幻冬舎文庫
2018年8月 初版発行
2022年1月 15版発行
346頁
鎌倉の古い仕舞屋で小さな文具店を営むかたわら、祖母から受け継いだ手紙の代書を請け負う鳩子=ポッポちゃん
友人への絶縁状、借金のお断り、天国からの手紙…
身近だからこそ伝えられない依頼者の心に寄り添ううち、仲違いしたまま逝ってしまった祖母への想いに気づいていきます
まず、落語の「代書屋」が思い浮かびましたけど、それは脇に置いといて
一通の手紙といえど便箋の材質、万年筆かガラス筆か毛筆かボールペンか、インクの色、切手などを選ぶことから始まる代書
素晴らしい仕事です
ご近所の人々との交流、鎌倉の街歩きなど、読みながら、鎌倉に実際にツバキ文具店があるのでは、と思えてきます
下手な字のことを“汚文字”というそうです
自分も決して字が上手いとはいえないので「私、汚文字なんです」という依頼者に感情移入してしまいました
小川さんは
「食堂かたつむり」で↑
「蝶々喃々」で↘
「ファミリーツリー」で↓
手を出すまいと思っていましたが、本書は大変評判が良いので暫くぶりに読んでみようかと、およそ12年ぶりに手にしました
心温まるいいお話でした
とりあえず続編の「キラキラ共和国」も読みませう
私も(理由は違うかもしれませんが)敬遠中。なんか「思想」が有って、それに合わせてストーリーを無理に作っているような感触が強く、次第に手を出さなくなりました。
そんな中、このシリーズは良いですね。『キラキラ共和国』もなかなかです。ただ、NHKでドラマ化したのを見てしまったので、その俳優の顔が脳裏に浮かんでしまい困りました。キャストとしては良く合っていると思うのですが、これは果たして良い事なのかなぁ。
http://blog.livedoor.jp/todo_23-br/archives/9671309.html
正直、「食堂かたつむり」はまぐれで小川さんは小説家として×じゃないかと思っています。
でも長く書き続けてらっしゃるし…
NHKのドラマは敢えて避けてました。
ところが、原作者を知らず「ライオンのおやつ」を観てしまい、久しぶりに興味が湧いた次第です。
俳優さんのキャラが合っていればドラマが先でもOKではないでしょうか。合っていないと最悪ですけど。
小川さんのは土橋章宏さんや川村元気さんみたく、映像を前提とした小説な気がします。
訪問&コメントありがとうございます。
ドラマは機会があれば観たいと思います。
実際に鎌倉を訪ねたくなりました。