今日は、最近読んだ本をご紹介。
桜井美奈 著『私が先生を殺した』
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避難訓練中、全校生徒の目の前で飛び降りた学校一人気者の若い教師。
彼はなぜそんな選択を?
そして事件直後、教室に戻った生徒達は黒板に書かれた「私が先生を殺した」というメッセージを目にします。
避難訓練前には、そのような文字は書かれていなかったのに。。。
彼に関わった生徒達の視点が章ごとに語られ、一体、学校で何が起こっていたのか……というミステリ。
読み始め当初は陰湿な虐めによるものかなぁと推理しましたが、読み進めるに連れ、それとは全く違う種類の恐怖に胸が痛くなるお話でした。
そして真面目な人が報われないやるせ無さ、理不尽さも。
冒頭のシーンが避難訓練なのは、このような訓練の場だと生徒の点呼があるため、アリバイが確定されますよね。
それによって、黒板の文字の犯人が謎になる……という設定、ミステリだなぁ🕵️♂️
こういうの好きです。
正直、この本を手に取った時は、ドロドロ学園ものなのだとばかり思っていましたが、教師の過酷労働、少子化の現代における学校の生き残り、価値観(学歴)を子どもに押し付ける親、家庭の経済事情と大学進学…などなど社会派チックな側面のあるミステリで。良い意味で予想と違ってて面白かったです。
章ごとに視点が変わり、色々な生徒が登場するという面白さもあるので、是非、映像で見てみたい気もします🎬
映画化して欲しい作品!!
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