雨、気温23℃。今週の山行も中止。月山、東普陀落へ行く予定であったが残念。
今日は、24節気の小暑。夏至を過ぎて昼の長さが少しだけ夜より長くなっているが、気温の上昇はこれからだ。これに続く大暑と立秋が一年のうちで一番暑い。小暑のころを初伏、大暑のころを中伏、立秋のころを末伏といい、期間を総じて三伏という。
何もせずにいても暑いこの期間、農業に従事してきた人々の苦労は、古い時代ほど過酷であったであろう。稲を鋤き、草をとり、生育を見守る毎日。強い日差しは、農に携わる人々の上に容赦なく降りそそぐ。
中唐の詩人、李紳に農をあわれむという漢詩がある。
禾(いね)を鋤いて 日 午に当たる
汗は滴る禾下の土
誰か知らん盤中の餐
粒粒 皆 辛苦なるを
粒々辛苦という言葉の出所はここにある。広辞苑をみると、米を作る百姓の辛苦の一通りでないこと、とある。どれほど農民の辛苦があったであろうか、それは同じ詩の、前半を見れば明らかである。
春に植うる一粒の粟
秋に収む万顆の子(み)
四海 閑田無きに
農夫猶餓死す
農夫は作物を自分の口に入れるために、粒粒辛苦して田を耕したのではなかった。豊作の秋を迎えて、重税に耐えかねて飢えて死ぬ、という過酷な現実を生きていた。詩人の李紳は、こうした現実を詩に詠んだだけでなく、のち宰相となって国を治めた。その政治が、農民の負担を軽くすることを重んじたのは云うまでもないことである。