MID NIGHT-XXX

~眠れない夜のために~

ぴあ ~2004年氷室京介インタビュー【後編】

2011-05-01 00:00:00 | Weblog






■このインタビュー記事の内容は、2004年に開催された東京ドームライブ、
  『21st Century Boowys VS HIMURO』前に収録された過去のインタビューです。




━━ そうやって聴いている時ってセンチメンタルになったりすることはあるんですか?

「BOφWYに関してですか?これに関しては絶対にセンチメンタルになることはないと思います。
このあいだ(昨年の代々木公演で)図らずもセンチメンタルな気持ちに浸ってしまったのは、
自分で結構頑張ってきたなって、自分のことを認めてしまったんですよ。あの瞬間に。
そうしたらグワッときてしまって。これってかなりヤバイのかもかもしれないですけど(笑)」

━━ 客席の方がセンチメンタルになるのかなと思いますけど(笑)。

「そうかな?でも客席がセンチメンタルになったら俺も引っ張られちゃうかもしれませんけど。
ただ、緊張しているから。極端に緊張している時って、人間ってそこには行かないですもんね。
俺がこのあいだの代々木のことを恥ずかしいと思うのは、緩んでたのかなということですよね。」

━━ アレンジとかも今の時代に向けて変わったりするんですか?

「アレンジ自体はほぼ一緒ですけど、
パフォーマンスは多分変わってると思うんで違って聴こえるはずなんですよね。
これは負け惜しみではなく、当時のビートはあのバンドでなきゃ絶対出せないんでね。
今回は違うメンバーになるわけですよね。
違ったアプローチで違った響き方もしなければいけないしその自信もありますからね。
"あんなに良い曲だったんだね、あの曲"というようにはなると思いますよ」

━━ それにしてもこの日、1日だけ、というのがすごい。
   ファンクラブの雑誌ではファンに対してのプレゼントという言い方をしてましたけど。


「ファンだけじゃなくて自分の中での、というのもありますよね。確認したいという。
これをやることで自分で何が分かるのかを確認したいという。
タイトルでも、英語で"旧きを訊ねて新しきを知る"という──温故知新、
という言葉をつけてみたりというのも、
そこから何か得られることがあるんじゃないかということがあるからですよね」

━━ なにか得られるでしょう。

「なにが得られるんでしょうね。それはやってみないと分からないですけどね。
多分、得たいと思っているのは、
自分が15年間やってきたことが間違ってなかったというその証しというか、
確認が取りたいんでしょうね。でも、答えはもう出ていると言えば出ているんですよ。
5分でチケット売り切れたということがそれですよね。
面白いと思わなかったら誰も来ないわけですから。
ただ、チケットだけ売っておいて中身がグチャグチャだというのはプロじゃないんで、
あとはきっちり落とし前をつければ良いだけの話で」

━━ でも、21世紀の少年達──BOφWYを知らなかった子供達が、
   何を感じるんだろうと思いますよ。


「そういう連中がどのくらいチケットを買ってるんだろうとは思いますけど。
それも興味津々なんですよ。
勝手にいろんなことを感じてくれればいいと思いますけど、これは全然自信ありますね」

━━ とは言っても、始まった瞬間、男の客が号泣したらどうします?

「どうなんでしょう。そんなことありますかね。自分ではそれは想像できないんですけど。
みんな大盛り上がりじゃないんですか。
どっちかと言うとお祭り騒ぎで終わるような気もしますけど。
でも、まあ、俺は、そこまでBOφWYに入れ込んでないということなのかもしれないですね。
みんなの方が入れ込んでいるかもしれませんもんね」

━━ そのあとに組まれている秋のツアーというのはどういう内容になりそうなんですか?

「このあいだの『FOLLOW THE WIND』(2003年8月発表のアルバム)
の中からの曲がもう少し増えるのと、
このところ、(ライブの)後半に持っていってた曲をもう少し排除していくことになると思いますね。
少しニュアンスの違うコンサートになるかもしれない。ミディアム系が多くなるかもしれないですね」

━━ 中には(8月の)ドームのコンサートを持っていくと思っている人もいるかもしれないですよね。

「何曲かはやるかもしれないです。
ただ、ドームでやるこの8割方BOφWYというコンサートを全国的に持ち回るつもりはないんで。
それは仁義としてやっちゃいけないと思うんで──と思いますじゃなくて、やらないですね。
1日だけのお祭りはシャレとして許されても、それを全国でというと、
自分が悲しい気持ちになっちゃうんで。自分の15年間を否定するつもりはないんで」

━━ 秋のツアーは本数も多い。

「ですね。去年と同じぐらいか、少し多いくらいかな。
3年後に今と同じだけできるかという確証はないんで、
毎年デリバーしていきたいなというのはありますよね。
やっぱりキープしていくのは大変ですよ。いまやっておきたい。
一旦身体を休めるとそのあと、どうなるかは分からないというのがありますからね」

━━ なにはともあれ、まずはドームでということですね。

「そう。でも、みんなが思っているBOφWYをやるというコンサートというのは、結構シリアスなんですね。
周りの人が捉えているイメージと俺の中のBOφWYにギャップがあるのかもしれませんね。
俺の中ではそんなにシリアスなバンドじゃなかったと思うんで。
解散したあとに尾ひれがついてそうなっているという部分はあるんでしょうけど、
俺にとっては15年間で蓄積されたものがいまだとすれば、やっとできるとこにきたというか。
だからってずっとやっていくわけじゃないですけどね。
冗談で、"ああ、やってやるよ"って笑いながら言えるところまでやってきたという感じなんですよ」

━━ 余裕ですか。

「余裕だと思いますね。楽しもうと思ってますよ。仕事だと思うんだったら2日やりますよね(笑)。
汚れた気持ちじゃないということだけは自信持って言えるんで。
それだけ分かってもらって来てくれればと思いますね」




■2004年『ぴあ』氷室京介インタビュー END


■インタビュー【前編】はこちら

■表紙画像


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