5月30日の中日新聞に、裁判員裁判対象の性犯罪事件で、裁判員選任手続きの際、
「裁判員候補者に被害者名告げず」という記事を見つけました。
岐阜新聞夕刊の社会面のトップも、「性犯罪裁判 配慮へ 裁判員選任手続で各地裁」
「イニシャルで質問 関係者か個別確認」とタイトルこそ違うけれど同じ内容の記事。
きっと共同通信からの配信記事なのでしょう。
19日に、全国の52団体と賛同者848人が被害者のプライバシー保護を
最高裁に要望した影響も大きいと思います。。
これでもまだ不十分だけど、一歩前進でしょう。
裁判員候補者に被害者名告げず 性犯罪の選任手続き 中日新聞夕刊 2009.5.30 裁判員裁判を実施する各地裁は、強姦(ごうかん)致傷など性犯罪の裁判員選任手続きで、候補者に被害者の氏名は明かさず、イニシャルや年代などにとどめ裁判長が個別の質問で被害者の関係者かどうか確認する見通しであることが、最高裁への取材で分かった。 裁判員候補者に事件の情報に関する守秘義務はなく、21日の裁判員制度施行に当たり、女性支援団体などが性犯罪被害者のプライバシー保護などを要請していた。 最高裁によると、裁判員裁判では、対象事件ごとに50-100人の候補者を各地裁の裁判員選任手続きに呼び出す。 各地裁は候補者に、まず被告や被害者の名前を含めた事件の概要を説明し、被告や被害者との関係の有無を確認する。それぞれの親族や同居人などは不選任とし、友人や知人などで不公正な裁判をする恐れがあると判断した場合も候補者から外さなければならない。 この概要説明で、性犯罪被害者は「30代のSさん」などとするほか、市区町村の規模により、おおまかな住所地を伝えて、候補者に心当たりがないか尋ねる。 その後、心当たりがあると答えた人には、裁判長が一人一人実施する質問の中で、心当たりのある人の名前を聞き、被害者かどうか確認する。 殺人や傷害致死など性犯罪以外の罪名の対象事件に性暴力が含まれている場合も、被害者情報保護の必要性があれば同様の方法をとるという。裁判官は独立して職務に当たり、こうしたやり方を一律に徹底することはできないが、最高裁は「事件に応じた裁判員選任手続きの方法は協議を続けてきたので、各地裁は対応を把握している」としている。 <裁判員裁判対象の性犯罪> 最高刑が死刑の強盗強姦致死罪、無期懲役の強姦致死傷罪、強制わいせつ致死傷罪、集団強姦等致死傷罪、強盗強姦罪など。共同通信の集計では、21日の裁判員制度施行以降、少なくとも強制わいせつ致傷罪3件(熊本地検、東京地検立川支部、長崎地検)、強盗強姦罪2件(青森地検、鳥取地検)、強姦致傷罪1件(鹿児島地検)が起訴されている。 中日新聞 2009.5.30 |
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5月41日の読売新聞には、{検察審査会が大変身…「起訴相当」度目なら強制的に起訴」
の大きな記事が目に付いたので、さっそく切り抜いた。
これで山県市議会のポスター費も検察審査会でもう一度「不起訴不当」が出れば、
道は開けるかもしれない。
検察審査会が大変身…「起訴相当」2度目なら強制的に起訴 読売新聞 2009年5月31日 検察官の不起訴の判断が妥当かどうかを、国民から選ばれた審査員がチェックする検察審査会。その役割が5月21日から大きく変わり、審査会の議決が法的な拘束力を持つようになった。裁判員制度の「先輩格」ともいえる国民の司法参加制度の今後を展望する。 ◆期待◆ 改正検察審査会法が施行された5月21日、兵庫県明石市の歩道橋事故の遺族が、神戸検察審査会に3回目の審査を申し立てた。