新潮社
2014年9月 発行
251頁
短篇集です
「月と潮騒」
「トウネンの耳」
「カコの話」
「本棚にならぶ」
「旅行鞄のなかから」
「コート」
「夏の朝」
「丹生都比売」
「ハクガン異聞」
テーマは生の寂しみを引き受けて生きるということ
20年ほど前に出版された「丹生都比売」
母后持統天皇による愛児草壁の抹殺という推論に基づき、現代でもおこりうる普遍性を持った悲劇として、抹殺される子どもの側の視点で書いた作品だそうです
他に収録されている8編は「丹生都比売」から伸びた蔓のような作品、とあとがきにあります
短編小説を一本の木とすれば短編集は木が集まった森であり、それは一編の長編小説といえる
古井由吉さんの短編集のあとがきだったかで知った言葉です
その通りですね
しかし、梨木さんには「村田フェンディ滞土録」のようなガツンとくる長編を発表してもらいたいと願うこの頃です
読みながら梨木さんなのか小川洋子さんなのか湯本香樹実さんなのか分らなくなる時があって困りました
加えて吉田篤弘さんの4方、ごちゃ混ぜになることが間々あるのです(^_^;)
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