みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

有能な新人議員を事業仕分けチームから排除/民主党に「与党独裁」の危うさ

2009-11-16 07:56:59 | 市民運動/市民自治/政治
民主党に政権が交代してからの、毎日新聞の記事がとてもよい。

P-WANセレクトニュースにアップしてから、
ブログでも紹介したいと「下書き」に入れておくのだけれど、
いかんせんリンクの期間が短くて、気がつくとリンクが切れている。

9月末からシリーズで連載していた「境界を生きる-性分化疾患」がとてもよかったので、
紹介したいと思っていたら、あっという間にリンクが切れてちょっとショック・・・・。
と思っていたら、今朝の「メディア時評」に、ブロガーの藤代裕之さんがそのことを指摘したら

「境界を生きる-性分化疾患」のリンクが復活して、当面、webに載せてくれるらしい。
ということで、この話題は、近く紹介します。

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政治に関しては、「事業仕分け」などの短期のニュースに関心が集中がちだけれど、
前月からの流れをちょっとひいて追ってみると、政権交代して党内で方針が決まらず、
ばたばたと権力抗争をしている(ような)「民主党」の危うさも見えてくる。

こちらもリンクが切れないうちに、残っている記事で、この間の動きを紹介します。

 事業仕分けチームに党がクレーム 鳩山内閣に「与党独裁」の危うさ(1/2ページ)
 ◇古賀攻(こが・こう=毎日新聞政治部編集委員)
2009年11月9日 毎日新聞

 議院内閣制における与党とは何か。「政策決定の政府・与党一元化」を掲げる鳩山政権の本格稼働に伴って、その再定義を必要とする場面が増えてきたように思われる。
 最近注目された事例の1つは、政府の行政刷新会議が設けた「事業仕分け」ワーキンググループ(WG)をめぐる混乱である。
 概算要求段階で95兆円、金額を明示しない「事項要求」を含めると100兆円近くに膨らんだ2010年度予算の総額を、大幅に圧縮するのがWGの使命だ。仙谷由人行政刷新担当相はWGの統括に民主党の枝野幸男元政調会長を任命し、10月21日に枝野氏を含む32人の国会議員メンバーが3班に分かれて無駄のあぶり出しに取り組むことが決まった。
 国の予算に盛り込まれる事業数は約3000に上ると言われる。WGの議員メンバーは今後、民間人メンバーとともに約240の事業をサンプリングし、民間に任せるべき事業や、緊急性が乏しい事業などを個別に判定していく予定だった。

 ◇小沢「待った」の真意
 鳩山政権発足以来、無役の不遇をかこっていた枝野氏は意欲満々だった。10月21日夜の会合では、長州藩の混成部隊を自らに重ね合わせて「我々は奇兵隊だ」と檄を飛ばした。翌22日には鳩山由紀夫首相も「1人ひとりが『必殺仕分け人』との思いで頑張っていただきたい」と期待を語っている。
 ところが、WGは作業開始早々に暗転する。10月23日午前、議員メンバーを引き連れて財務省からのヒアリングに着手した枝野氏に対し、民主党の松木謙公国対副委員長が「1年生議員をメンバーに入れるのはおかしい」とクレームをつけ、午後の活動は突然中止されたのだ。
 確かに議員メンバー32人のうち14人を初当選組の衆院議員が占めていた。まずはその14人の氏名と経歴を確認しておきたい(敬称略、数字は年齢)。

 【第1WG】石田芳弘(64、元愛知県犬山市長)、江端貴子(49、元東京大特任准教授)、大西健介(38、元参院事務局職員)、三村和也(34、元経済産業省職員)、森山浩行(38、元大阪府議)
 【第2WG】大泉博子(59、元厚生労働省職員)、岸本周平(53、元財務省職員)、玉木雄一郎(40、同)、中林美恵子(49、元米国議会職員)、山尾志桜里(35、元検事)
 【第3WG】井戸正枝(43、元兵庫県議)、後藤祐一(40、元経産省職員)、中島正純(40、元大阪府警察官)、宮崎岳志(39、元地方紙記者)

 8月の衆院選で当選した民主党の新人143人のうち、「過去官僚」と言われる元キャリア組や地方行政の経験を持つ人物を中心に選ばれたとみられる。クレームを伝えたのは松木氏だったが、小沢一郎幹事長の意向が働いたのは間違いない。
 小沢氏は10月26日の記者会見で「こんな分厚い予算書を見て、いいとか悪いとか、簡単には判断できない」と新人議員の参加に難色を示し、事業仕分けの実行にあたっては「何が必要かという大きなビジョンと、官僚をきちんと説得できる見識」が必要だと説いた。
 先に見たように14人には専門知識を持った即戦力の議員が多く含まれている。このため、「新人だからダメ」だけでは説明がつかない。党側が「待った」をかけた本当の理由は、枝野氏が党側に根回しをすることなく人選を進めたことだった。

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事業仕分けチームに党がクレーム 鳩山内閣に「与党独裁」の危うさ(2/2ページ)