2001年7月に通行人の下敷きとなって幼児ら11人が死亡したこの事故を巡っては、警備を担当した警察署幹部の業務上過失致死傷容疑について、審査会は過去2回「起訴相当」と議決したが、神戸地検はいずれも不起訴処分としていた。「改正法は追い風」。遺族の一人は期待を込める。 検察審査会は、検察の公訴権(起訴するかしないかを決める権利)に民意を反映させるため、戦後導入された日本独自の制度だ。有権者の中からクジで選ばれた11人の審査員が、不起訴処分の是非を審査する。 「不起訴は正しくなく、起訴すべきだ」という「起訴相当」や、「もっと捜査を尽くしてから、起訴・不起訴を決めるべきだ」という「不起訴不当」の議決が出ると、検察は再捜査を行うものの、これまでは議決に強制力がなかった。最高裁によると、2008年末までに計15万3136件の審査が行われたが、議決を受けて再捜査した1万6948件のうち、最終的に起訴になったのはわずか1408件。民意が生かされているとは言い難かった。 ◆風穴◆ 今回の改正で最大のポイントは、「起訴相当」の議決が2度出ると、強制的に容疑者は起訴されるという点だ。検察が公訴権を独占してきた状況に大きな風穴が開くことになる。 1度目の「起訴相当」の議決に対し、検察官が改めて不起訴としたり、原則3か月以内に起訴しなかったりした場合、第2段階の審査に入る。法律的な助言を弁護士から受け、検察官の意見も聞いたうえで、「起訴相当」の議決をすると、裁判所から指定された弁護士が検察官に代わって容疑者を起訴。公判では検察官の立場で立証活動を行う。 改正法の対象は、5月21日以降に「起訴相当」の議決が出た事件。明石の事故で神戸検察審査会は過去に2度「起訴相当」を議決しているが、今後新たに「起訴相当」が2度連続すると、改正法によって起訴が強制的に行われる。 ◆不安も◆ 「政治家や公務員の犯罪が起訴猶予になるなど、市民から見て納得できない事件を裁判の場で公に裁けるようになる意義は大きい」。日本弁護士連合会で改正法の対策を担当する山下幸夫弁護士は、そう言う。各地の弁護士会は、各審査会から法律的な助言の要請があった場合、経験5年以上の弁護士を推薦する予定で、東京の3弁護士会は既に60人超の希望者リストを作成した。 ただ、容疑者を起訴する弁護士は、検察官を通じて警察を指揮しながら、補充捜査もしなければならず、山下弁護士は「検察との協力が課題になる」と話す。 一方、ある検察幹部は「今後は、同じような事件でも、(検察審査会の議決によって)起訴されるケースとされないケースが出て、判断基準がばらつく可能性がある」と戸惑いを隠せない。 ◆どうなる?「西松」や「JR福知山線事故」◆ 今後、焦点になりそうなのは、国民感覚と検察の判断とのズレが指摘されてきた政界事件や事故を巡る業務上過失致死傷事件だ。 日本歯科医師連盟の1億円ヤミ献金事件では、野中広務・元自民党幹事長らについて「不起訴不当」の議決が出され、同連盟の迂回(うかい)献金疑惑では山崎拓・前同党副総裁について「起訴相当」の議決が出たが、不起訴の結論は変わらなかった。 西松建設がダミーの政治団体を使って政界に資金提供した問題で、政治資金オンブズマンが先月、自民党政治家の会計責任者らを政治資金規正法違反容疑で東京地検に告発した。不起訴となった場合、検察審査会に審査が申し立てられる可能性がある。同オンブズマンの阪口徳雄弁護士は「政治家の事件では証拠があるのに起訴しないと感じることが多かった。今後は1回目の『起訴相当』の議決で検察側にも重圧がかかる」と断言する。 兵庫県尼崎市で05年4月、乗客106人が死亡したJR福知山線事故では、神戸地検がJR西日本を業過致死傷容疑で再捜索するなど捜査が続く。今後、仮に当時の幹部らが不起訴になれば、検察審査会へ申し立てが行われるのは必至だ。 