みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

自由を維持するために 不断の政権監視を/色川大吉(中日新聞)

2007-07-29 07:00:01 | 選挙関連
今朝は、昨日からの「議員と市民の勉強会」で名古屋に来ています。

いよいよ7時から参議院選挙の投票が始まります。

投票日にはぜひ、色川大吉さんの文章を紹介したいと思っていました。
6月28日付中日新聞の夕刊に載っていたものです。
「これから世界も日本も変わるだろう。
いま、私たちの未来に希望がないように見えてもかならず変わる。」
ということばに、勇気づけられます。

わたしは、若いころ読んだ、『日本の歴史』(中央公論社)で
色川さんを知ってからのファンで、サイン本も3冊持っています。

webにはアップされてなかったのですが、
友人のさちさんが全文をタイプされてたので、転載させてもらいました。

さちの夢空間

ぜひお読みになって、政治を変えるための一票を投じてください。

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《自由を維持するために  不断の政権監視を》
                       色川大吉
 
 二十一世紀になって、もう七年になるが、この国は国民にとっては、さっぱりカラリと晴れない。九百兆近い国の赤字を積み重ねて、ようやく経済は上向いたが、その果実は大企業関係者や、すばしっこい連中のふところにはいっただけではないか。
 大多数の国民は小泉純一郎時代にもたらされた格差社会のなかで、将来の生活への不安をいっこうに解消されないでいる。
 小泉改革というのは結局、庶民には幻想だったのか。はげしいリストラのあと、不正規雇用におとされた勤労者は低賃金で命をかけてはたらき、経済発展を支えたが、生活は良くならなかった。でも「小泉さんなら何とかしてくれる」という幻想にひきまわされ、郵政選挙で自民を勝たせすぎたために、いっそうひどいことになった。かれはブッシュのイラク戦争支援に深入りし、自衛隊を派遣し、莫大な国費をつぎ込んだ上に、戦時体制づくりといえる国内法(国民保護法とはよくも言ったものだ)を次々と通過させた。日本にたいするテロの脅威と北朝鮮の攻撃がさしせまっていると国民の不安をかきたて、日米同盟強化を至上課題とした。
 そのため湯水のように国費をみつぎ、米軍再編用という法外な三兆円の経費まで約束した。
 それは日本の安全のためだけではない。米国の核抑止力を後ろ盾にして、台頭する中国などに対抗する構えを示した。その上彼は韓国、中国がいやがる靖国参拝をくりかえして、公私混同、国益を損じ東アジアで日本を孤立させた。それだけの金があるなら数百万人の最低生活者や三万人余の自殺者を防ぐ救援の費用につかうこともできたかもしれない。
 小泉氏のあとを継いだ安倍首相は拉致問題で人気をえたタカ派の政治家といわれる。それだけに北朝鮮にたいしては強硬一本槍で、日朝二国間外交を事実上不可能にしてしまった。アメリカでさえ六カ国協議打開のために妥協、譲歩しているのに、日本だけが突っ張っている。そして緊張を高め国民感情を右寄りにし、集団的自衛権や国軍をもつべきだというかれの持論に同調させようとした。安倍首相は戦後レジーム、つまり戦後民主主義、平和主義体制から脱却して、新体制を作ろうというのである。その内容は教育基本法の改正、防衛省の設置、改憲のための国民投票法の可決、三年後に新憲法をめざすなどの広言にあらわれている。
 そのほかの福祉、年金、少子化対策、環境その他の政策は、公明党の顔をたてた選挙対策用の人気取り提案?で、かれらの本質をかくす煙幕にすぎない。こんな大変革が小泉郵政選挙のめくらましの結果、合法的にできるようになったのだから、国民はとりかえしのつかない失敗をしてしまったものだ。

 わたしが五十年ほど近代の歴史を研究してきて、つくづく思うのは、政治とはほとんど、いかに国民をたくみに、気づかれないようにだますか、ということで、政策とはその方便だということだった。権力は本質的に悪なるものだから、主権者である国民は権力者に首輪をつけ、つねに手綱をひきしめておかなくてはならない。近代憲法はそのために創られたのであって、権力の行使者にタガをはめ、制限を加えるもの。その逆では断じてない。それなのに国民はテレビ仕立てのタレント政治家にしてやられた。ホゾをかむ思いとはこのことだ。
 こうしたときに日本の若者の多数が、政治に背を向け、競争社会で偉くなることを望まず、ゆっくり私的生活を楽しみ、趣味に生きたいと望んでいる(それ自体は健全だ)そうだが、そうした自由は他人まかせでは維持できないものだ。私の経験でも、国が決めた戦時体制化の動員令一つで家庭の幸福など粉砕されてしまう。自由とは日常不断の監視と努力によってしか維持できない。
 これから世界も日本も変わるだろう。いま、私たちの未来に希望がないように見えてもかならず変わる。ブッシュの米政権はすでに死に体である。小泉氏らの盟友は米国民から引導を渡されている。日本はこれで戦争にまきこまれる危険が減るだろうから、それだけでもわたしたちは楽になる。自民公明の現政権もこんどの選挙で交替を迫られるだろう。年金問題でかれらは国民の不信と怒りを買っている。これは国民生活の不安の根源にふれた問題だから、ごまかしではすまない。
(いろかわ・だいきち=歴史家)
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色川大吉さんの著書