 民主党は、新人議員に対して毎朝8時半に国会に集合し、国会対策委員会幹部とのミーティングに参加するよう指導している。会場の椅子には各自の名札が張られ、欠席者は一目で分かる。「小沢流スパルタ教育」と呼ばれるものだ。
 WGに指名された新人は、時間的に教育カリキュラムに参加しにくくなる。しかも、仙谷、枝野両氏は小沢氏と一線を画す人物であり、見過ごしておけば14人が小沢氏の影響下から離れてしまう。小沢氏らはそこに強い不快感を覚えたのだろう。
 結局、平野博文官房長官と仙谷氏がそれぞれ小沢氏を訪ねて「党への配慮不足」をわび、WGは丸1週間を空費して10月30日に再スタートした。32人いたメンバーはわずか7人に減り、新人14人は一掃された。

 ◇無役の与党議員は「採決要員」
 一連の顛末は何を意味しているのだろうか。
 事業仕分けは、民主党が無駄を発見できる「魔法の杖」のごとく宣伝してきた手法だ。国家予算に対する裁判官のように、WGが事業の存否を判断できるのか、また判断していいものかは疑問が残るが、論議の過程を公開し、国民に問題点を明らかにする意味は大きい。その作業に、政府の役職に就いていない与党議員が参加するのは、政府の予算編成を支える行為であるはずだ。しかも、行政刷新会議は鳩山首相が議長を務める組織である。
 ところが、小沢氏らは新人議員に政策活動よりも党の研修を優先すべきだと訓令する。これだと与党の指示は政府活動よりも上位に位置することになってしまう。鳩山内閣の閣僚たちが小沢氏に対して腫れ物に触るような接し方をしているのも、そんな印象を抱かせる要因だ。
 民主党は鳩山首相の所信表明演説に対する衆院での代表質問を見送った。小沢氏は与党質問を「政府の太鼓叩き」のようなものだと指摘し、国会論戦は「政府対野党」でやればいいという考え方を示している。また、菅直人副総理兼国家戦略担当相は「議院内閣制とは、政権党が立法権と行政権の両方を握るシステムだ」と常々語っている。政治のリアリズムは確かにそうかもしれない。憲法41条は国会を「国権の最高機関」と位置づけているが、これは3権分立のうち行政府や司法府に対する立法府の優越規定ではなく、「政治的美称」というのが定説だ。
 しかし、小沢氏や菅氏の主張を突き詰めると、与党は首相指名選挙を通じて内閣と国会を支配し、国会は与党がその政治的意思を多数で確定させるだけの場という感覚に陥りかねない。無役の与党議員たちはまさに頭数だけの「採決要員」である。
 自民党時代のような族議員の出現を防ぎ、不透明な政策決定から決別するために採用された政府・与党一元化の原則が、いつの間にか「与党独裁」にすり替えられていないか。さらに小沢氏の権勢を一層強める結果をもたらしていないか。WG騒動から、そんな危うさを感じる。
2009年11月9日 毎日新聞



追い風が続くなかで見え始めた 鳩山首相の不安定なコンダクターぶり(1/2ページ)
 ◇小菅洋人(こすげ・ひろと=毎日新聞政治部長)
2009年11月2日 毎日新聞