一方、医療分野については慎重な判断を求める声も。医療事故に詳しい棚瀬慎治弁護士は「2度の議決で起訴が行われたものの後に無罪が出ると、医師や医療現場に与える影響が大きい」と指摘している。(社会部 南原務、小林篤子) ◆検察審査会=審査員の任期は半年間で、3か月ごとに半数が入れかわる。全国で165の審査会があり、被害者などからの申し立てを受けて審査を行うほか、新聞記事などを基に職権でも審査を始められる。審査員が職務上知った秘密を漏らした場合、これまでは2万円以下の罰金だったが、今回の改正で罰則が6月以下の懲役または50万円以下の罰金に強化された。 (2009年5月31日17時23分 読売新聞) |
『事件の底みて判決を』 検察審査会OBから裁判員へメッセージ 東京新聞 2009年6月1日 市民が刑事裁判に参加する裁判員制度が始まったが、市民の司法参加はこれが初めてではなく、検察審査会制度によって六十年ほど前から行われている。裁判員制度開始に合わせ、審査会の仕組みも大きく変化した。審査会の議決は、これまで法的拘束力がなかったが、「起訴相当」を二回議決すれば、必ず起訴されることになった。審査員OBでつくる川越検察審査協会の中川泉会長(69)=狭山市南入曽=に、審査会の制度改正や市民の司法参加について聞いた。 (石井友恵) ◆経験を振り返り 中川さんは一九九九年二月から半年間、検察審査会の審査員を務めた。テレビドラマで審査会について知っていたが、実際に経験した審査は「テレビドラマの方が和やかだった」というほど白熱したという。裁判員制度導入時の議論で「論争は日本人の国民性にそぐわない」という意見もあったが、中川さんは「そんなことはなかった」と話す。 任期中、月一回ほど午前中から夕方まで開かれる会に参加、計五、六件を審査した。参加するのは「投票に行くのと同じ。当たり前のこと」と振り返る。 「起訴相当」を議決しても、検察の不起訴の判断が覆らなかったこともあった。そんな時は「一生懸命に議論したのに」と悔しい思いをした。それだけに、今回の改革について、「遅すぎるという気もするが、大きな前進だ」と歓迎する。 裁判員の精神的負担について、「裁判員は量刑を決めなければならず、検察審査員よりずっと責任が重い。夜うなされる人が出てきてもおかしくない。心理面のフォローが必要だ」と提言する。 裁判員となる人たちへは「事件の底に何があるのかを自分なりにそしゃくし、判決を出してほしい」とメッセージを送る。 ◆『起訴相当』2回で指定弁護士が起訴 検察の不起訴処分の妥当性を協議する検察審査会は一九四八年に創設された。選挙人名簿からくじで選ばれた市民十一人が半年の任期で審査をする。主に犯罪被害者などからの申し立てで審査を開始し、「不起訴相当」「不起訴不当」「起訴相当」の議決をする。 これまで審査会の議決には法的拘束力がなかったが、五月二十一日以降は審査会が二度、起訴相当を議決した場合、裁判所の指定した弁護士が起訴することになった。 さいたま第一検察審査会事務局によると、県内の審査会が昨年受け付けた事件は、四十九件。うち起訴相当は三件、不起訴不当は四件。現在も捜査中の一件を除く計六件のうち検察が議決を受けて再捜査し、起訴したのは三件。 さいたま第一検察審査会の桜井敏夫事務局長は「これまで審査会の議決が反映されず、不満の残るケースもあった。その点が解消されたことは意義深い」と語った。 |
裁判所や検察は「お上」意識の強いところで自ら変わるのは困難だと思うけれど、
法を守り、市民のためにはたらく司法や検察であってほしいものです。
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