色川大吉の祈り

ところで、

昨日今日は、「む・しネット」主催の
第2回「議員と市民の勉強会」「決算審査を使いこなす~予算へつなぐ」。

みなさん、脳に栄養を補給するおやつ持参の長丁場。


内容の詳細と、スケジュールをお知らせします。
参考にしてください。

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テーマ 「決算審査を使いこなす~予算へつなぐ」 
日時:7月28日(土)13~20時  
7月29日(日)9~14時「オプション講座」
会場:ウイルあいち(名古屋市)    
講師・寺町みどり&ともまさ 

【セッションの内容およびタイムテーブル】
7月28日(土)
開会 13:00~13:15
自己紹介及びスケジュール説明
テーマ「議員になって(改選されて)3ヶ月」

13:15~15:45(150分) 
【セッション1】「決算審査を使いこなして予算(政策)に反映させよう」
《総論》 みどり 《各論》  ともまさ
★『予算の見方・つくり方』と『議員必携』を使います。

「決算審査を使いこなして予算(政策)に反映させよう」
(1)決算とは何か
  ・自治体財務・予算のしくみと流れ
・自治体財政の流れの理解と、議員活動を活かす時機
  ・「決算議会」の流れ
・決算審査の重要性~予算審議との相違点と共通点
(2)決算審査の着眼点
(3)決算審査は政策評価~決算全体の問い直し
(4)決算審査は自治体によってばらつきがある
  ・各議会の習慣(議会手続き)を理解し報告する。
  ・他の議会のやり方を知る
(5)決算審査の実際~全員か委員会制か?
  ・決算委員になれない議員はどうするか
  ・そこで、あなたはどうするか?(短期的に、長期的に)
(6)・客観的評価からの質疑・展開
  ・外部監査制度~導入させるかどうか?
(7)決算審査は「討論」で締めくくる
  ・挽回する、主張する、整理する。
  ・賛成討論するか反対討論するか。
(8)決算審査にこう取り組む  ・決算審査でやりたいこと。

16:00~17:15(60+15=75分)
【セッション2】「議会改革で政策実現を」
16:00~17:00
 ・議会運営の基本と原則
 ・議会運営の問題点-議会の内と外の区別を明確にしよう
 ・申し合わせの現状と見直し/おかしい、変えたいと思うところ~改善する方法
・ 改革の手法と基本~法律、規則、ルールを使いこなそう。
★『市民派政治を実現するための本』第4部「議会改革をすすめよう」
17:00~17:15
・6月議会の一般質問を経験して
 テーマ「6月議会一般質問の反省と課題」

17:30~19:45(140分)
【セッション3】「9月議会の一般質問で望む答えを獲得しよう」
17:30~18:00
・一般質問の組み立て方~問題解決の手法
★ 『市民派議員になるための本』を使います。

18:00~19:45 
ワークショップ
・ 9月議会でやってみたい一般質問
課題の「(1) テーマ・課題(2)動機 (3) 獲得目標(4)現状(5)論点⇒どう解決するか」と「質問項目」を説明(一人3分)、講師が立論および質問の手法と「議場」で何を得るかの極意をコメントとアドバイス(5分)。

19:45~20:00 
まとめ 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《オプション講座》7月29日(日)9時~14時

1)あなたが「議会で抱えている問題」の解決方法についてアドバイスおよびディスカッションします。
レジメをレジメ(確定したもの)を各10部ずつコピーして持参。
2)9月議会で審査される「決算書」(予算書)の読み方と着眼点をディスカッションする。
  (希望者には、個別のアドバイスもあり) 

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★当日の持ち物★(文献などは必需。必ず各自、事前に入手してお持ちください)
(A)【課題2】の「一般質問」レジメ(確定したもの)を各20部ずつコピーして持参。 
(B)あなたのまちの「決算カード」と「決算審査調査表」。
(C)あなたのまちの前年度決算書と新年度予算書→前年度決算書に目を通してくる。。
(D)『市民派議員になるための本』(学陽書房)
(E)『市民派政治を実現するための本』(コモンズ)→第4部「議会改革」を読んでくる。
(F)『予算の見方・つくり方』(学陽書房)
(G)『地方自治小六法』程度の辞書
(H)『議員必携』(学陽書房)
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夕食は、「ウィルあいち」の宿泊棟に移動して、
名古屋名物のえびの天むす弁当と、

デザートは、ともちゃん謹製のミニトマト。

参加者と、たのしくおしゃべりして、12時ころ就寝。
今朝は早おきして、参加者の課題のレジメを読みました。
9時から、後半の「オプション講座」です。

帰ったら、投票に行きます。

(追伸)
オプション講座が終わった後に、ウィルあいちの地下で
ケーキセットで、お茶しました。
  

  

「ウィルあいち」は、お役所仕事の典型で、不評な施設だったのですが、
昨年から、指定管理者になって、ずいぶん利用者に親切になりました。
地下のレストランにも、久しぶりに来たのですが、
ケーキもおいしいし、食事のメニュー(名古屋メシ?)も豊富です。


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最後まで読んでくださってありがとう
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 明日もまた見に来てね
 
コメント (2)
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