 民主党は予想通り静岡、神奈川の参院選補選(10月25日)を大差で制し、序盤のハードルを越えた。『毎日新聞』の世論調査でも内閣支持率は7割を超えており、政権交代を好意的に受け止める世論の「風」は止んでいない。
 鳩山由紀夫首相は補選の翌日26日の臨時国会冒頭で「戦後行政の大掃除をする」と自民党政治の全面見直しを宣言し、「取り組んでいるのは無血の平和維新だ」と高らかに所信を語った。そのうえで首相はこう付け加えている。
 「現在の日本は黒船という外圧もなければ、敗戦による焼け野原が眼前に広がっているわけでもない。そのようななかで変革を断行するのは先人の苦労に勝るとも劣らない大きな挑戦だ」
 実感だろう。公共工事の見直し1つにしても、前政権が地元住民と約束したことを反古にする作業を丹念に行わなければならない。説得の相手はエリート官僚ではなく、多数は善意の庶民であり、社会的な弱者もいる。「マニフェスト(政権公約)に書いてあるから」では済まない。改革への意欲と同時に洗練された政治的な能力が必要になるのだ。
 実際に民主党政権に能力があるのか。なかでも偽装献金のスキャンダルを抱える鳩山首相に対して、指導力をはじめとする首相の資質全般への懐疑的な目が注がれ始めた。
 ◇「小沢帝国」の誕生
 政権発足後7週間が経過し、鳩山政権の構造は3層に分かれていることが分かる。まず旺盛な改革意欲を見せる閣僚群である。岡田克也外相、前原誠司国土交通相、長妻昭厚生労働相、仙谷由人行政刷新担当相らは「脱官僚」を主張してきた民主党そのものの人々である。
 愚直にマニフェストを守ろうとするゆえに苦しみもがく姿が国民の前に映し出され、政権交代の象徴的な立場に身を置いている。人間関係から言えば、小沢一郎幹事長とやや距離があるというのが特徴だ。
 特に前原氏は地方や官僚への根回しを排除し、「まず宣言、そして調整」というトップダウンの手法を貫いている。八ッ場ダムの建設中止を皮切りに高速道路の4車線化や国と水資源機構が進める48のダム建設の凍結、羽田空港のハブ空港化を軸にする航空行政の見直しなどを次々と打ち出した。
 地方との軋轢を生み拙速さも指摘されるが、新政権のポイントゲッターであることは間違いない。無駄排除の先頭に立つ仙谷氏が開始した公開の場での「事業仕分け」は、政治家自らが予算を査定し事業を削るという自民党政権では考えられなかった試みである。本来ならこの戦線に菅直人副総理兼国家戦略担当相が加わるはずだったが、戦略局の組織作りが遅れ、法的な根拠を与える法案は臨時国会に間に合わなかった。改革テーマの優先順位が整理されないのは、コントロールタワーになるはずだった戦略局の出遅れが大きい。
 前原氏らが政権の突撃部隊とするならば、補給部隊と言えるのは党務を担う小沢幹事長のグループだ。小沢氏の関心は参院選での単独過半数確保の1点に絞られ、党の土台作りに専念している。
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追い風が続くなかで見え始めた 鳩山首相の不安定なコンダクターぶり(2/2ページ)
 人事面でも参院の実力者、輿石東参院議員会長を幹事長職務代行に据え、国対委員長に山岡賢次氏、選対委員長に石井一氏、組織委員長に細野豪志氏など党の要職は小沢氏に近い人物を配置した。
 「小沢チルドレン」を加えた小沢氏を支持するグループは数的な優位を得て、今後の代表選では小沢氏の支持がないと代表になれないという構図ができあがった。2007年参院選、今回の衆院選、来年の参院選の3連覇となれば、「小沢帝国」が誕生すると言っても過言ではない。
 インテリ政策実行部隊と選挙・国会対策を担う党人派武闘派集団のバランスのうえに立つのが、鳩山氏とその取り巻き集団である。
 行政刷新会議の「事業仕分け」が国会議員チームの人選をめぐって、与党側との調整が付かずに中断された場面があった。仙谷氏や作業チームを統括する枝野幸男元政調会長の人選に小沢氏サイドが不快感を示し、結局、官邸が引き取り人選をやり直すことになった。党優位の力関係を示すエピソードだろう。

 ◇臨時国会最大の焦点は首相の「偽装献金問題」
 首相の偽装献金問題は、目玉法案が乏しい臨時国会では最大の焦点になる。自民党の厳しい追及に首相はどこまで答えることができるか。
 日本郵政社長への斎藤次郎元大蔵事務次官の起用は衝撃だった。それも首相が斎藤氏起用を知ったのが発表の前日であり、権力の源泉である人事権の放棄もはなはだしい。斎藤氏を「相当なつわものの方で、おもしろいなと思った」というセリフはあまりに他人ごとであり、民主党の「脱官僚」は何だったのかと思う。
 外交面での発言の不安定さも気になる。首相は「緊密で対等な日米関係」を強調し、東アジア共同体構想をぶち上げて、米国の警戒感を誘った。オバマ大統領との首脳会談では、あえて懸案には触れず両国の絆を確認したが、先の日中韓首脳会談では「日本は米国に依存し過ぎた」と語り、ASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会談では「外交政策として日米同盟を基軸と位置付けている」と米国に気を遣った。
 米国一辺倒だった冷戦対応型から脱却し、アジアにも目を向けた多極型の外交への転換は、政権交代のダイナミズムでもある。
 しかし言葉が躍っている間に、ゲーツ国防長官に現行案での米軍普天間基地移転の履行を迫られ、県外移設を主張してきた新政権のあたふたぶりが目立つ。
 強権的だと言われても小沢氏が選挙対策に突き進み、後顧の憂いなく前原氏らが政策実現に邁進する。それを鳩山首相がバランスを取りながらコントロールしていく--。政権運営の最強の体制だと思う。
 しかし、首相の権威が落ち、「ポスト鳩山」がささやかれ始めたとたんにこの3層のバランスは崩れかねない。
 鳩山首相は自らをコンダクター(指揮者)に例えるが、行政刷新会議のメンバーに入った稲盛和夫京セラ名誉会長は「私が指揮者なら、不協和音が出たら自分はこういう演奏をしたい。その弾き方はなっていないと、ビシッと文句を言う」と忠告している(『サンデー毎日』11月8日号)。首相は肝に銘じてほしい。
(2009年11月2日 毎日新聞)



動き出した政治主導の予算編成 ◇「破壊」後の「創造」力が問われる(1/3ページ)
  ◇古賀攻(こが・こう=毎日新聞政治部編集委員)
動き出した政治主導の予算編成(2/3ページ)
動き出した政治主導の予算編成(3/3ページ)
(2009年10月5日 毎日新聞)


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