どこまでだって歩いていけるさ

2012年1月22日 それまでの日記を引き連れてOCN Cafeから移住。
新しい扉の向こうには何があるのだろうか。

こんな疲れは最高だね

2008年09月14日 | 日記
深夜の高速バスが出るターミナルの雰囲気には 独特なものがある

旅費の節約という人もあるだろうし 早朝に希望の場所に辿り着くのにはこれしか無いという人もいるだろう

東京から各地へと流れるバスのアナウンスはひっきりなしで それぞれの想いを乗せて都会をあとにする

不思議なのはキャンセル待ちをする人たちがいることなのだが 無かったらどうするのだろうか

他人事ながら心配になる


どういうわけか このバスは眠れない

ごく普通の電車でもバスでも眠ってしまう私なのに 

このバスはリクライニングでけっこうゆったりなのだが(特に小柄な私には) それでも何度も目を覚ます

半分凍らせたビールとブルーチーズを持って出たのだが 今回も熟睡とは無縁だった


何度目だろうか 目を覚ました時に雨が窓にあたるような音が聞こえた

3列中央の私の席からは 外を覗く事ができない

雨になるから傘を持っていきなさい そう言ってくれた人がいたが どうやら雨模様らしい


福井のバスターミナルに着いた時 姉から携帯に電話が入った

傘持ってる?

うん!雨になるから傘を持っていきなさいって言ってくれた人がいてね だから大丈夫!

此処から姉の住む大野までは バスでも電車でも1時間

迎えに行ってあげるという姉の申し出は いつもお断りしている

負担もかけたくないし 心配でもあるからだ

それに 市内散策もしたかった


義兄が生きていた時 姉一家が上京して東京を楽しむことはあったが こちらから出向くことは無かった

もしも義兄が健在であったなら 私は此処をいつ訪れようと思っただろうか そうしただろうか

賢者の贈り物ではないが これもまた暖かく切ない贈り物である


傘をさしながらの徘徊も愉しかった

福井城址も見たかったものの一つ

明治以降 城が取り壊しになったとはいえ 此処のようにそこに県庁をぶっ建てた というのは少ない

普通は 公園やら博物館やら郷土資料館やら そんなものだ

堀はまずまず

竣工昭和6年の教会も見た

雨でなければもっと歩くつもりだったのだが まっ 朝食を兼ねてイッパイだ


越前大野までのバスの中 ゴウゴウと眠った

その間に雨は上がり 夏になった

姉が車で駅まで迎えに来てくれた

おっ イイ音かかってるじゃん

そう言ったら これ ○チャン(私)がくれたじゃないと^^


一周忌ともなるとゴクゴク身内にしか伝えていないものだが 義兄の一番の友達からお花が届いていた

互いに東京の大学に進み 同じ寮で青春を過ごした友人


浄土宗のお経は 我が家の日蓮宗のそれとは違い なんだか長閑というか 音楽になっている

宗派の違い それの生まれた時代背景をも考えると それもまた面白いものだ

ほら 法然さんの像もあるでしょ なんて甥に言いながら寺を見たら 足長バチの巣も見つけた

都会人はこういうものに目ざといのだ(怖いから^^)

お寺の人は あららら なんて


午後からの式だったのだが 姉はお返しにあれこれ配るというので同行する

本家の人に ゆっくり寄っていってと言われたが 今夜のバスで帰るからと

私には私の生活がある

姉の此処での生活が大事で愉しいものであれば 何もいう事は無い


六呂師は姉の家から一番近いスキー場である

その近くの温泉に行った

格別姉との話はない

姉からは 今通っている学校の生徒の話など聞き 私は旅の話や会社のことなど


夕刻 食事(というかイッパイだ)を

車では飲めないのでタクシーを頼む

姉と飲むのも久しぶりだ

下戸だった義兄の血を受け継がなかった甥はこの10月で成人だが けっこうイケる口

父が生きていたら喜んだだろうな と思う


バスか電車か どちらかで福井へとと駅まで歩いたら 丁度電車の出発時刻で姉との挨拶もそこそこ 慌てて飛び乗った

電車の中でもゴーゴー寝た


20時を過ぎたばかりの駅前はすでに真っ暗で 地方都市とはこんなものかと

程なく姉から電話

ありがと 明日は電話しないけれど 気をつけて帰ってと

言葉の数じゃない

年月の重さと信頼と誠実さ


帰りのバスもやはり眠れなかった

時間調整なのか 何度かサービスエリアだかに停車したようだったが 私は降りなかった

帰宅して昼近くまで眠ったあと いつもの家事

ちょっと疲れたが 実に心地よい疲れ

こんな疲れは 最高だね
コメント
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