、美人ではないのだけど、みんなの心が和むような
誰もがかわいいなと思うような女の子です。

男性の友達はいるけれど、恋人がいた事はない。
ところが、ある日ものすごい美男子に頼まれて・・・。

亜子ちゃんは、いい意味で愛されて育ったんだろうなぁという自信のようなもの
があるように感じるのですよね。
恋人がいなくても、美人じゃなくてもそれで卑屈になるようなところはなくて。

と感じてしまうのは、ここに出てくる他の女たちがしたたかだったり、わがままだったり
男を利用しようと思ったり、恋人がいないのは耐えられないみたいなタイプの子だからかも。

亜子ちゃんは、清々しくって、心が健康って感じがする。
そこが魅力的なんだなぁ。絶対に楽しい人生を送りそうなタイプ。

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森見登美彦「新釈 走れメロス 他四篇」

2025年03月16日 | 
森見登美彦「新釈 走れメロス 他四篇」

「山月記」
「藪の中」
「走れメロス」
「桜の森の満開の下」
「百物語」

を元に、京大生(とその卒業生)たちの物語にして作品。

元のお話では、森鴎外の「百物語」は知らなかったのですが、青空文庫にありました。
短いお話なんですね。

知っている話では、元の話に似ていると思う作品もあれば、
かなり変化しているものもあるのだけど、
すっかり森見ワールドになっていて面白かったです。
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吉田篤弘「つむじ風食堂の夜」

2025年03月15日 | 
吉田篤弘「つむじ風食堂の夜」

吉田篤弘さんの本は、どこか異国っぽさと懐かしさを感じる作品が多くて、
心地いい空気だなと思います。

雨降りの研究家が主人公になるのかな。
近くはないのだけど、遠くもない人間関係の距離感がいいなと思います。
夜の空気の中、オレンジを買って食べたくなるな。

ストーリーはあるのだけど、ストーリーよりも
澄んだ夜の空気に包まれるような、つむじ風が吹いてくるような、
そんな心地を味わうための本かなと思います。
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藤山素心「はい、総務部クリニック課です。」

2025年03月13日 | 
藤山素心「はい、総務部クリニック課です。」

なんとなく、会社の診療所が舞台で、ちょっとしたことから心的な症状を見つける
お医者さんがいる心療内科的な内容が多めの作品かなと予想していました。

かなり違って、かなりぶっ飛んだ感じの設定の本でした。
(でも、心療内科的と言えなくもない話も出てきました。)

診療所ではなく、社長直々の提案から始まった総務部のクリニック課が舞台だし、
医師と薬剤師もかなりキャラが濃いし・・・。
前半はトイレに行きたいばかりだし・・・ちょっとはずれたかもと思いながら読んで
いたのですが、そうそう、ケガをした時に同じように思ったことがあるとか、
あぁ、こういう説明は分かりやすいなと思ったりという感じで進んでいくうちに
面白くなってきました。
(ちょっと癖はありますが・・・。)

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